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風のシャドゥ・レガシィ~闇を継ぐディスティニー  作者: 歌麿
最終決戦:海底の要塞と宿命の浄化編
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修羅の回廊、不浄のワルツ

燕 凛が放つ40mm機関砲の重低音が、海底トンネルの分厚い地盤を通じて要塞全体を震わせていた。

その振動を潜入の合図として、回廊の通風孔カバーが内側から吹き飛ぶ。

暗闇の中から躍り出たのは、漆黒の**特殊戦術防護服「影(KAGE)」**を纏った四つの影――登夢、未来、冬華、そして篠塚班の精鋭たちであった。

海上の陽動に全神経を割いていた要塞の傭兵たちが、背後からの侵入に気づき、回廊へと集結を始める。

「鼠共め、地下から来やがったか! 殺せッ!!」

重装備の傭兵と、無機質なミラーシェードを装着した改良型ブートレグの集団が、通路を埋め尽くすほどの数で押し寄せてきた。


最前線に立ったのは、麗(REI)モデルを纏った谷神 未来であった。

漆黒のロングコートを翻し、乗馬用ブリーチに包まれたしなやかな脚で一歩前に出る。

彼女は手にしていた刀を優雅に鞘へ収めると、腰のポーチから使い込まれた黒いオープンフィンガーグローブを取り出し、指の一本一本を確かめるように装着した。

「……あらあら。期待していた『メインディッシュ』が来るかと思っていましたけれど、残念ですわ。あなたたち、オードブルにもならないジャンクフードですわ(笑)」

冷徹な宣告と共に、未来が弾丸のような速度で敵群へと突入した。

雷流古武術・打撃の極意。

彼女の拳が傭兵の重厚なプロテクターを紙細工のように粉砕し、的確に急所を撃ち抜いていく。

筋肉補助機能によって極限まで高められたステップが、浸水し始めた回廊で葬送のワルツを刻む。


未来の隣では、舞(MAI)モデルを纏った谷神 冬華が、袴のシルエットを揺らして舞い踊っていた。

彼女は傭兵が振り下ろす鈍器の軌道を指先一つで受け流し、合気柔術の独特な円運動で、巨漢の男たちを次々と宙に舞わせていく。

「冬華、一応殿方ですからダンスにお待ちいただくのは失礼ですわ。一緒に踊って差し上げなさい」

姉の言葉に、冬華は冷たい光を宿した瞳で微笑む。

「承知しました、お姉さま(笑)」

冬華の放つ鋭い三段蹴りが、ブートレグの硬質な外殻を内部から破壊し、過負荷による火花が回廊を銀色に照らす。

その姿はまさに「蹂躙のワルツ」であった。

第四幕:オリジナルの剛拳

中央で立ち塞がる巨躯の改良型ブートレグに対し、剛(GO)モデルの重装甲を軋ませた草薙 登夢が肉薄する。

登夢は全身に膨大な「練氣」を纏わせ、ガントレットに仕込まれた**「氣功増幅器」**を最大出力で解放した。

――ドォォォォン!!

登夢の放つ**「氣壁」**が、ブートレグの突進を正面から弾き返し、体勢を崩した敵の胸板へと剛拳が叩き込まれた。

かつて中突堤で「コピー」を粉砕したその拳は、今や要塞のコンクリート壁さえも震わせる破壊の権化となっていた。

「……お前たちは、父さんが遺したこの地を汚した。……消えろ」


篠塚玄馬率いる篠塚班が影のように展開し、混乱する敵を「物」として的確に処理していく。

ものの数分で回廊は沈黙した。

通路に立っているのは、呼吸一つ乱さずグローブの汚れを払う未来と、その隣で静かに立ち上がる冬華、そして圧倒的な威圧感を放つ登夢だけだった。

「ふぅ……。やはりジャンクフードは、後味が悪いですわね」

未来がエレガントに髪をかき上げたその瞬間、回廊の床を地響きのような重低音が揺らし、足元に冷たい海水が流れ込んできた。

電算機室に到達した伴隆による、排水ポンプの逆流操作が完了した合図であった。

「掃除完了ですわね。……さあ、行きなさい。不浄な過去は、わたくしたち大人がここで全て片付けますわ」

未来の慈愛に満ちた(笑)冷徹な宣告を背に、登夢は伴隆と合流し、全ての元凶・草薙 零が待つ最終地点へと走り出した。

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