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充分に発達した科学は魔法と見分けがつかない  作者: to4hero
教師の生活編
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29/83

フレデリック オッドルー

まさか夏休み初日がここまで長くなるとは思ってませんでした…今回もヒキが鬼ごっこになるとは自分でも驚いてます。

肆部祭の出し物はなんとサマンサの案で決まった。

部長を決める際にサマンサが折れたこともあり今回はダレン少年やアルフレッドが譲った面もあるのだろう。

「ヤッター!!流石アタシだね♪ディーテちゃんもそう思うでしょ!?」

と当の本人はとても喜んでいた。

「う、うん。流石サマンサ、凄い。」

同意を求められたアフロディーテも少し困った様子でそう答えていた。

サマンサの案に決まったのはいいが問題は何を作るかだ。

あまり複雑なのは時間の関係で難しいだろう。しかし、簡単すぎる物だとやはり盛り上がりに欠ける。何より恐らくサマンサが納得しない。彼女は“何か凄いの”が作りたいのだ。

何を作るかは俺が翌日までに考えておく事にして話し合いは終わった。しかしまだ部活の時間は残っている。

「うーん。実験するにも中途半端な時間だな。何かやりたい事あるか?」

「ハーイ!!鬼ごっこ!!」

言うまでもなくサマンサの声。ぶっちゃけそれもアリである。どうせ実験は出来ないのだし。

特に反対も無かったので体育館へと移動する。

しかし体育館に着いてみると先客がいた。

「おー、科学部じゃないか。どうした?」

モリソンがこっちに気づき声をかけてくる。先客は武器戦術部、通称武戦部だった。

「いや、半端に時間が残ってな。鬼ごっこでもしようと思って来たんだが。」

「そうか、けど悪いな。今うちの部が肆部祭に向けて練習してたところだ。半分なら空いてるからそれでもいいか?」

「あぁ、かまわないよ。ありがとう。」

そんな話をしていると1人の生徒が話に割って入ってきた。

「モリソン先生、駄目です。肆部祭の練習を他の部に見せるなんて。敵情視察かもしれないじゃないですか。」

細身で引き締まった筋肉、キリッとした目鼻立ちで整った顔をしているが何処かキツそうな性格が表情から伺える。後ろで1本に束ねている金髪は腰の近くまで伸びている。

武器戦術部部長、ゴールドクラスのフレデリック オッドルーだった。

「別に見られても問題無いだろ。」

モリソンがなだめるが聞き入れない。

「問題大有りです。見せるにしてもうちの部だけ知られるのは不公平だ。せめて科学部の出し物もこちらに教えるべきです。」

部費がかかってるだけになかなかナーバスになってるようだ。

まぁフレデリックの言ってることも一理ある。

「教えるのはやぶさかじゃないんだけどな、ぶっちゃけまだ詳しくは決まってないんだよ。何かしらの科学技術を使い、何かを作って、何かをして、皆に驚いてもらう。こんな事しか決まっていない。」

「その“何か”を教えていただきたいのですが。」

「だから決まってないんだってば。決まったらモリソン先生に伝えるからそれで良しとしてくれないか?」

「そんなのも決まってないのに呑気に鬼ごっこなんてしている暇あるのですか?大した自信ですね。他の部をあまりなめない方がいいですよ。」

そんなつもりは無いのだが…でも確かにそう思われてもしょうがないよな。

「おい、フレデリック。我ら武器戦術部の心得を忘れたか?他の状況に惑わされるな、ひたすら自己の頂を目指すべし。だ。」

モリソンがフレデリックに注意をするとフレデリックは軽く舌打ちをしてこう答える。

「分かりました。では詳しく決まりましたらモリソン先生にお伝えください。今日のところはそれで良いでしょう。」

「あぁ、ありがとう。じゃあ悪いが半分使わせてもらうよ。」

そこにアフロディーテが近寄ってきてフレデリックに言う。

「フレデリック、さん、ありがと…」

フレデリックは一瞬顔がほころびかけた様に見えたが直ぐに険しい顔に戻り突然変な踊りの様な動きをしながら武戦部の練習に戻る。

「さあ、皆、練習を再開しようではないか!!」

俺がその変な踊りに呆気にとられてるとモリソンが肩に手を置いてきた。

「悪かったな。アイツも変わり者ではあるが悪いヤツでは無いんだよ。ただ去年、武戦部は惜しくも2位だったらしくてな、今年は1位を取ろうと意気込んでいるんだ。」

「いや、それは気にしてないよ。それよりさっきの変な踊りは何だ?」

「俺にも分からん。いつものことだ。気にするだけ時間の無駄だよ。」

アフロディーテもニコニコしながら続けて言う。

「うん。クラスでもいつも、意味なく、踊ってる。」

…勿体ない。普通にしていればモテそうなのになぁ…


こうして体育館半分を使わせてもらえる事になり鬼ごっこを開始する。鬼はアルフレッドとサマンサ。俺は審判だ。鬼が10数えている間に他のメンバーは逃げ始める。10数え終えた瞬間にサマンサが猪のように自分の正面にいたダレンに向かって走り出した。

「え!?はや!!」

ダレンは予想外のスピードに戸惑っているうちに呆気なく捕まってしまった。

残りはタバサとアフロディーテ。奇しくも兄姉コンビVS妹妹コンビの対決となった。


ゴールドクラス 出席番号 5

ビビアン ヤング(♀)

18才。ゴールドクラス最年長。生物ならもれなく研究対象であり、それは野生の魔物にも及ぶ。それ故何度も野生の魔物に近づき命の危機に瀕しているが本人は反省していない。

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