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『俺のオヤジが最強すぎて勇者を廃業したんだが ~最強の魔王を育て上げ、俺をバカにした世界に復讐しようと思う~』  作者: autofocus


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第九十一話:鋼の葬列、凍てつく出師

王都は、不気味なほどの金属音に支配されていた。

 大通りは甲冑を纏った兵士たちで埋め尽くされ、隊列が整った部隊から順に、重い足取りで北の門を目指していく。


迎撃地点として選ばれたのは、かつて勇者アステリオが身を隠し、ガリウスがいまも潜伏している村から北へ数十キロ進んだ先にある地方都市、**「ヴァルガ砦」**だ。

 ここはゼニスの襲撃以来、教団の主導によって突貫工事が進められ、街全体が巨大な迎撃要塞へと変貌を遂げていた。


「出陣――ッ!」


指揮官の号令が響く。カチャカチャと音を立てながら、死地へと向かう兵士たちの背中は、およそこれから戦いに向かう者とは思えないほど悲壮感に満ちている。

 それもそのはずだった。城門の傍らには、出陣を拒み、あるいは逃亡を図って処刑された貴族たちの首が、見せしめとして吊るされていたからだ。


それを見上げる兵士たちの顔は一様に暗い。自分たちの背後にあるのは「王国の栄光」などではなく、教団という冷徹な死神の鎌なのだ。最後の一人が門を出た後、巨大な城門が地響きを立てて閉じられた。


城壁の上には、モルガウスとヴェナールの二人が並び立ち、去りゆく騎士団の列を冷然と見下ろしていた。


「大教主様。これで、王宮に蔓延っていた邪魔者どもの始末は終わります」


ヴェナールが、薄く笑みを浮かべて告げる。モルガウスは表情一つ変えず、遠くの地平を見つめたまま応じた。


「そうだな、ヴェナール。……して、魔道兵器と人造魔導兵の準備に抜かりはないだろうな」


「ご安心を。先の戦闘で得た実戦データをもとに、すでに出力と術式の修正を加えております。今度こそ、ゼニスごときに遅れは取りません」


「……期待しているぞ」


短くそう言い残すと、モルガウスは翻って城内へと消えた。

 残されたヴェナールは、冷たい北風に吹かれながら、雪原へと消えていく哀れな騎士たちの背中を、氷のような目で見つめ続けていた。

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