完成の歓声
オヤジギャグって好きなんですよね…
世紀の大天才こと俺、朝倉茶鶴は見回りで宿直室へと来ていたブレイブスのイーナから不穏な話を聞いた。
「ダレン君から聞いて直ぐに調査を始めたんですけどその黒い靄の人物はまだ特定出来ていません。特定出来るまでは巡回もより厳重にしますが朝倉さんも充分に気をつけて下さい。」
「分かりました…やっぱり明日は部活も休みにしたほうが良いんですかね。」
「肆部祭も近いですし、まだその人物がこの村で何かを起こすという確証も無いですからね…そこまで強制は出来ません。
だけどやっぱり無警戒でって訳には行かないんで明日は部活の時間中はブレイブスから2人警備として派遣します。」
確かに肆部祭まで残り約2日…
ここで休む余裕なんてどの部にも殆ど無いだろう。
ん?肆部祭が目前に迫っているそんな時期にそんな危険な人物が村に現れた…これって偶然か?
俺のそんな考えを察したのかイーナがより深刻な顔で言う。
「もしその人物が肆部祭で何かを企んでいるとしたらゾッとしますね。村中の人々が一気に学校に集まりますから。
それまでには何としても特定しなければ…」
イーナはその後魔力池への補充を手早く済ませてくれて巡回に戻った。
イーナの話を聞き、最初は心配をしていた俺だが時間が経つにつれ沸々と怒りの感情が芽生えてきた。
ここまで肆部祭の為に科学部皆で頑張ってきたのだ。
そんな訳の分からない奴のせいでそれを台無しになんかさせてたまるか。
翌日、部活が始まる前に全部活の顧問と全部員が校庭に集められた。
警備として来てくれたブレイブスの副隊長、バイス ルツィフェルが今回の件の説明をする。
「この村に危険人物が潜んでいるという情報を得た。
我々ブレイブスが全力でその人物を探しているがまだ見つける事が出来ていない。
それに今回の人物と関係あるかは分からないが先日王都で捕まった連続不審死事件の犯人が逃亡したという情報もある。
よって少なくてもこの村に潜んでいる危険人物を押さえるまでの間、部活の時間は我々ブレイブスが2人で学校を警備する事となった。
肆部祭まで残り少ない日数でどの部も忙しいと思うが、もし怪しい人物を見かけたら直ぐに我々に報告し、避難して欲しい。」
バイスがそう言い終ると全ての顧問と部長に連絡用の小型魔道具が配られた。
襟につけられるバッジ型で小さい魔力池が内蔵されているので魔力を持たない俺やダレンでも扱う事の出来る代物だ。
その後、各部活はそれぞれ部室や体育館等に移動し活動を始めた。
我ら科学部も部室にて昨日完成したばかりの制作物の試運転をしようとしていた。
「じゃあ動かそうと思うんだが誰かやりたい人いるか?」
「ここはやっぱりはブチョーでしょ!!」
サマンサが元気よくそう言った。反対する者も誰もいない。
「よし、ダレン君。やってみようか。」
「は、はい!!」
ダレンはコントローラーを手にしてスイッチを入れる。
ブーンと音が鳴り制作物は正常に起動した。
これで本当の意味で完成だ。
歓声が部室に鳴り響く。
しばらく操作して問題無かったので本番当日のプランの詳細を説明し役割を決め、部活終了の時間となった。
その後再び全部活の顧問と全部員が集められた。
「顧問の先生方は部員達に同伴して各家まで送り届けてあげて下さい。何かあれば直ぐに連絡用魔道具で我々に連絡を。」
こうしてそれぞれの部活が集団で下校する事になった。




