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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 宮森 英二
激闘、バイト生活っ!!

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第27話 天才少女出現っ!! つまりたかし君って事だねっ!?


 「え? 迷子センターやってない?」

 「はい、まだ展覧会には早いですし」


 「そうなの? 展覧会8時からじゃ?」

 「いえ、10時からですけど」


 うん? どういう事?


 「おいっ!!」

 「あら、春美ちゃん。なんだい?」


 「分かったかっ!? 客なんて入ってないのよっ!!」

 「うん、そうだね」


 「だから私はここの」

 「お父さんお母さんがここに働いてるのかな? 迷っちゃった感じ?」


 「だからっ!! 話分かんないわねぇっ!! どこの大学生よっ!! どうせ三流大でしょダボがっ!!」

 「うんうん、分かった。今探してあげるからね」


 「だから……。このっ!!」


 施設に着いて早々、迷子を見つけたって事で迷子センターに来た。

 でも彼女は迷子ではないようだ。それならきっと同じスタッフの子供だろう。

 

 昔ピクニックで遭難したたかしくんを見つけた時も同じような言い訳をしていたのを思い出す。

 自分で下山出来た。お前が来なくても俺は大丈夫だった。

 たかしくんは顔を思いっきり涙ではらしながら、そんな事を言っていた。

 子供ってのはこういう時多少見栄を張ってしまう生き物なのだ。

 結城くんも同じような事を言っていたし、やっぱりこういう時は大人が気を使ってあげないとね。


 「じゃあ施設の職員さんに親御さん居ないか聞いてみようね」

 「この、お前っ!! いい加減にしろよっ!!」


 「はいはい、大丈夫だからね。探してあげるから。えっとスタッフさん、他の職員さんはどこに?」

 「うん? そういえば誰も居ないような。ともかく展示会場に行ってみたら?」


 そっか。ならそこに行ってみよう。


 「ふふふ、貴方大学生? 迷子探し、頑張ってね」


 また大学生って言われちゃった。あはは、お世辞かな? それとも恰好のせい?

 訂正するべきなんだろうけど、ここは気分が良いから何も言わずに進んじゃえっ!!


 バレるまで俺は大学生ですよ~。よほほ~。


 「こらっ!! 抱っこするなっ!! 私を誰だと思ってるんだっ!!」

 「うんうん、今探してあげるからね。待っててね――」


 「このやろぉおおおおおお――っ!!」

 「大丈夫、ほら行こう「何をしているんですか?」


 んん? 誰かから声がかかったぞ? この声、聞き覚えがあるな。


 「あ、レイジっ!! おいレイジこのガキなんとかしろっ!!」


 あ、レイジさんだ。うん? なんだぁ春美ちゃんレイジさんの事知ってるのかい?

 目の間にレイジさんが居た。レイジさん。たかしくんのお父さん。

 俺の義理の兄だ。レイジさんこの子知ってるのかな。あ、同僚のお子さんとか?


 「春美所長。こんなところで何を?」


 うん?


 所長?


 「所長?」

 「ああ、そうだよ」


 「私はこの戦術歩行兵器研究所の所長」


 「三日月春美だ。分かったかこの愚民っ!!」


 戦術歩行兵器研究所の所長、三日月春美?


 うん。うん。


 「あ、分かったレイジさん。この子たかしくんのお友達なんでしょ? ふふふ、もうそういう事言い始める歳か―― 中二病ってやつ? そういう設定で遊んでるでしょ?」


 「だ――――か――――ら――――」

 「違うつってんだろダボがぁああああああああああ――っ!!」



 

 ◇ ◇ ◇




 「いやぁ。なんかすいません。まさか本当の話とは」

 

 「この蛆虫ゴミカス低能ポンチキ野郎っ!! 何度も説明してやったのに無視しやがってっ!!」


 「死ね死ね死ねっ!! これだから低能のクズは嫌いなんだっ!! 生きる価値がないっ!!」

 「私がどれだけ偉大な存在か分かってないみたいね、このカスっ!!」


 「私は人類の命運を担っている超優秀な技術者なんだよっ!! お前みたいなチャランポランに生きてる大学生とは違うのっ!! 分かってるっ!? 私は偉いのっ!! 私は凄いのよっ!! あんたみたいなカスにガキ扱いされる筋合いはないって事よっ!!」


 「あんたみたいなクズは私みたいな超天才の下でかしずいて働いてれば良いのよっ!!」

 「分かるっ!! ねぇ、このゴミクズカスゴミゾウリムシの頭スポンジ男っ!!」


 

 「わぁ、噛まずにそんなに言えて凄いねぇ」

 「はぁあああああああああああああああああああ――――っ!?」


 どうやらこの女の子はこの施設の責任者らしい。

 つまりレイジさんより偉い少女って事だ。なんでも凄い天才で凄い物を作ってるんだとか。

 何がどう凄いのかは分からないけど、ともかくたかしくんの凄いバージョンなのだろう。


 「世の中凄い人も居るもんですねぇ。ねぇ、レイジさん」

 「まぁ、そうだね。彼女は天才だよ。本当に」


 「ふんっ!!」


 褒められた事で少し機嫌を良くしたのだろうか。

 彼女を少し落ち着きを取り戻し、近くの椅子に座った。その姿は、やはり子供にしか見えなかった。


 「まぁこんなクソガキに私の偉大さを理解しろってのがおかしい話なんだけど」

 

 「レイジ。貴方と親しくしてるって事はコレがあんたが雇ったスタッフってやつ?」

 「そうですね。短い間ですがどうかよろしくお願いします」


 「ふん、どこのガキだか知らないけどまったく呑気な事だわね」

 「いやぁ、俺はもう36なんで体だけは十分に大人なんですけどね」


 「あんたみたいな36が居るかってのっ!! 嘘つきなさいこのクズっ!!」


 あら信じてくれない。俺そんな若く見える?

 やっぱり働いてない人は顔が幼く見えるって言うし、その部類なのかな。

 若く見られて嬉しい反面、年相応に見られた方が良かったかもしれないなぁ。

 つまり大人に見られてないって事。うーんなんだか複雑な気分だ。

 まぁ36歳でバイト生活なんて世間体的に見ても確かにちょっとアレだし、しょうがない事なのかも。

 あ、バイト生活って訳でもないか。無職の……。うん、より悪いっ!!


 「ともかくスタッフなら私の手伝いをするのよっ!! ほら来なさいっ!!」

 「え――っと展覧会の案内スタッフだって聞いて来たんですけど」


 「うるさいっ!! ガキがっ!! 誰に口を聞いてるのかしらっ!? あんたみたいな雑魚学生は天才の私の言葉に従ってれば良いのよっ!!」

 

 「ともかくっ!!」


 「こっちに来なさいっ!! このダボがぁあああっ!!」

 

 「あの、所長……」

 「うるさいレイジっ!! 私に指図するんじゃないっ!! さぁ」


 「行くわよっ!!」


 なんだか知らないけど行ってあげた方が良さそうだ。

 でも、おかげで遅刻の件はうやむやになりそうだし、そう考えれば……。


 ラッキーっ!!



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