ハチの巣を発見
人
「こちら東京。この町にも巨大化したハチや蚊が現れました。大阪や名古屋と言った主要都市にも現れているそうで、全国規模で巨大化した昆虫が襲って来てる模様です」
夜のニュースで女子アナが完全武装でロケをしていた。危ないなぁ。
政府も自衛隊、害虫駆除業者だけじゃ足りないと判断してか、海外からも助っ人を派遣しようとしたが無駄だった。
国内だけの問題じゃなかった。
世界的に巨大化した昆虫が襲って来ていたのだ。僕達が地球に気を遣わなかったからかもしれない。
ただ、今はそんな事を言ってる場合じゃない。
今から地球を綺麗にした所であいつらは消えない。もう、戦うしかない。相手は虫だ。おそらく戦争に突入するだろう。
予想通り、政府は声明を出した。
「昆虫との全面戦争を開始する。自衛隊、害虫駆除業者の他に一般市民にも戦ってもらう。まず、30歳以下の男性、ないし、ハローワークに登録している未就職の者(要はニート)。失業保険受給者は戦場に行ってもらう。青い紙が届いた者はそこに書かれた場所まで完全武装して行く事。手紙と一緒に防護服も入ってます。では、諸君。共に戦おう」
歴史は繰り返すのか。習ったのは赤紙の方だったけど。
青になっただけで一緒だ。書かれた場所まで1人で行かないとダメなのか。
集合場所までに刺されて死ぬような奴は戦力外と見なしてるのか。ひでぇ話だな。
ある意味、たどり着けるかまでが試験みたいなもんか。ダメだったら死亡・・・
虫
「最近、武装した人間が色んな所にいるな。巣に向かってるか知らないけど、そいつらは大した事ないぞ。俺たちを見た時に後ろ向きに走る奴は大した事ないぞ」
「俺たちを見ても向き合ってくる奴は手強いぞ。それが自衛隊じゃないか」
「けど、雑魚が最近増えて来てないか」
「俺たちが多すぎて、向こうも数だけ揃えようとしたんじゃねぇか」
「エサが楽に手に入るな」
「女王様にお土産持って帰れるかもな」
「軽そうな奴な」
キラネスは横で部下の雑談を聞いていて何か嫌な予感がした。
人間が本気を出したらヤバいんじゃないか。
今は付け焼き刃の作戦だろうけど、色んな賢い連中が意見出し合った時のカウンターが恐い。
それを女王に伝え、一つ提案をする。
「東京を中心に攻めましょう。おそらくそこで作戦会議してるはずなんで、そこを攻撃した方が賢い連中を殺せる可能性が高いです」
「なら、国会議事堂を攻めなさい」
「…はい」
みんな議事堂を嫌った。オッサンばかりだからだ。オッサンの血はまずいと蚊はグチる。
俺たちからしてもオッサンの肉はまずい。
弱くてまずい奴を倒してもつまらないのだ。しかし、勝つためだ。賢い作戦出す奴を潰そうじゃないか。
甘かった。議事堂の前は手強い奴がたくさん待ち構えていた。自衛隊か。続々とやられていく。
周りに超音波も仕掛けられてるのか不愉快な気分になる。それでも何人か向こうの自衛隊を倒し、一旦屋久島に戻った。
「超音波があったり、自衛隊が一杯いたり、殺虫スプレーをありとあらゆる所で散布されてたり、あそこのガードは固いです」
「倒しやすい雑魚と倒しにくい雑魚がいる。人間のおかしな所ね。後ろ向きに逃げる雑魚はすぐ倒せるのに政治家と言う雑魚。学者と言う雑魚は倒せない」
「政治家は知りませんが学者は作戦を考える上で守りたい存在なんでしょう」
「政治家は戦力になってるのかねぇ」
「国民に色々伝える司令塔みたいなもんじゃないですかねぇ」
そんなやり取りをして、作戦を練った。もっと数を増やして議事堂を攻めよう。
東京を攻めようって事になった。
人
藤本はちょっと前にボロカス言って来た母親に電話をかけた。
「おかんか。大丈夫か?」
「何とか大丈夫。あんた今どこなん?」
「九州の方で戦ってるねん」
「そうか、大阪も助けに来てや」
「そっちもおるらしいな。どうなんそっちは?」
「防護服とか外出用に色々支給してくれてて、それ着て買い物とか行ってる」
「あっ、(ハチには防護服効かない事言おうとしてやめた)」
「何?」
「いや、何でもない。仲間の実松が俺のお茶こぼしたんや(ウソだ)」
「あっ、そう。所で最近ちょっと嬉しい事あってんけど」
「どうしたん?」
「最近、ハチの数が減ってきてんねん。蚊は相変わらずおって気持ち悪いけどな」
「減ってんの?」
「うん。最近ハチあんまり見かけへんわ。偉い人が良い作戦思いついたんかな。それか大阪のニートたちが才能あったか」
「えっ、どうやろうなぁ・・・」
大阪が若干マシになった事にホッとするも奇妙な不自然さを感じた。
誰もハチの巣を見に行けてないのが不安だ。屋久島部隊はどうなってるんだろう。
結構行ってるはずなんだが、みんな行く手前で悪戦苦闘してるのはこっちの班長に聞くけど、誰も巣にまで行けてないのが不安だ。
一方、その頃政府と科学者達は会議をしていた。
「虫は熱湯に弱いのでヘリコプターから熱湯をぶっかけられないだろうか?」
「空中から攻めますか?屋久島部隊は誰も巣にまでたどり着けてないみたいですし」
「上からだった、巣の形状とかも分かるからいいですよ」
今までの自衛隊員もヘリで向かってはいたが、巣は見つけられていなかった。と言うかハチに襲われないように高度を上げて現地まで向かっていた。
ヘリポート前だけ、高度を落としていたので巣は見れなかった。
熱湯作戦を決行するために自衛隊は動いた。タンクをヘリに積み、上から巣を見る。
人間が巣を見るのは初めてだ。上からだが大きさは分かるだろう。
巣の近辺で高度を下げる。徐々に緑色の森に近づいていく。その中に気味悪い大きな球体が見えた。
上から見ると木が帽子を被ってるみたいだ。
「何だありゃ?」
もっと下りてみると、1つの穴々が人間がスッポリ入りそうなぐらいでかい。
こんな連中と戦ってるのかと絶望感に見舞われたが攻撃をしてみる。
爆弾落とす代わりに熱湯をぶち込んだ。そこから湯気が出た。効いてるのか?
一斉にハチが出てきた。弱った奴もいれば「ブーン」と気味悪い音で怒りながら攻めて来る奴もいた。
「一旦高度を上げろ!」
隊長の命令で高度を上げた。この作戦、弱った奴もいたので使えそうではある。
虫
「上から熱湯が降ってきたぞ!」
「うわっ!アツッ!」
「あれだ、あのヘリコプターみたいなのからだ」
「攻めるぞ。何機いる?」
「1機しかいません」
「お試しってやつか・・・ナメやがって」
何匹かで一斉にヘリに向かった。人間達は驚いた顔をしていた。完全にビビっている。
熱湯を喰らわないように気を付けながらヘリの中に侵入しようとした。
しかし、向こうも高度を上げてきた。これ以上はこちらも高く飛べないので諦めた。向こうも熱湯をかけるのを止めた。逃げたのだ。
おそらく次はもっとたくさんのヘリで来る。巣に戻る。女王様は
「人間が上から攻めてきましたね。おそらく次はもっと多くのヘリで来るでしょうから気を引き締めるように」
キラネスは返す
「さらに、戦車とかで攻めて来る可能性もありますが、どうしますか?戦車の機体はおそらく針でも貫通出来ませんが・・・」
「それはやってみないと分かりらないわ。ここがやられても、この戦いに勝てばいい。色々な所に巣を作るように命じてるの。
だから、ここが壊されても大丈夫よ。繁殖力で勝てるわ。戦車の数では追い付けない程の数がこちらにはいるはずよ」
女王は不気味に笑った。
予想通り、次の日、多くのヘリがやってきた。上から熱湯をかけてくる。
我々も応戦してヘリを退治した。何匹か空中で熱湯をモロにあびてしまい死んだが、これは戦争だ。無傷で済む話じゃない。
人間は機械頼りだ。丸腰同士なら我々の勝ちだ。機械を壊す方法はないのか・・・
・・・簡単な方法が見つかった。
「フロントガラスを突き破れました!何匹かで何回も刺してたら割れました!」
「でかした!」
逃げて行くヘリ達。割った所から侵入しようにも殺虫ピストルで牽制され入れなかった。
女王に特攻隊の1匹がその事を伝えると
「倒さないでいい。墜落して、そこから火事になる方が困る」
火事を恐れてるようだ。
「けど、戦車とかで攻めてこられたら火事になりますよ」
「その時はみんなで東京を攻めましょう。自衛隊をこっちにやってる間は手薄なはずです」
「じゃあ、もう攻めませんか?」
キラネスが珍しく反論した。
「いや、粘ります。クモに悪いし」
この戦い。そう言えばクモが全く活躍していない。屋久島にいた人間はみんな避難していなくなっていた。
それに自衛隊も最近は上から攻めて来る。
「クモは運べない?」
「は?」
「東京に運べないかしら?」
「やってみましょうか?」
「もし、出来たら本州に投下しましょう」
「分かりました」
クモを持ち上げてみる。意外と軽い。2m程あるクモは手足を縮ませコンパクトになり運びやすかった。投下作戦は使える。
風はこちらに吹いている。
クモを空爆の要領で使おう。




