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ナットの戦い

今回の語り部はナットさんです。

最初は普通に茶鶴視点で書いていたのですがどうしても内容の都合上ナット視点で書いたほうがわかりやすそうだったので書き換えました。

俺はブレイブスの隊長、ナット アウトバンだ。


俺はステージ上で特別審査員をしていた他の人達を背にし大剣を構えていた。

目の前に氷蜥蜴−ブリザード−2匹、上空に翼虎−スカイガー−1匹。

俺は過去にそのどちらの魔物も辛勝ではあるが1人で倒した経験がある。

しかしそれは1対1での話しだ。

同時に3匹を相手にするとなると勝ち目など皆無に等しいだろう。

しかし諦めるわけにもいかないのだ。

俺はこの村の警備隊の隊長だ。守るものを背にしている状態で諦めてなどいいはずが無い。

そのうえ特別審査員は全員この村の重要人物だ。

村長のレオン カーマの家系はカーマ村が出来た時から代々この村を治めてきた。

魔法の技術や戦闘能力は人並みだが頭が切れ、情に厚く、人を統べる能力に長けた一族。

レオン自身もその才能を存分に受け継いでいる。


参雄学校校長のドワフ ヨーダンブールはこの村唯一の学校の長だ。50年以上この学校に務め、幾多の優秀な人材を育ててきた。

この学校の教師の殆どが彼を慕い集まった者達だ。

その教師達が校長の教育論を厳守し生徒を育ててきた結果、人口の少ないこの村から王国の研究者、騎士団、各地の警備隊員や有能なハンター等を何人も輩出している。


フムト フィルはフィル家の現当主だ。

フィル家は知識と知恵の神が最初に魔力を授けたとされる選ばれし者の一族の1つだ。

この世界でそれは特別な存在である。

絶やしてはいけない血筋。

そのため毎年その一族の住む村には王国から多大な補助金が配られる。

小さなこの村が経済的にやっていけているのもフィル家がこんな田舎な村を見捨てずに代々住み続けてくれているおかげなのだ。


1匹のブリザードが襲いかかってくる。

俺は剣に魔力を込め蜥蜴共を迎え撃つ。

奴らの動きは大して早くはない。

爪や牙での攻撃ならいなしつつこちらも反撃に出ることは容易いことだ。

しかしブリザードが危険度Bに指定されているのには理由がある。

それは奴らが持つ固有魔法。


そもそも魔物と普通の動物の違いは何なのかというと魔力を持つか否かである。

そして大概の魔物は種によって様々な固有魔法を有する。

ブリザードの場合は固有魔法“氷結”である。

獲物の動きを封じたり盾として氷を使ったり氷を吐き出し遠距離攻撃として使ったりと攻守共に優れた魔法だ。


早速俺の足元がまたたく間に氷漬けにされその場から動けなくされた。

しかし後ろの3人を置いてここから離れるつもりなど毛頭ないので関係ない。

俺は剣を振りかざす。

ブリザードは氷の盾を出現させるが俺の愛剣は魔力を込める事により鉄をも切り裂くことが出来る。

ブリザードを氷ごと真っ二つに断ち切った。

しかしその瞬間、衝撃と激痛が俺を襲った。

「くっ…何だ!?」

痛みのする箇所を見るとまるで槍のように鋭い氷が刺さっていた。

もう1匹のブリザードが放ったのだろう。

俺は呪文を唱え炎の魔法をそのブリザードに向かい放つ。

しかし分厚い氷の盾にそれを阻まれる。

「まずいな…このまま離れた所から攻撃されたら反撃出来ないぞ。」


目の前のブリザード1匹と上空のスカイガー1匹。

俺は果たして後ろの3人を守りきれるのか…

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