気取り屋たち
『本日未明、ゾンビ対策局にて内部にてゾンビの出現を意味するアラームが発砲されました。…』
『その場にいた職員は夜分に同僚のことで話があると呼び出され話をしている途中でゾンビ化したことでやむなく発砲したとのこと…』
『その場でゾンビの機能停止が確認され被害者はいないとのことです。』
ある一室で男が2人話をしている。
「なるほどね。今回は新しい試みだったがうまくいかなかったか。」
「新たな情報に塗れたからって簡単に誘発できるもんでもない。」
2人の男はお互いを見ることなく話を続ける。
「それで?聞いたとこによると科学者の方はほぼほぼ真実に近付いていたって?」
「ああ、別に問題にはならなかったろうが大したもんだよ。」
「あれだけ負荷をかけたんだ。これからも生き残った方は観察対象に。一気に進めていく。彼は重要なピースになるかもしれない。」
2人はお互いに目を合わせ頷くとそれに合わせたように扉がノックされる。
「どうぞ。」
「失礼します。」
「ああ、多田くん。大変なことになったねぇ。同じ部署で立て続けに問題が起こった。」
「申し訳ありません。」
「なに、責めてるわけではない。そうだろう、副局長。」
副局長と呼ばれた男は多田の元まで行くと彼の肩を叩く。
「中島くんのことは問題だが、高砂くんは仕方がないよ。ゾンビ化は突然だ。事故みたいなものなのだから。」
「はい。」
神妙な面持ちで真っ直ぐ一点を見つめただは答える。
「それでだが、高砂くんはしばらく自宅待機なんだろう?復帰後はこの本部で面倒を見よう…彼の仕事へ対する評価は良かったし本部のもとでの方が目が多い。」
「…はい、問題ありません。」
多田は少し驚いたが異論など唱えれる立場ではない。
「以上。下がって大丈夫だよ。お疲れ様。」
「はい、失礼致します。」
多田の背を見送ると2人は笑い出す。
「なんにせよ、また1人増えた。一歩前進。我々も今までの人類に倣って一歩ずつ確実に進もうじゃないか。」




