筋肉二人
肆部祭の出場者である全部活の部員達と共に校舎に逃げ込んだ俺はその中から外の様子を見ていた。
ステージではブレイブスの隊長でありリンの父親でもあるナット アウトバンが2匹の魔物に猛攻を受け苦戦している。
「パパ…」
娘のリンは祈るようにその様子を見ていた。
「朝倉先生!!このままだとナットさんが…」
ダレンが俺にすがりついてくる。しかしこの俺にも手の出しようが無い。
その時魔物研の顧問であるアンナ フォルトナーが言った。
「誰か私に肩を貸して。まだ自由に歩けないから。」
フォルトナーは魔物達から魔物研の部員を助ける時に足に怪我を負ってしまっていた。
「フォルトナー先生、何をするつもりですか?」
俺はフォルトナーに尋ねると彼女は答える。
「別に無茶をしようとなんてしてないですよ。ただ教務室に行くだけ。
教務室に行けば近隣の村の学校と連絡出来る魔道具がありますから。
どこの学校も夏休みだから繋がるかどうかは分からないけど取り敢えずやる価値はあるでしょ。」
「それなら私達が付いていきす。」
魔物研の部員の2人が手を上げた。
先程へたり込んで動けないでいた所をフォルトナーに助けてもらった生徒達だった。
「私達のせいで先生が怪我してしまったんです。私達に行かせてください。」
魔物研の部長のビビアンはそれを了承しフォルトナーに2人を付かせた。
2人は両脇から支えるようにフォルトナーを立たせ教務室へと向う。
俺は再度外の様子を見やる。
丁度ナットが2匹の魔物から同時に攻撃を仕掛けられたところだった。
片方に対処すれば必ずもう片方からの攻撃を貰ってしまうだろう。そいつを喰らえば恐らく致命傷となる。
もう駄目だ!!
「パパー!!!!」
リンが泣きそうな声で叫ぶ。
…とその時。
「加勢するぜ!!隊長さんよ!!」
モリソンが大鎚に乗って物凄い速さで飛んてきた。
モリソンはそのまま大鎚をスカイガーに向けて振り下ろす。
それはスカイガーには躱されてしまったがそのおかげでナットはブリザードからの攻撃を対処するだけで済んだ。
「助かった。流石は“帰ってきた救世主”だな。」
ナットがモリソンに礼を言う。
「なぁに、アンタにはちょいと聞きたい事があるんでね。こんな所で死なれたら困る。」
「聞きたい事?」
「まぁそれは後だ。
隊長さんよ、虎と蜥蜴、どちらを相手したい?」
「虎だな。俺の足は氷漬けにされちまってて動けない。
蜥蜴に遠距離から攻撃され続けたら手の出しようが無い。
虎ならあちらさんが攻撃してくる時は必ずこちらに近寄ってくれるからな。」
「了解。」
誰が何を相手にするか決まるとモリソンはブリザードに向かって走り出した。
上空のスカイガーがモリソンに反応し滑空する。
ナットがそれを炎の魔法を放ち邪魔をする。
「お前の相手は俺だって言ってるだろう!!」




