表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『俺のオヤジが最強すぎて勇者を廃業したんだが ~最強の魔王を育て上げ、俺をバカにした世界に復讐しようと思う~』  作者: autofocus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/155

第十二話:禁書の予言と、逃れられぬ再会

翌朝、俺はヴィンセントと共に王国図書館の奥深くにいた。

 ノインには「急な仕事が入った」と嘘をつき、昨夜絶界宮に現れたゼノスのこと、そして学校を襲った魔獣の紋章について歩きながら彼に話した。


「ノインは大丈夫なのか?」

 ヴィンセントが、眉間に深い皺を寄せて尋ねる。


「ああ、今はグリルとリリスが交代で警護についている。とはいえ、余計な心配はさせたくない。……あいつに兄がいることは、まだ伏せているんだ」

「そうか……」

 ヴィンセントは重いため息をついた。

「ようやく平穏な日々が来たと思ったんだがな。運命というのは、どこまでも残酷だ」

「ああ」

 俺も力なく頷く。


「俺はあちらの棚を探してみるよ。何かあれば呼んでくれ」

 ヴィンセントが席を立ち、俺も別の列へと向かった。

 王国が誇る膨大な古文書の森。埃を被った羊皮紙の山から、お目当ての「破壊神」の記述を探し出すのは、絶界宮の建設よりも骨が折れる作業だった。


窓から差し込む陽光が、夕闇に溶け始めた頃。

 俺とヴィンセントは期待した成果を得られず、机に突っ伏してうなだれていた。破壊神は、お伽話や神話の向こう側の存在だ。現実的な対処法や詳細が書かれた書物など、本当に存在するのか。


その時、俺たちの前の机に一冊の分厚い書物が、ドンッ! と重々しい音を立てて置かれた。


「あんたたちが探しているのは、これでしょ?」


顔を上げると、そこには腰に手を当てて俺たちを見下ろす、勝ち誇った顔のイザベラがいた。

「ほんとに情けない男たちね。本の一冊もまともに探せないんだから」


俺とヴィンセントは苦笑しながら顔を見合わせた。この女の情報収集能力だけは、勇者時代から一歩抜きん出ている。


イザベラが持ってきた禁書によれば、破壊神は絶界宮よりもさらに北、俺ですら立ち入ることが困難な、極寒と魔力の嵐が吹き荒れる「最果ての深淵」に封印されているという。

 初代勇者が激闘の末に封印したとされるそれは、千年以上眠り続けているはずだった。


(それがなぜ、今になって……)


ゼノスが関わっていることは疑いようがない。だが、魔王の息子がなぜ、一族をも滅ぼしかねない破壊神の力に手を染めているのか。

 重苦しい沈黙が場を支配する。


「……ガリウスが馴染みの酒場で待っている。そこで今後のことを話し合おう」

 ヴィンセントの提案に、俺とイザベラは静かに頷いた。


図書館を出て、夕暮れの街路を三人で歩き出した時のことだ。


「カイト君のお父さん!!」


背後から突き刺さるような鋭い声が響いた。

 振り返ると、そこには腰に手を当てて仁王立ちし、レンズの奥で目をぎらつかせたリナ先生が、俺を鋭い視線で睨みつけていた。


昨夜の「動画」と「プリント」。

 忘れていたわけではないが、世界滅亡の危機に比べれば後回しにできると思っていた問題が、今、猛烈なプレッシャーとなって俺の背筋を凍らせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ