第44話 わーーいっ!! 久しぶりのコンビニだっ!! あ、知り合い発見やりぃっ!!
「うわぁ、コンビニだぁ。コンビニでご飯を買うなんて豪勢だなぁ」
そういう訳で博士と一緒にご飯を食べる為、コンビニまでやってきた。
スーパーに立ち寄る選択肢もあったが、今はまだ8時という事もあり店は開いていなかった。
そんな訳でコンビニでの買い物だ。
コンビニは高いと言うイメージがあり、俺が利用する事は皆無だった。
しかし、今はこうやってお使いという名目でお買い物が出来るっ!!
コンビニでご飯は買うなんて。まるで社会人みたいだぁ。素晴らしいっ!!
軍資金は2千円もあるぞっ!! オムライスが1つ500円だとして1000円もお釣りが来るぞっ!!
お釣りで歯磨き粉と歯ブラシを買って。これで博士を歯を磨けるっ!! やったぜっ!!
実は博士の口臭はちょっと気になっていたのだっ!! それと単純に虫歯が心配だ。
あとは髪の毛を結ぶゴムも欲しいなぁ。髪長すぎて地面擦ってたから。ゴム安いと良いな。
「あった。ありましたわ。これでカツラを使える」
「ああ、良かったです。お嬢様」
うん? 近くで誰かが喋ってる。なんか聞き覚えがある声だなぁ。
「ほら美千代ここにありましたわよ。まったく大事な物忘れるんだから」
「も、申しわけありません。お嬢様失念しておりまして……」
「ほら髪ゴム。やはりコンビニで売っていましたでしょう?」
「はい。お嬢様の慧眼。おみそれしました」
「お世辞は良いわ。ほら行くわよ美千代」
「今日はニート様の所に行く日よ。しっかりとおめかししないとね」
「は、はぁ……。しかしいつまであの男の所に通うつもりで……?」
「勿論、あの方を我が夫とするまで」
「お嬢様、私は反対ですっ!! そのような事っ!!」
「お黙りなさい。私は決めたのです。年の差なんて」
「愛さえあれば、乗り越えられますわっ!!」
「お、お嬢様……」
なんか見知った顔を見かけた。彼女は結城くんのメイドの美千代さんだ。
こんな所で何をしているんだろうか。それに一緒に居る女の子はだぁれ?
う――ん。
せっかくだから話しかけてみよっ!!
「お――――いっ!!」
「むっ!!」
「何者だっ!! 貴様っ!!」
あら、抜刀してきた。いやん。怖い怖い。ほらぁ俺ですよぉ――。美千代さん。
「俺です。俺ですよニートです。美千代さんこんな所で何をしてるんですか?」
「はぁ? ニートだと? そんな者は知らん。貴様何者だっ!!」
あら、おめかししてるから分からないのかな?
「俺ですよ俺っ!! たかしくんの叔父のニート親父ですよっ!! 36歳ゲーム好きっ!!」
「は。は?」
「スーツを着ておめかしもバッチリ決めましたから気づかなかった? 俺です俺っ!!」
「な、え……」
ふふふ。いつもは穴の開いた服で、髭ボーボーで髪ボサボサだったからね。
どうどう? おめかしすると結構イケるもんでしょ?
「は。あ、あの……ごく潰しの……。ニート、野郎」
「あはは、そうだよーっ!! いやぁ、こんな所で会うなんて。地元からはちょっと離れてるよね」
「は……。本当? あの……。あの、ニート?」
「そうだよ――。いやぁ、スーツを着るなんて初めてだけど意外と動けるね」
目の前の美千代さんは目を丸くして俺を見ている。
まぁ俺がスーツを着るなんて滅多にない事だし、へへへ。珍しかったかな?
どうよどうよっ!! 結構良いって言われてるのよ? 大学生に間違えられるくらい。わっはっはっ!!
「な、なぜ……。そんな恰好を……。なさって、いるの、ですか?」
なんだか言葉が片言になってる。あはは、そんなに驚かなくても良いのに~。
どうかな? かっこいいかな? なーんて。ちょっとスーツ着ただけだけどさ。
「どうだい? かっこいい? なんて。ふふふ」
せっかくなので聞いてしまったっ!! この姿好評なんだぞっ!!
どうだいどうだい?
「………………………………」
あれ、なんか黙っちゃった。顔もちょっと赤い……。あらやだ風邪かな。
あら――。あ。そっか。
「風邪を引いて薬を買いに来たとか? あれ? コンビニは風邪薬置いてなかったか」
「う――ん。久しぶりに来たから分かんなくなったや」
「えっと、どうだったっけ美千代さん」
「うん……。あのぉ美千代さん?」
どうした事だろう。彼女が真っ赤な顔して黙り込んでしまった。
一体どうしたんだろう。あはは、顔が赤くてピンクの髪とお揃いだっ!!
っと。こんな事言うのは失礼か。しかしなんで黙っちゃったんだろう。
あ、そう言えば。
「君は」
「あ」
うわ。この子も顔が赤い。なんだぁ。最近は顔を赤くするのが流行ってるのか?
っていうかこの女の子誰だろう。
髪はセミロングって所か。ちょっとロールしてる所がお金持ちって感じ。
色は黒髪。って事はたかしくんと同じ自然分娩で生まれたナチュラルさんなのかな?
顔の感じは……。ちょっと結城くんに似てるかな。
結城くんもちょっと女性っぽい顔つきだからね。おっと。良い意味でって事。
結城くん似の女の子……。服は、なんかお嬢様って感じで豪勢だなぁ。
うん、アレだな。つまりこの子は。
「どうも。君は結城くんの親戚さんか何かかな?」
つまり彼女は結城くんの親戚の女の子って事だなっ!! 顔そっくりだしっ!!
「あ、あ……」
あら? 固まったまま動かない? さっきは結構饒舌に話してたと思うけど。
「う――ん。美千代さん。彼女どうしたんですか?」
「美千代さん……」
「美千代さん?」
俺の問いかけにハッとした顔を見せる美千代さん。
顔はまだちょっと赤いが、少しは調子を取り戻したらしい。
剣をまっすぐに向け。
「この偽物めっ!! そのような恰好で騙そうとしても騙されんぞっ!!」
なんか偽物扱いしてきた。なんでぇ?
まぁいっか。
「ともかく俺は朝ごはん買いに来たんで、これで」
「あ、ま、待てっ!!」
「いや、急いでるんでっ!! じゃあねお嬢さん。美千代さんと仲良くね」
俺は笑顔で結城くんの親戚ちゃんに挨拶し、そのまま買い物を済ませ帰った。
その様子を2人がぼーっと見ていた。あとで結城くんにも俺の雄姿が伝わるかな?
立派に就職する事が出来た俺の姿がっ!! あっはっはっ!! いやぁ。愉快愉快っ!!
って訳で。さぁ研究所に帰って皆でご飯を。ご飯……。
あっ!!
わ、忘れていた……。
アニエスさんとコリーヌちゃんの朝ごはんを買っていない……。
そんな……。ああ。これは……。
あ、そうだ。
「お、お嬢様……。あ、あの男は……。ほ、本当に……」
「うあ……。あ……」
「京介……さ、ま……」
「やはり、あの方は……」
「あ、居たっ!! 良かったぁ。ねぇねぇ美千代さん」
「お金貸してくんない? 千円で良いから」
お金使っちゃったから美千代さんに借りる事としたっ!!
いや――。
丁度良く知り合いが居て良かったな――っ!!




