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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 宮森 英二
激闘、バイト生活っ!!

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第45話 ふふふ。スーツ姿の俺。中々イケるみたいだぞぉっ!!


 「いやぁ、助かったよっ!! お金足りなくなってさっ!!」

 「その小学生並みの金銭感覚……。やはり貴方はクソニート様でいらっしゃったのですね」


 さっきまで顔を真っ赤にしていた彼女がすっかり素に戻って俺の隣の歩く。

 美人巨乳メイドこと神代美千代さん。神代はくましろと呼ぶらしい。

 くましろみちよさんっ!! ふふふ。ピンク髪の美人女性だ。

 なもんでこうして一緒に歩くとドキドキしちゃう。おっぱいも大きいぞっ!! あははははっ!!


 「しかし……その恰好」

 「うん?」


 「馬子にも衣装という言葉があります。その言葉、今の貴方にぴったりですね」

 「あはは、そうかな。ありがとう」


 なんか褒められたっ!! いやー俺のスーツ姿。かなり好評じゃない?

 38のおっさんがさぁ。あははっ!! ホストにでもなっちゃうかー?

 ふふふ。それは流石に調子乗りすぎか。でも褒められて嬉しいな。

 自然と笑みが出ちゃうぞ。わっはっはっ!!


 「…………………………」


 あら美千代さんまた顔が赤い。やっぱり風邪なのかしらね。

 お大事にしてほしいなぁ。


 「しかし」

 

 おろ?


 「随分、お若く見えるのですね。お兄様から、伺った話では。もうちょっと」


 「ワ、ワイルドな方だと伺っていましたから」


 「あはは、実はバイトする為にスーツを買って貰ったんだ。しゅ、出世払いって事でぇ」

 「またレイジ博士からですか。一体貴方はあの方にどれだけ貸しを作るのでしょうか」


 「いやぁ、ははは」


 言われちゃった。確かに俺はレイジさんに貸しを作りすぎだよなぁ。

 い、いつか返せえれば良いなぁ。な、なんて。あはは。


 「しかしバイト、とは。ついに働く気になったのですか?」

 「まぁ。う――ん。働きたくなかったんだけど」


 「だけど?」

 「まぁ、ちょっと欲しい物があって……。それで、ね」


 「欲しい物とは、なんですの?」


 あら、結城くんの親戚っ子ちゃん興味ある? あはは、こんなおっさんに興味持たなくて良いのよぉ。

 しかし本当結城くんに似てるな。兄妹ってのはやっぱり似るものなんだなぁ。


 「まぁ、ちょっと。色々とね」

 

 IDを取り戻すためにバイトしたなんて言えないよね。多少の見栄くらいは張らないと。

 でないと結城くんが恥かきそうだし。


 いや美千代さんにお金借りた時点で見栄もクソもないか。たはは――。

 

 「ちょっと……。そう、なんですの」

 

 「ともかく、ちょっとバイトをしてみたくなったと。そういう事ですの?」

 「そんな所かな。バイトなんて初めてだけど。やってみようと思って」


 「そうなんですの……」

 

 「素晴らしい……」


 「素晴らしい考えですわ。京介さま」


 うん?


 「長い雌伏の時。ようやく一歩踏み出すと」

 「ちょちょちょ、待った待った」


 「え、えっと君はなんで」


 「君はなんで俺の名前を知ってるの?」

 「ふふふ。それはお兄様にお聞きしましたから」


 「お兄様は貴方様をニートを呼んでいらっしゃるですが。私はそのような不躾な事出来ません」

 「ですので、貴方様にお会いしたら、しっかり本名でお呼びしようと。そう思っていましたの」


 ああ。そっか。身体調査されてたって事か。あまり名前呼ばれるの好きじゃないんだけど。

 う――む。まぁこれも慣れか。俺も多少は前向いて生きないとだしなぁ。


 「お初にお目にかかります京介さま。私は結城財閥が次女」


 「結城千鶴ゆうきちずると申します。どうぞお見知りおきを」

 

 彼女は実にうやうやしく俺に挨拶した。

 はわ――――。お嬢様だっ!! 結城くんは実に活発な男子らしい男子だけど。

 この子は逆に女の子らしい女の子。


 へ――。結城くんにこんな妹さんが居たのか。知らなかったな――。

 

 「ご丁寧にどうも。俺はニート」


 「京介さま」


 「ニートなど。そのような言葉私は使えません。どうか京介さまと」


 「貴方様の本名で呼ばせてください。おいやですか?」

 「やだ」


 「えっ」

 「ニートって呼んでくれないと君と今後会話しない」


 「えっ!!」


 あ、言っちゃった。いやぁ、なんというか。

 本名で呼ばれるの嫌いなんだ。

 彼女に釣られてたかしくんや結城くんも本名で呼び始めるのなんか嫌だし。


 うん。


 つまりなんかヤダっ!!


 なんかヤダだからニックネームで呼んでっ!!


 「って訳でニートって呼んでねっ!!」


 「あ、え。えっと……」


 う――ん。葛藤している様子。


 「き、貴様っ!! せっかくのお嬢様の好意をっ!!」


 いやん美千代さん。そんなに怒らないで。

 ともかく本名呼びは嫌い。ニートって呼んで。


 「あ、あの……。どうしても?」

 「どうしても」


 「あ、ああ……。では」


 「鷹司たかつかさ様とお呼びしても」


 あら――。俺の苗字まで調べてるの? やだなぁ。なんか俺の苗字って堅苦しくって嫌いなのよね。

 でもまぁ。


 「良いよ。それなら」


 ここが妥協のしどころかぁ。


 「はいっ!! では鷹司様とっ!!」


 決まっちゃった。まぁ名前呼ばれるより良いか。


 「それで鷹司様はなぜこのような場所に?」

 「それはまぁ、バイトの為に」


 「バイトとは?」

 「ほら、この近くにあるじゃない? 戦術歩行兵器研究所って所」


 「ああ、そうなの? 美千代」

 「はい。我が財団が出資し、次世代兵器を作るべき日夜研究を続けていると」


 「そうなの。へ――――」


 財団が出資? 財団か――。なんか凄そうだなぁ。財団ってなんだ?

 まぁなんか凄い所なのだろうっ!! うんうんっ!!


 「なるほど。それで鷹司さまはそこでバイトを」

 「うん、でもなんか正社員にされそうでさ」


 「正社員……。なぜ?」

 「いやぁ。そこの」


 「そこの女の子に、テストパイロットになれって誘われたちゃってさぁ」


 「女の子?」

 「うん、そうなんだよ。それで就職が決まりそうになってさぁ」


 「女の子……」


 「その」


 「その話、詳しくお願いします」


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