表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『俺のオヤジが最強すぎて勇者を廃業したんだが ~最強の魔王を育て上げ、俺をバカにした世界に復讐しようと思う~』  作者: autofocus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

175/197

第百十六話:隠れ里の聖戦、最前線のライブ配信

ハルミナ村の古びた集会所。イザベラは村の結界を維持してきた神官たちを緊急招集した。かつては王国から逃れた者たちを隠し続けてきた彼らだが、その顔には平和ボケした戸惑いが色濃く滲んでいる。


「説明の前に、これを見て」


イザベラが差し出した魔導水晶には、陽炎のように揺らめきながら、一糸乱れぬ動きで進軍する「黒い影」の軍勢が映し出されていた。


「なんだ、こいつらは……。生きた人間の動きじゃないぞ」

「この集団、まっすぐにハルミナへ向かっているわ。隠匿の結界なんて、まるでないかのようにね」


「そんなはずはない! 我らの一族が守り続けてきたこの結界は、今まで一度だって破られたことはないんだ!」


年嵩の神官が顔を真っ赤にして食ってかかるが、イザベラは冷ややかな視線でそれを一蹴した。


「なら、画面に映ってるこの『現実』をどう説明するのよ。理論がどうあれ、奴らはすぐそこまで来ているの」


室内を重苦しい沈黙が支配する。神官たちは互いに顔を見合わせ、最後に一人が震える声でイザベラを覗き込んだ。


「……どうする? 我々に、戦えと言うのか?」

「どうするって、決まってるじゃない。敵が来るなら迎え撃つ。それ以外に道があるの?」

「ま……ああ、そうだよな……。だが、俺たちは隠れて過ごすことしかしてこなかったからなぁ……」


情けない言葉を並べる神官たちに、イザベラは大きく、深い溜息を吐いた。


「あーもう! 本当に役に立たない男ばっかりね。いいわ、直接の戦闘は私がやる。あんたたちは後ろで隠れながら、私の援護をして頂戴。攻撃を当てる必要はないわ。私の姿を敵から見えにくくする……隠蔽魔法の重ね掛け、それだけでいいわ。できる?」


「おお、それなら任せてくれ! 隠れるのと隠すのだけは、俺たちの得意分野だ!」


現金なことに、神官は胸を張って答えた。イザベラは呆れ果てた表情で天井を仰いだが、すぐにその瞳にプロフェッショナルの輝きが戻る。彼女は懐から、特注の配信機能付き魔導端末を取り出した。


「さあさあ、久しぶりの配信よ。世界中の皆さんに、イザベラ様の大活躍と、教団が送り込んできた『人造の化け物』の真実をお送りしてあげるわ」


イザベラは唇の端を吊り上げ、妖艶な笑みを浮かべた。

 それは、後方を守る魔道師としてのプライドと、親友アステリオの帰る場所を守り抜くという、女の意地だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ