41/45
【後詰め:住吉川公園の静寂、椿の「聖域」】
場所:住吉川公園(国道2号線・43号線付近)
「掃除」の号令が下され、草薙・雷・中華街の総力が動き出した。
南雲班や篠塚班が実戦へと投じられる中、篠塚 椿には重要な「留守番」という名の任務が託されていた。
それは、要塞での「審判」を終えた登夢が、再び「光」の日常へと帰還するための境界線を守ることだ。
深夜の住吉川公園。国道2号線と43号線を繋ぐ動脈の傍らで、椿は漆黒の装甲車両に寄りかかり、静かに夜の風を受けていた。
彼女の周囲には、治直属の「女性保安部」の面々が、一般の目を逸らすように、かつ鉄壁の陣を敷いて潜んでいる。
「……お父様たち(玄馬や南雲)が影を葬り、若(登夢)が光を奪い返す。ならば私は、その光が二度と汚されぬよう、帰る場所を磨いて待つのみ」
椿はインカムの暗号通信に耳を傾ける。
伴隆からのハッキング完了の合図、海上で燕凛が放つ砲声。
そのすべてが、登夢が父の道を駆け抜けている証だった。
「……若。住吉川でお待ちしております。……そこから先は、血の匂いの一切しない、いつもの朝へと、私がお送りいたします」
公園の入り口に目をやると、そこは既に、修羅の世界とは切り離された、不自然なほど静かな「聖域」と化していた。




