透明人間②
気づけば50話…
想定してたより話が進まない…
ナットは本部を離れるわけにはいかないらしく、ローリング宅とサイノン宅の近くで調査していた隊員に連絡用魔道具で連絡をした。
連絡を終えナットが言う。
「15分程度でダレンとアフロディーテを連れてこちらに着けるようだ。」
「そうですか。それでこの村の家を回れますね。」
「しかし…にわかには信じられんな。透明化の魔法なんて聞いた事ないぞ。」
「俺は魔法の事は詳しくないですけど、それでも彼女の才能には驚かせられてばかりです。
科学においてもあの理解の速さは尋常じゃない。
彼女のおかげで肆部祭で発表する物を期限内になんとか完成する事が出来ました。
勿論他の部員も頑張った成果ではあるんですが…
だからアイツらの為にも何としても肆部祭を成功させてやりたいんですよ。」
そう言うとナットはフッと笑う。
「随分と先生らしくなってきたじゃないか。
そうだな、その為にも何としても当日までに解決しないとな。
俺も特別審査員として呼ばれている。楽しみにしているぞ。」
先生らしいと言われ少し気恥ずかしくなったので話題を変える。
「それでこの村には何軒ぐらいの家があるんです?」
「およそ80軒といったところだな。全部回るとなると今日だけでは難しいだろう。」
80軒か、案外多いな。確かにその数を今日中に全部回るのは無理だろう。
肆部祭は明後日。
明日中には全部回らなければならないのか。
「もし危険人物が村の人ではなく、しかも当日までに見つからなかった場合、肆部祭はどうなるんですか?」
俺が尋ねるとナットは少し考える。
「まあ、最終的には村長や校長先生と相談して決める事にはなるが…
この村で隠れられるような場所は今日中に全部調べられる。
それで見つからなかったらもうソイツはこの村にはいないと考えて良いだろう。
勿論当日の警備は最大限のレベルにしなければならないがな。」
そうしているうちにダレンとアフロディーテを連れてイーナが本部に帰ってきた。
「只今帰りました、隊長。」
「おう、お疲れ。ダレンとアフロディーテもわざわざすまないな。」
ダレンもアフロディーテも何故呼ばれたのか分かっていない様子だ。
「あの、何故僕達呼ばれたんでしょう?」
ダレンが俺とナットを交互に見て問う。
「ダレンには今から俺と一緒に村の家を回ってもらいたい。その際アフロディーテの透明化の魔法とやらをダレンにかけてやって欲しいんだ。」
ナットがそう説明した後に俺が何故そうなったのかの詳しい話をした。
「なる程、そういう事なら僕は協力するよ。」
ダレンがナットに向け答える。
「私も…別に、問題ない。けど…」
アフロディーテがもじもじしながら言う。
「けど何だい?ディーテ。」
俺が尋ねるとアフロディーテは答えた。
「透明化の魔法の…効果は、もって一時間…ぐらい。そうなったら…また、かけ直さないと…」
「ならばアフロディーテにも一緒について来てもらったほうが良いな。」
「ディーテ、それでも良いかい?」
「うん、分かった。」
「では早速その透明化の魔法とやらを見せてくれないか?」
アフロディーテが呪文を唱える。
するとダレンとアフロディーテの周りがキラキラ光だす。次第に光は弱まっていき2人の姿は見えなくなった。
「信じられん…本当に見えなくなった。」
ナットもイーナも驚いている。
「2人ともそこにいるの?」
イーナが尋ねると何も無い様に見える空間から声が帰ってくる。
「はい。僕達はさっきの位置から移動してませんよ。」
「よし、じゃあ行くか。2人とも俺から離れるなよ。」
準備を終え、ナットは2人を連れて本部を出ていったのだった。




