↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
漏洩の加護  作者: なつみかん
第二章 ミルムの天使の笛
PR
5/70

第五話 おっさん馬車にゆられる

 成り行きで商人たちの護衛を引き受けたフミタロウたちは、ミルムという町を目指して街道を進んでいた。


 護衛とはいっても、三人とも徒歩ではない。商人たちの好意で、荷馬車の荷台に乗せてもらっている。


 車輪が石を踏むたびに体が上下へ揺れるが、自分の足で歩くよりはずっと楽だった。


 荷台にはフミタロウたちのほかに、商人の妻と三人の幼い子供が乗っていた。


 ゴブリンに襲われた恐怖がまだ残っていたのだろう。子供たちは出発してからもしばらく泣き続けていたが、今は母親のそばへ身を寄せ合い、深く眠っている。


 さっきまで泣きじゃくっていたとは思えないほど、穏やかな寝顔だった。


 子供の寝顔というものは、世界が変わっても大して違わないらしい。


 フミタロウがぼんやり眺めていると、向かいに座っていたサンキチが荷物の中から一冊の本を取り出した。


 『初めての魔法使い』。


 装備を買った際に勧められた、初心者向けの魔法書である。


 道中でも何度か読み返していたが、やがて本を閉じると、サンキチは向かいに座っている女性へ顔を向けた。


「あの、僕たちこの世界へ来たばかりなので、いろいろ質問してもいいですか?」


「もちろんです」


 女性はナミアと名乗っていた。


 先ほどゴブリンに襲われた商人の妻であり、眠っている三人の子供たちの母親でもある。


 もともとは穏やかな人なのだろう。話し方も柔らかい。ただ、つい先ほどまで命の危険にさらされていたせいか、その顔にはまだ疲れが残っていた。


「そもそも、魔王って何者なんですか?」


 サンキチが尋ねる。


「僕たち、魔王を倒してほしいとは言われたんですけど、名前も何も聞いてないんです」


「そういや、そうやな」


 フミタロウも王城で受けた説明を思い返した。


 魔王が復活した。


 人間の国々が危機に陥っている。


 倒せば、元の世界へ戻れると伝えられている。


 教えられたのは、その程度だった。


 肝心の魔王が何者なのか。どこにいるのか。どれほど強いのかさえ、自分たちは知らない。


 ナミアは少し考えてから口を開いた。


「魔王の名前は、私も知りません」


 それから眠っている子供たちを起こさないよう、少し声を落とした。


「ただ……魔王が復活してから、いろいろな噂を聞くようになりました」


「噂?」


「はい。どこまで本当なのかは分かりません。私たちは行商をしていますから、旅人や商人から、いろいろな話が入ってくるんです」


 ナミアは荷馬車の外へ目を向けた。


 街道の両側には畑と草原が続き、その向こうには山々の稜線が見える。


 穏やかな昼下がりには似つかわしくない話を、彼女は静かに続けた。


「魔王が復活する少し前、一人の魔法使いが死者を生き返らせようとしていた――そんな話があります」


「死者を?」


 ミルキーが眉を寄せた。


「その魔法使いには、どうしても失いたくない人がいたそうです」


 恋人だったという話もある。


 娘だったという者もいる。


 母親だったという噂もあった。


「ずいぶんバラバラやな」


 フミタロウが言うと、ナミアは小さく頷いた。


「ええ。だから、どこまで本当なのか分からないんです」


 ただ、どの話にも共通している部分があるらしい。


 魔法使いは、死者を蘇らせるためにありとあらゆる方法を試した。


 高価な薬。


 古い魔法。


 禁じられた術。


 しかし、何をしても死者は目を覚まさなかった。


「最後に魔法使いが手を出したのが、死の沼に封じられていた邪蛇の精霊だった――そう言われています」


「邪蛇の精霊?」


「古くから災いをもたらす存在として恐れられていたそうです」


 その力を死者へ与え、失われた命を無理やりこの世へ引き戻した。


 最初は成功したように見えたという。


 死者は目を開いた。


 やがて、言葉も話せるようになった。


 だが、その体を保つには普通の食べ物では足りなかった。


「その人は魔法使いに、人の血と心臓を求めたそうです」


 ミルキーの表情が曇った。


 サンキチも、黙って話を聞いている。


「魔法使いは……それを?」


「与えた、と噂されています」


 愛する者を、もう一度失いたくない。


 その一心で人をさらい、血や肉を与え続けた。


 そして蘇った死者は力を取り戻し、逆に魔法使いの方は次第に痩せ衰え、正気を失っていったという。


「その蘇った死者こそが、今の魔王なんじゃないか――そんな話です」


 ナミアが話を終える。


 しばらく、馬車の車輪が鳴る音だけが続いた。


「確かな話じゃないんですね」


 サンキチが尋ねた。


「はい。魔王が復活したのは数年前です。それから急に、こういう話が各地で広がるようになりました」


「数年前……」


「話す人によって内容も違います。邪蛇ではなく悪霊だったという人もいますし、蘇ったのは王族だったという話も聞きました」


「噂に尾ひれついてる可能性もあるわけやな」


「そう思います」


 ナミアは頷いた。


 フミタロウも、それなら納得できた。


 誰かが実際に見た話ではない。


 魔王が突然復活した。


 理由が分からない。


 だから人々が、断片的な情報をつなぎ合わせて「こうだったのではないか」と語り始めた。


 そんなところなのだろう。


「それにしても」


 サンキチは膝の上の本を見つめた。


「僕たちは、そんなものに勝つことを期待されて召喚されたんですね」


「でも、そんなに期待されてる感じはせえへんかったけどな」


 フミタロウは王城でのことを思い返した。


「なんというか、『頑張ってくださいね』くらいの軽さやった気する。俺だけ?」


「私も少し感じました」


 ミルキーが頷く。


「王様も、最後まで私たちの前にはいらっしゃいませんでしたし」


 召喚の場に国王がいなかったことは、三人とも気になっていた。


 ただ、その理由については何も知らされていない。


「もっと良い加護を持った人を期待してたんじゃないですか」


 サンキチが沈んだ声で言った。


「僕なんて、魚釣りの加護って分かったあと、誰も目を合わせてくれなかったし……」


 よほど気にしているらしい。


 魚釣りの加護を引き、戦力外にされ、初めて本気の魔法を使ったと思えば白目をむいて倒れた。


 出会ってまだ大して経っていないのに、妙に見せ場の多い少年だった。


「ところで」


 フミタロウは話題を変えた。


「召喚者って、俺ら以外にもかなりおるんやろ?」


 アーリアンの商店街は、明らかに召喚者を日常的な客として扱っていた。


 城の者たちも、異世界人の扱いに慣れている。


 今回が初めての召喚ではないことは、もう間違いない。


「魔王が復活してから、満月の日には召喚の儀式が行われているそうです」


 ナミアが答えた。


「ですから、ここ数年だけでもかなりの人数が呼ばれていると思います。私たちは行商をしていますので、ほかの町で召喚者の方を見かけることもありますよ」


「やっぱりな」


 フミタロウの中で、これまで感じていた違和感が少しずつつながっていく。


 召喚者向けの商店街がある。


 説明する側も異世界人の扱いに慣れている。


 召喚された一人ひとりを、特別な救世主として迎えているわけではない。


 数年間続けば、商売人が召喚者向けの商品を用意するようになるのも当然かもしれない。


「その人たちは、みんな魔王を倒すために戦ってるんですか?」


 サンキチの質問に、ナミアの表情が少し険しくなった。


「もちろん、戦っている方は多いです。でも……全員ではありません」


 魔物との戦いで命を落とした者。


 魔王討伐を諦めた者。


 この世界で仕事を見つけ、そのまま普通に暮らしている者。


 元の世界へ帰ることも、魔王と戦うことも捨てた者。


「中には、野盗やごろつきになった召喚者もいると聞いています」


「なるほどな」


 フミタロウは、ゴブリンから助けた直後の商人たちの様子を思い返した。


 彼らは確かに感謝してくれた。


 だが、三人が召喚者だと知っただけで無条件に信用したわけではない。


 一度離れた場所で相談し、本当に護衛を任せても大丈夫なのか確認していた。


 それにも理由があったのだろう。


「それだけ召喚されてるのに、まだ魔王倒されてへんのやろ」


 フミタロウは腕を組んだ。


「相当やばい相手なんやろな」


 単純に強いだけではないのかもしれない。


 そもそも、自分たちは魔王がどこにいるのかさえ知らない。


「俺らみたいなマイナーパーティーとしては、なるべく関わりたくないのが本音やけど」


「マイナーパーティーなんですか、僕たち」


「メジャーではないやろ」


 サンキチは反論できずに黙った。


「まあ、それでも誰かが何とかせなあかんことや。いちおう目標にはしとかんとな」


 あまりにも大きな目標だった。


 今のフミタロウたちは、魔王を倒すどころか、アーリアン饅頭一つ買う金さえ持っていない。


 それでも魔王を倒さなければ、元の世界へ帰れない可能性がある。


 ミルキーは、そばで眠っている三人の子供を見た。


「異世界といっても、この子たちが生きている現実は、この世界なんですよね」


 一番小さな子供が、眠ったまま母親の服を握っている。


「私たちにできることは、してあげたいです」


「僕も、そう思います」


 サンキチも頷いた。


「せやな」


 フミタロウは小さく息を吐いた。


「それに、魔王なんとかせんと元の世界へ帰れへんし」


 その言葉を聞いたナミアが、何か言おうとして口を閉じた。


 しばらく迷ったあと、意を決したように三人を見る。


「私は……召喚というものに納得できないんです」


「どういうことですか?」


 ミルキーが尋ねる。


「魔王に世界が脅かされている。それは本当です」


 ナミアは眠っている子供たちの頭を撫でた。


「でも、だからといって、別の世界で暮らしていた人を勝手にこちらへ呼んで、戦わせていいのでしょうか」


 穏やかだった声の中に、抑えた怒りが混じっていた。


「この国はまだ、魔王の軍勢に直接攻め込まれていません。ほかの国と軍を出し合って、大きな討伐隊を作ることもしない」


 その代わりに、満月になるたび召喚者を呼ぶ。


 別の世界から突然連れてきた人間へ武器を持たせ、魔王を倒してきてほしいと送り出す。


「その間、自分たちは以前と変わらない暮らしを続けているんです」


 ナミアは唇を結んだ。


「私は、それが正しいとは思えません」


 フミタロウは、すぐには返事ができなかった。


 言われてみれば、その通りだった。


 魔王など、本来フミタロウたちとは何の関係もない。


 別の世界の都合で突然連れてこられ、命を懸けて戦えと言われた。


 なのに自分たちは、なぜかそれを最初からある程度受け入れてしまっていた。


 理由は単純だった。


 ゲームや漫画で、あまりにも見慣れた展開だったからだ。


 異世界へ召喚される。


 勇者になる。


 魔王を倒す。


 物語なら、それで話が始まる。


 しかし、これはゲームではない。


 殺されれば本当に死ぬ。


 元の世界には仕事も家族も生活もあり、それを本人の意思とは関係なく奪われている。


 そう考えれば、怒る人間がいて当然だった。


 この世界を恨み、魔王討伐など知るかと好き勝手に生き始める召喚者がいたとしても、不思議ではない。


「……たしかに」


 フミタロウは静かに言った。


「迷惑な話やな」


 魔王の恐ろしさより先に、フミタロウは初めて、召喚そのものの異常さを現実として意識した。


          *


 話し込んでいるうちに、馬車がゆっくりと止まった。


 御者台から、ナミアの夫であるタイラーが顔を覗かせる。


「この辺りで休憩にしよう。昼飯を食べておいた方がいい」


「飯!」


 フミタロウは反射的に身を起こした。


 この世界へ来てから、まともな食事をまだ一度も口にしていない。


 目の前まで行ったアーリアン饅頭も、所持金がなくて食べられなかった。


「待ってました。腹ぺこです」


「そんなに大したものはありませんよ」


 タイラーは申し訳なさそうに笑った。


「期待しないでください」


 用意された食事は、干した肉と野菜を煮込んだスープに、固めに焼かれたパンだった。


 豪華とは言えない。


 それでも空腹のフミタロウには、十分すぎるほどのごちそうに見えた。


 ナミアとタイラーが調理の準備を始める。


「何かお手伝いしましょうか?」


 ミルキーが声をかけた。


「それなら、川で水を汲んできてもらえますか?」


「はい」


 三人は空の桶を受け取り、近くを流れている川へ向かった。


 街道から少し外れた場所を、澄んだ水がゆっくりと流れている。


 水面の下には、小さな魚の影も見えた。


「あ」


 ミルキーが何かを思いついた。


「サンキチさん、魚釣りの加護を試してみませんか?」


「ここで?」


「せっかく川がありますし」


 フミタロウも水面を覗き込む。


「そういや、まだ一回も試してへんもんな」


「でも、釣り竿がありませんよ」


「タイラーさんに聞いたら持ってるんちゃう?」


「聞いてきます」


 サンキチはすぐに馬車へ走っていった。


 フミタロウとミルキーが桶へ水を汲んでいると、しばらくして古びた釣り竿を手に戻ってくる。


「借りられました」


「よし。魚釣りの加護、初披露やな」


「そこまで期待されても困ります」


 サンキチは川岸へ立った。


 話を聞く限り、釣りの経験はほとんどないらしい。最初は竿の持ち方すら、どこかぎこちなかった。


 ところが、すぐには糸を垂らさなかった。


 水面をじっと見つめながら、上流へ行ったり下流へ行ったりしている。


「何してるん?」


「なんというか……」


 サンキチは川を指差した。


「水面に、色の違う場所が見えるんです」


「色?」


「はい。あそこは小さくて、向こうは少し大きい」


 フミタロウとミルキーには、どこも同じ水面にしか見えない。


 サンキチはその中から、最も色の広がりが大きく見える場所を選び、そこへ糸を垂らした。


 五分も経たなかった。


 突然、釣り竿が大きくしなった。


「うわっ!」


 サンキチが慌てて両手で竿を支える。


「来ました!」


「早すぎるやろ!」


 竿が折れそうなほど曲がっている。


 フミタロウも慌てて背後から支えた。


「何がかかってんねん!」


「分かりません!」


「魚やろ!」


「大きすぎます!」


 二人で必死に竿を引く。


 やがて水面が大きく割れた。


「うおっ!」


 巨大な魚が水中から飛び出し、そのまま川岸へ落ちる。


 人の腕ほどの太さがあり、長さはサンキチの上半身ほどもあった。


 魚は地面の上で激しく暴れ、三人へ盛大に水しぶきを浴びせる。


「でかっ!」


 フミタロウは思わず一歩下がった。


 ミルキーは両手を合わせ、目を輝かせている。


「すごいです、サンキチさん!」


「多分……この辺りで一番大きい魚だと思います」


 サンキチ自身も、信じられないような顔で魚を見ていた。


「なんで分かるん?」


「さっき見えてた色の大きさです。大きく見える場所ほど、大きな魚がいるみたいです」


 つまりサンキチには、水面に魚の位置と大きさを示す印のようなものが見えている。


 それが「魚釣りの加護」の力らしい。


「すごいやん」


 フミタロウはサンキチの肩を叩いた。


「サンキチくんがおったら、とりあえず餓死はせえへんな」


「助かりますね」


 ミルキーも嬉しそうに笑う。


「サンキチさん、素敵です」


「そ、そうですか?」


 サンキチの耳が一気に赤くなった。


 加護判定で「魚釣り」と告げられた時は、周囲の誰もまともに目を合わせてくれなかった。


 それが今、初めて自分の加護を心から褒められた。


 サンキチの表情が少し明るくなる。


「もう少し釣ってみてもいいですか?」


「ええんちゃう? 夕飯の分にもなるし」


「はい!」


 サンキチは意気込んで、再び釣り糸を垂らした。


 フミタロウとミルキーは、そのまま水を汲んで馬車へ戻った。


          *


 水を届け、鍋を火にかける。


 調理が進んでも、サンキチは戻ってこなかった。


「まだ釣ってるんかな」


「夢中になってるのかもしれませんね」


「ちょっと呼びに行こか」


 二人は再び川へ向かった。


 ところが川岸へ近づくにつれ、妙に生臭い匂いが強くなってくる。


「……何や、これ」


 嫌な予感がした。


 茂みを抜けたところで、フミタロウは足を止めた。


「うわ」


 魚が積み上がっていた。


 一匹や二匹ではない。


 大小さまざまな魚が、川岸の地面を埋め尽くすように何十匹も並んでいる。


 その向こうでは、サンキチが楽しそうに釣り竿を振っていた。


「また来ました!」


 新しい魚が水面から飛び出し、魚の山へ追加される。


 フミタロウは思わず頭を抱えた。


「やりすぎや!」


「え?」


「こんなに釣ってどうすんねん!」


「食べます」


「食い切れるか! お前は漁師か、業者か!」


 三人どころか、商隊全員でも食べ切れる量ではない。


 ミルキーも魚の山とサンキチを見比べる。


「すごいですけど……本当にすごい量ですね」


「まだ大きい反応があるんです」


「もう釣らんでええ!」


「一匹だけ」


「駄目や!」


 そう言っている間にも、釣り竿が再び大きく曲がった。


「あっ、来ました!」


「放せ!」


「せっかくかかったのに!」


「川の魚がおらんようになるわ!」


 騒ぎを聞きつけ、商人たちまで川岸へ集まってきた。


 魚の山を見たタイラーが、しばらく言葉を失う。


「これを……全部釣ったんですか?」


「はい」


 サンキチは誇らしげだった。


「まだ釣れます」


「もう十分です」


 タイラーの返事は早かった。


 ナミアも魚を一匹持ち上げ、困ったように笑う。


「今夜だけでは、とても食べ切れませんね」


 フミタロウは腕を組み、改めて魚の山を見下ろした。


 魚釣りの加護。


 魔王を直接倒せる力には見えない。


 派手な攻撃魔法でもなければ、伝説の勇者らしい能力でもない。


 それでも旅の途中で食料を確保できるというだけで、想像していたよりずっと役に立つ。


 むしろ今の三人には、かなりありがたい能力だった。


「とりあえず」


 フミタロウはサンキチを見る。


「今日から、釣る前に何匹必要か確認しよう」


「分かりました」


「ほんまに分かった?」


 サンキチは川の方をちらりと見た。


「あと一匹だけなら」


「分かってへん!」


 三人の声が、川辺に響いた。


 異世界で最初に本当の意味で役に立った加護は、強力な炎でも風でもなかった。


 もちろん、正体不明の漏洩でもない。


 魚釣りだった。


 そしてこの日、一行は食料不足とは正反対の問題に頭を悩ませることになった。


---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。