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Pomegranate I  作者: Uta Katagi
第五章 約束

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四枚目の葉

 長い間、三人で議論した話についての結論が得られた気がした。大人には聞こえない音が聴こえるというのは超能力だ。その意味では、菜美ちゃんと詩の超能力説は正しい。そして、クローバーの葉っぱは声を出せるという佐藤さんの説も正しい。つまり、佐藤さんの話しによると、どちらの主張も正しかったということになる。これだと円満な結論になるので、三人とも異論はない。


 みんなが納得した後、佐藤さんが四つ葉のクローバーが幸運の象徴と言われている話をしてくれた。結婚式で四つ葉のクローバーをモチーフにした招待状やブーケが使用されるのは、新郎と新婦の永遠の幸せを願うためだという。四つ葉のクローバーの花言葉としては、「幸運」の他に「約束」という意味もあるらしい。確かに永遠を誓う結婚式に使うにはぴったりのモチーフだ。


 普通の三つ葉のクローバーは、三枚の葉っぱにそれぞれ「希望」、「健康」、「愛」という意味があるらしい。それが四つ葉になると、四枚目の葉っぱの意味の「幸運」が加わるという。四つ葉のクローバーは極めて珍しいからだという。


 実際に四つ葉になる確率は100万分の1から10万分の1だという。なので、四つ葉のクローバーを目にするのは奇跡らしい。それを小さな女の子が簡単に見つけてくれる。大人から見ればその子はまるで天使だ。そう、その女の子は幸運の下に産まれてきたに違いないと詩は思った。


 詩はカップの紅茶を飲み干した。菜美ちゃんもテーブルに出したウェットティッシュを片付けようとした。その様子を横目で見ていた佐藤さんがもう一つ不思議な話を付け加えてきた。


 「植物は話すだけではなく、実は人の声を聞くこともできるんだよ。」

 「え、どういうこと?」

 詩と菜美ちゃんは立ち上ろうとしたテーブルの周囲の席にあらためて座り直した。まだ話の続きがあるのだろうか。ここまで来たら、この不思議談義の結末を全部聞いてみたい。


 佐藤さんが言うには、植物は光を感じてヒマワリのように太陽の方向に向いたりすることはわかっているが、最近の研究では植物はハチの羽音を聞いて花粉を出したり、音楽を聴いて発芽率を上げたりすることも出来るらしい。実際に、良い音楽を聴いた野菜や果物が美味しくなるというのも本当らしい。


 詩と菜美ちゃんは、再び不思議ちゃんの話しに惹きこまれていった。植物に人の声が聞こえるってどういうことなのか知りたい。


 「植物の電流を測った実験が凄いのよ。複数の鉢植えの植物に電極を付けて、ある一つの鉢を落として割ると、他の鉢植えの植物に電流が流れたんだって。」

 佐藤さんは、再び、調べてきた植物の実験のことを詳しく説明してくれた。


 「それって、植物が危険を感じたってこと?」

 菜美ちゃんが確認すると、佐藤さんは頷いた。


 「更に凄いのは、その鉢植えの植物が置いてある部屋に見慣れない人が入ってきても植物に電流は流れないのだけれど、先の実験で鉢を落とした人が部屋に入ってくると、その部屋の鉢植えの植物に電流が流れるんだって。」

 佐藤さんが、何とも興味深い実験結果を話してきた。これはどう解釈したら良いのだろうか。



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