魔物達との戦い
モリソンとスミスの2人が魔物が暴れる校庭に出ていった。
モリソンは教師となって一年目で武器戦術部の顧問に選ばれる程の実力、スミスも元々は王国魔法研究所の所長をしていた程の人物だ。
心配ない…
俺は無理やり自分にそう言い聞かせる。
そこに2人の生徒が必死な形相で話しかけてきた。
魔法部と武戦部の部長、リン アウトバンとフレデリック オッドルーだ。
「私達も行かせて!!茶鶴先生!!パパや先生達が戦ってるのに私がこんな所でじっとしてられない!!」
「その通りです。我ら武器戦術部はこういう時の為に日々鍛錬を重ね自分の力を磨いているのです。」
「駄目だ。生徒をわざわざ危険に晒す訳にはいかない。
それに俺はお前たちの事を頼まれたんだ。」
「私だって戦えるッ!!」
「駄目だと言っているだろ!!」
つい声を荒げてしまった。
一瞬周りが静まり返る。
クソ、俺も気が動転しているな。
「お前達がいくら優秀な生徒だろうと獰猛な魔物相手に戦った経験なんてさほど無いだろ。どうしてもブレイブスや先生方はお前達を気にかけながら戦わなきゃいけなくなる。足枷が増えるだけだ。」
部長2人は拳を強く握りしめギリッと歯噛みする。
「今戦っている人達を信じよう。」
俺はそう言い窓の外に視線を向けた。
「この蟻ンコ風情がぁーー!!」
モリソンが観客に襲いかかろうとしていた巨大蟻−ジャイアント−の背後から大鎚を振り下ろす。
大鎚はジャイアントの頭部を潰した。
「う、うしろ!!」
助けた観客がそう叫ぶとモリソンは大鎚に魔力を込める。
すると蟻の頭部を潰した大鎚の面から風が勢いよく噴出し、重い大鎚が素早く持ち上がった。
そのままモリソンは身体をひねり背後から襲いかかってきていた別のジャイアントに向け鉄槌を下す。
しかしそれはギリギリの所で躱され蟻の牙がモリソンを襲う。
「クッ!!」
モリソンが大鎚に再び魔力を込めるが間に合わない!!
蟻の牙がモリソンに届くか届かないかの既の所で突風がジャイアントの巨大な身体を吹き飛ばした。
「王国内でも名の知れたハンター“竜殺し”のメンバーだったあなたがなんと情けない。」
杖を突き出しながらスミスがそう言う。
「すいやせんね。久しぶりの実戦なもんで。
それにハンター時代は魔法に長けた相棒がいたからな。
けどもう大丈夫。
勘が戻って来たんで。」
「それなら良いですが。」
スミスはフンと鼻を鳴らし他の魔物に視線を向けて続ける。
「先程のジャイアントは吹き飛ばしただけでまだ息はあります。始末は任せて宜しいですか?」
「勿論。元A級ハンターの実力見せてやりますよ。
スミス先生もお歳なのだから無理を為さらずに。」
モリソンがニヤリと笑いながら答えるとスミスは不快そうな顔をする。
「嫌味を言う余裕があるなら大丈夫ですね。」
モリソンは起き上がり再びこちらに向かってくるジャイアントに、スミスは新たな目標の魔物に向け、それぞれ大鎚と杖を構えた。




