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魔王に囚われて異世界から英雄(ヒーロー)を召喚した王女様。間違えてゲームのキャラを召喚してしまった。  作者: 昭和おじさん
エンデールへ

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第11話 到達、エンデール。こんにちわ灯火女(ともしめ)さん


 ボスを倒した。いや、そりゃあ倒せば倒れるんだろうけど、でも。


「一撃? 一撃っすかぁ?」


 白いモヤを超えようやくボスに辿り着き、いざ決戦っ!! っと思ったのだが。

 まさか一撃? 敵が一撃で倒せてしまった。

 そういうボスだった。なんて可能性もあるだろうが。

 しかしここはプレイヤーに操作を覚えさせる為、ある程度強敵を用意しておくもんじゃないか?


 いなし斬りの火力が強すぎた。なんて可能性もあるだろうが……。

 それでも一撃は流石にやりすぎだ。いや、もしかして……。


 「これってバグか?」


 考えうる原因は1つ。

 つまりバグで想定以上のダメージが加わり、一撃で葬ってしまった。

 っという事である。


 っと言う事にしておこう。


 「ま、倒せたならいっか」


 少し不満はあるが、まぁ元より訳の分からないゲームである。何が起きても驚かない。

 だがせっかく武器を手に入れたのだから、歯ごたえのある戦いがしたかったなぁ。なんて思う。

 やり直したい。そう思ってもリスタートもアップデートも出来ないのだから、しょうがないけど。


 「まぁ進むかぁ」


 ともかく先に進むとしよう。


 進むと言っても。


 「焚火……か」


 ボスを倒した後にスゥーっと現れた物。

 それは焚火だった。倒したボスが灰のように崩れ、その灰から焚火が誕生した。

 現れた焚火の先を見る。そこは廃墟だ。先になにかあるという事は無かった。廃墟の先は廃墟。

 きっと先に進んでも廃墟しか無いのだろう。なんとなく勘でそう思ってしまう。


 ならば。この焚火が先に進む為の……。

 俺はキャラを焚火に座らせ、出てくる項目を見る。


 転送。

 魔法の記憶。

 アイテムの整理。

 不死者の遺骸。

 立ち去る。

 

 変わらない項目。だが1つ確信があった。

 転送の項目を選び、そこの内容を見る。


 森の中へ。

 廃墟の中へ。


 その後に。


 森の中へ。

 廃墟の中へ。

 エンデールへ。


 エンデール。聞いた事のない場所が表示されていた。


 「ようやく森の中を卒業かぁ」


 今までずっと森の中をただ彷徨っているだけだった。

 しかしこれでやっと別の地域に行ける。エンデール。一体どんな場所なんだろうか。


 まぁアレだ。

 善は急げってやつっ!!


 俺はエンデールの項目を選択した。すると画面の主人公がどこぞへと転送されていった。

 運ばされた先は。ああ、良かった廃墟じゃない。恐らくここがエンデールなのだろう。


 そこは丸い円形の広場の中央に焚火があり。その先に長い道がある。

 ここがシリーズ恒例。ゲーム内キャラを強化したりする為の拠点なのだろう。


 やったたどり着いたっ!! その感慨もあるが……。違和感も感じる。

 なんか急にグラフィックの質が……。


 「まぁ、綺麗。なんだろうけど」


 この空間だけ妙にグラフィックが荒いのだ。いや。勿論綺麗ではあると思う。

 だが最初の森の精巧なグラフィックに比べると、なんと言うか、見劣りする。

 

 「4K画質だし、綺麗。なんだろうけど……」


 森とこの場所では一世代スペックが違う。そんな印象を受ける。

 そう。なんというかここは。


 ゲームなのだ。


 「まぁ、ゲームなんだけどさ」


 ともかくせっかくの新たな拠点だ。色々と巡ってみるのも良いだろう。

 そんな訳で、いざ探検と行こうかっ!!


 

 ◇ ◇ ◇



 探検した結果、これといった物は発見出来ませんでした……。

 もうっ!! 宝箱の1つくらいあっても良いでしょうにっ!!


 何も無い。本当に何もない空間が続いてたのだが。

 しかし、そんな中でも1つ。「ある者」が居た。


 「いやはや。どうもどうも」

 

 「どうも灯火女ともしめさん」


 円形の広場にある焚火。その焚火の傍で静かに佇む。目を布で覆っている女性。

 彼女はゲーム恒例のレベルアップしてくれる人。灯火女さんだ。


 シリーズでは彼女がレベルアップを補佐してくれる。そう、つまりここでは。


 「レベルアップ、してくれるかな?」


 灯火女はシリーズ恒例の主人公の味方。彼女を使って主人公は強くなる。

 そんな彼女が居る。何もない空間だが、彼女一人いるだけで万の宝を得た気分だっ!!


 だけど。


 「ちゃんと、機能すれば良いんだけど……」


 そう。このゲームは異常。

 その言葉だけで事足りる現状。このゲームはおかしい。不可解だ。

 そんな不可解な状況で、彼女はこちらに反応してくれるだろうか。


 恐る恐る彼女に話しかける。お願い。しっかり……。

 しっかり、話しかけさせてくれ。


 「ようこそ。尽きぬ残り火さま……。私は灯火女。貴方様の旅を補佐する者です」


 

 「よぉおおおおおおおおおおおおお――しっ!!」

 

 あ、やべ。思わず声を上げて喜んでしまった。

 この家に防音という概念は無いのだ。玄関と居間と台所。あとおまけの縁側。

 それしかない10畳の無駄に広い家。

 最初は広くて良いなと思ったが断熱材などの整備されていない為、冬凄く寒い。

 トイレも無いし風呂もないから色々大変だ。

 ともかく無駄に広いボロ家なのだ。だからあまり騒げない。なんて……。嘘。


 ご近所さんなんか居ない、寂れた場所のポツンと屋敷だ。

 でも、寂しいから人が居るって事で静かにしてる。


 人なんて知り合いの小学生くらいしか来ない。

 中年ニートはへき地で封印されてろって訳。へへへ。


 ともかくだ。


「灯火女さん。よろしくね」


 レベルアップ。しちゃおうじゃないかっ!!

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