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充分に発達した科学は魔法と見分けがつかない  作者: to4hero
教師の生活編
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27/83

夏休み

この世界の学校にも夏休みは存在した。夏休み前日の全校集会でヨーダンブール校長の長い話の途中、ブロンズクラスの生徒が貧血で倒れ保健室に運ばれる。

どこの世界でもこのお約束は変わらないのだな、と俺は校長の話も上の空で考えていた。

全校集会が終わり生徒達が各教室に戻る。

担任を持たない俺は教務室に行きお茶を啜っていた。そこに同じく担任を持たないモリソンが話しかけてきた。

「朝倉先生よ、科学部は夏休みの間どうするんだ?

やっぱりアレに備えて活動するのか?」

「アレって何の事だ?」

「やっぱり知らないか。つっても俺もさっき聞いたばかりなんだがな。」

と前置きをした後モリソンは続ける。

「参部祭、あ、今年からは部活4つあるから肆部祭か。まぁとりあえず夏休み最後の日に各部活のそれまでの活動の成果をショー形式で発表しあい、どの部活が一番盛り上がったのか観客が投票で決める祭りがあるらしいんだ。」

「へー、そんなのあるのか。まぁ祭りっていうぐらいだから真面目な発表会って感じではないんだろうな。楽しむのが目的か。」

「観客はそうだろうな。しかし発表する方はどの部も毎年本気らしい。

何故かと言うとその順位に応じて部費として賞金が配られるからだそうだ。」

「何?それは結構大事な話じゃないか。

何故俺には知らされていないんだ?」

「俺も全校集会が終わった直後にうちの部長から今年の出し物はどうするか聞かれてな。

何の事か分からなかったんで考え中だって言ってその場はやり過ごしてよ。その後直ぐに校長に問い質したんだよ、そしたら…」

モリソンは一旦溜息を付く。そしてヨーダンブールの声色を真似て言う。

「『ほっほっほ、これはすみません。

すっかり伝え忘れておりました。

何せ毎年恒例のお祭りですからな。

伝えずとも今までは顧問の先生方が各々把握しておりましたので。

いやー、本当に申し訳ない。

申し訳ないついでに朝倉先生にも伝えたか定かでは無いので確認しておいて頂いて宜しいですかな。』だとよ!!」

今年この村に来たばかりのモリソンや俺が把握している訳無いだろう。

全くもって酷い話である。

ただでさえ科学部は他の部と比べ遅れてスタートしているのに…

しかしヨーダンブールはわざと教えないとかそういう意地の悪い事はしない人だ。本当にうっかり伝え忘れていたのだろう。

それに俺は学校に住まわせてもらってるのであまり強くは言えない。

そもそも科学部自体校長のアドバイスが無ければ作られていないのだ。

「文句言ってもしょうがないな…とりあえずやれる事やるしかないな。」

俺がそう言うとモリソンが眼をパチクリさせて聞いてくる。

「なんだよ、やけに物分りいいじゃねーかよ。自信でもあるのか?」

「自信も何もやるしかないだろ。やっぱり部員達の為にも部費は欲しいしな。」

そう答えると今度はニカッと笑うモリソン。

「そうだな!!その通りだ。流石は朝倉先生。俺も負けてられんな。やる気出てきた。」

相変わらず暑苦しい男である。

「そうだ、朝倉先生。そちらの科学部とうちの武器戦術部、どちらが上の順位を獲るか勝負しないか?負けたらサンセット奢りなんてのはどうだ?」

サンセットとはこの間二人で行ったあのバーの名前である。

「あぁ、いいな。やろうかモリソン先生。」

「決まりだな。楽しみにしてるぜ。朝倉先生。」


放課後、部室に集まった部員達と出し物について話し合う。

「この祭を俺は見た事が無いので分からないんだが、他の部はどんな出し物したりするんだ?」

俺が尋ねるとアルフレッドが答えた。

「部活によって全然違いますよ。去年は魔法部が魔法を使ってリアルで迫力のある演出をした演劇でしたね。題目は3人の英雄だったかな。

魔物研の召喚魔法で呼び出した魔物での動物ショーは魔物達の特徴を生かしたパフォーマンスで結構盛り上がってたし、武戦部の部員全員での一糸乱れぬ演武は格好良くて見てて圧巻でした。」

なる程、やはり各部活の特色を活かしつつも大いに盛り上がりそうな内容だ。

「じゃあうちの部は何をすれば盛り上げることが出来ると思う?何か案がないか?」

サマンサが勢い良く手を上げて答える。

「ハイ!!私ねー、科学部皆で鬼ごっこしたい!!きっと楽しいよ〜♪」

「こら、サマンサ!あんたが鬼になったら直ぐ皆捕まっちゃうし、逃げる方なら誰もアンタを捕まえられないでしょ!!」

すかさずタバサが突っ込むが違う、そこじゃない。

「サマンサ、自分達だけが楽しくてもしょうがないんだ。それに科学部の活動に鬼ごっこは関係ないだろう?」

「そっかー!!そうだね♪分かったー!!」

本当に素直で良い子だ…色々残念な所もあるが。

その後も中々良い案が出てこないまま下校の時間になってしまったので明日迄に1人1個の案を考えてきてもらうことにした。


明日から夏休みが始まる。


ゴールドクラス 出席番号 3

ジョージ ハラダ(♂)

17才。巨漢で大食漢。授業の合間毎に弁当を一つたいらげる。

普段は怠け者だがいざという時、特に食べ物が絡むときは本気を出す。本気バージョンの彼はゴールドクラスでも一番の実力者ではと噂されている。

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