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合流

イーナは目の前で起きた事態を直ぐには理解できずに数秒の間呆けていた。

彼女と共に村人を守っていた隊員を食い殺した虎はその隙を見逃さない。

呆けているイーナに向かい牙を剥き出しながら襲いかかる。

その時どこからか吹き飛んできたジャイアントが今にもイーナに噛み付こうとしていたスカイガーと衝突した。

そこでイーナは我に返る。

蟻が飛んできた方向を見ると村人に襲いかかろうとしている魔物達をスミスが風の魔法で次々と吹き飛ばしていた。

スミスは魔法のエキスパートだが戦うことになれている訳ではない。

そのため戦いながら呪文を唱える余裕がないようだ。

なので風の魔法陣が書かれた手袋を右手にはめて村人を襲っている魔物を吹き飛ばす事に専念しているようだ。

その内の一匹がたまたまイーナの方向に飛ばされて来たのだった。

イーナは気を引き締める。

今にも逃げ出したくなる気持ちを必死に押さえつけ武器を構えた。

ジャイアントがこちらに吹き飛ばされスカイガーと衝突したおかげで一命は取り留めた。

しかしそれは対峙する魔物が2匹になったという事でもあった。

一人ではどうあがいても勝ち目は無いだろう。

近くで戦っている他の隊員と合流しなくてはならない。

幸い衝突し合った虎と蟻の2匹は起き上がりはしたがまだよろめいている。

ジャイアントが固有魔法の“硬化”を使用していたおかげでスカイガーへのダメージも大きいようだ。

イーナは周りを見渡し一番近くで戦っている隊員達を探す。

そして見つけた。

「皆さん!!走れますか?今のうちバイス副隊長達と合流します。ついて来てください!!」

イーナが守っていた村人達にそう言うと皆が頷いた。

イーナの合図に合わせ一斉に走り出す。

しかしその直後に意識がはっきりと戻ったジャイアントが彼女達に襲いかかる。


バイス副隊長と合流するまであともう少し、倒せはしなくてもそれまで時間を稼げれば…


イーナは走りながらそう考え呪文を唱える。

唱えたのは水の魔法。その魔法を自分達とジャイアントの間の地面に向かい放った。

蟻が泥と化した地面に足を取られる。

その間にイーナ達はバイス達と合流出来た。

「副隊長!!村人6名と私、合流させて下さい!!」

「分かった!!魔物の迎撃は俺がする!!

お前らはその援護をしながら村人を固めその周りを守れ!!」

「「はい!!」」

先にバイスと共に戦っていた隊員とイーナは返事をし即時に行動に移す。

バイスはぬかるみで足を取られているジャイアントに向かい走り出す。

巨大で武骨な刺股の様な武器を蟻の頭部に突きつけ魔力を込める。

すると刺股が万力の様に蟻の頭部を締め付けていく。

鉄以上の硬度を誇る蟻の頭部がメキメキッと音をたてて徐々に潰れていく。

蟻はジタバタもがいているがその刺股からは逃れられない。

「ピギャーーーー!!!!」

遂にはジャイアントは断末魔の悲鳴をあげながら頭部を完全に潰され絶命した。

「次ィ!!」

バイスは咆哮し自分の闘志を高めるのだった。


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