表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『俺のオヤジが最強すぎて勇者を廃業したんだが ~最強の魔王を育て上げ、俺をバカにした世界に復讐しようと思う~』  作者: autofocus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/153

第三十二話:壊滅の報、慟哭の荒野

翌朝。焚き火の残り火を消し、出発の支度を整えていた時だった。

 森の奥から、男の悲鳴が突き刺さるように響いてきた。


「くっ……来るな!!」


距離は近い。俺は傍らに置いていた剣を掴むと、瞬時に音もなく駆け出した。

 茂みに身を隠して覗き込むと、そこには追い詰められた王国兵と、三体の「ゴブリン」の姿があった。だが、俺の知る低級魔族とは明らかに何かが違う。その身には、見る者すべてを蝕むような禍々しいオーラが渦巻いていた。


(……ただのゴブリンじゃない。何かに汚染されているのか?)


一瞬の迷いもなく、俺は茂みを飛び出した。

 一足で距離を詰め、先頭のゴブリンの首を跳ねる。続く二体目も袈裟懸けに切り伏せたが、三体目は俺の踏み込みを正確に読み、その爪で俺の剣を受け止めた。

 膂力りょりょくが異常だ。奴は力任せに俺を跳ね飛ばした。空中で姿勢を制御し着地するが、次の瞬間、俺の剣が嫌な音を立てて欠けた。


「クソッ、こんななまくらでは……!」


俺は近くで呆然としていた王国兵に向かって怒鳴った。

「おい! お前の剣を貸せ!」


彼は無言で腰の剣を投げ渡した。戦場仕込みの、手入れの行き届いた業物だ。これなら耐えられる。

 俺は柄を握り、短く詠唱して魔力を流し込む。刀身が淡い光を帯びた瞬間、三体目のゴブリンが咆哮とともに襲いかかってきた。振り下ろされた爪を紙一重でかわし、そのまま奴の喉元へ剣を突き立てる。

 断末魔とともにゴブリンが絶命した。


俺はふらつく王国兵に手を差し伸べて立たせ、礼を言って借りた剣を返した。

「……こんなところで何をしている。部隊はどうした?」


男は肩で息をしながら、死んだような目で俺を見つめた。

「ありがとう……助かった……」

 それきり言葉が続かない。俺は胸の焦燥に耐えかね、再び問いただした。


「答えてくれ。ゲシュタール平原の王国軍は、今どうなっているんだ!」


男は沈痛な面持ちで、かすれるような声で答えた。


「……王国軍は、壊滅した。」


その言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ白になった。

「何だって……? どういうことだ。ヴィンセントはどうした! あの男が率いる軍勢が、こんなにもあっさりと敗れるはずがない!」


気づけば、俺は彼の胸ぐらを掴み上げていた。あまりの興奮に男の顔が青ざめていく。

「す、すまない……」


俺は我に返り、手を離した。

「いや……いいんだ。……話してくれ。平原で、一体何が起きたんだ?」


男は泥にまみれた顔で、悪夢のようなゲシュタールの惨状を語り始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ