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屠龍の刀使いは魔術が蔓延る世界で身体強化のみで戦っていくそうです  作者: アキ八雲
昏き女王ーラ・テンペスター
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忍び寄る不穏な影

少し間が空いてしまいましたがこんにちは!

また楽しんでいただけると幸いです!


講堂についてみれば、先輩方はもう集まっていた。

先輩方と言っても高校のように年齢が決まっているわけではないので割と年齢層はバラバラに見える。


「あそこの空いている場所に並んで座るように」


そう言って先生が指さしたのは...

最前列の、ど真ん中だった。


ーあ、これ寝たら速攻でバレるやつだー


寝るな、というツッコミは無しにしてもらいたい。だってわかるでしょ?...ほら、始まった。


「諸君、我らがロイヤルガード育成学校へようこそ!さて、言いたいことは手短に話すとしようか...」


出てきた校長らしき人物はかなり年老いていそうな老人の男性だ。

しかし発音が鈍っていないことや腰が曲がっていないこと、そして髪がちっとも白くないということがその格好をかなり若く見せる。


「私は数世紀生きてきたが、現実は無慈悲だ。

いつも見たくないものを見せてくる...

しかし現実から逃げていては成長しないのだよ、諸君。

そこでだ。ここではロイヤルガード云々よりも、現実を見ることを最優先とする。

大人の言うことを丸呑みにするな。

自分で見たこと、感じたこと、考えたことを信じろ。

ロイヤルガードは、現実を見ねばつとまらないぞ...以上だ。」


ああ、この人は優しい人なんだな。

と、何となく感じた。

何か懐かしい感じの喋り方だったし、思えば視線がずっと合っている。

その目線は優しくずっとこちらを見つめて、その顔は微笑んでいる。

俺のことを知っているのだろう。

俺の出身地も、誕生日も、全てを知っているかのように見えた。

周りの人間はもう教室に戻るように指示されて帰っている途中だ。


「何してるんですか?...教室に戻りますよ...?」


先生にバレないようにか、隣からフレイヤが

コソコソ話しかけてきた。


「...わかった。行こうか」


「指示を聞いてなかったんですか...?」


不思議そうにしながらフレイヤは前を向いて歩き始めた。俺の腕に寄りかかりながら。

______________________________________

一方校長は壁越しでも若竹を見つめていた。


「大きくなったな...あの子には悪いことをした...」


「いえ、仕方がないことかと」


生徒全員が講堂から去った後、不思議なことに校長らしき人物は若い、しかも龍の尻尾や翼が生えている女の姿に変わっていた。鱗は不思議なことに若竹が使っていた剣と同じ色だ。

片方はメイドのような格好をしていて、どこからか現れたようだ。

2人は身を翻して後ろへ歩いていく。

しかし講堂の後ろへと着いた時には、元の老人が一人歩いているのみだった。

______________________________________


「意外と早く終わったな?」


「そうですね...」


教室に着いたはいいが、男子からの視線は治っていなかった。というかさらに険しくなっていた。


「チッ、リア充め...」


「爆発しろよマジで...」


「ヒューヒュー!」


「馴れ初めは⁉︎馴れ初めは⁉︎」


女子は反対にメッチャ話しかけてくれるが...

なんかもう恋愛の話ばっかりだ。

例外的に話しかけてこない女子もいたが、

何だろう。人と話すのが苦手らしくずっと本を読んでいる。

後で話しかけてみようかな...


「そういえば俺らってそういう関係になってたの...?」


「え、ダメ、ですか...?」


下から見上げてくるフレイヤ。


「...そんなことはないけど」


正直自分は釣り合わないとすら思っていたから断る理由なんていうのは一個もなかった。

しかしそれに拍車をかけたのは下から見上げてくる視線だった。あれは反則だろ。


「ほら、席につけ」


いつの間にか先生が背後に来ていた。

全く物音を出さずに動くのマジでやめてほしい。心臓に悪過ぎるぜ...


「取り敢えず君らは今日からここの生徒になったわけだが...校舎は基本的に使わないんだ。

君らには自由に活躍してもらいたい。

仕事が欲しければここに来てもらえれば紹介するが、特例があった場合も呼び出しをする。覚えておくように。

では、君らに幸運あらんことを。」


先生が指を鳴らす。

次の瞬間には、校門の外で俺らは尻餅をつかされていた。


「なんだ?今の...」


「空間制御系の魔術です、多分。

私たちがいた空間をコピーして、私たちだけここに飛ばしたんだと思います。

この場に机や椅子などがないことを考えると、凄まじい魔力のコントロールですね...」


初めての感覚ではなかった。

前に味わったことがあったのだ。


「龍と戦った時も魔術みたいなので吹っ飛ばされたな...」


「何色の龍?」


「ん?父さんは紺碧って言ってた」


「え⁉︎いやいや冗談ですよね?

だって紺碧って...」


ありえないありえないと首を振ってから答えるフレイヤ。


「...その色の龍って、この世界に現れた最初の龍の色って言われてるんですよ?」


「...え、でもほら、その龍の鱗で作ったこの刀も青色だぞ?」


あの時と同じように結晶を集めて刀を出す。

この出し方が出来るのは特殊らしい。

俺が、ではなく刀が特殊ということで、金属製の武器ではこれでは出せない。

どういうことかというと、この世の中の全てのものは魔力からできている。

俺の刀は魔力を集めて作っているというわけだ。

その中でも金属は精製されるまでにどんな魔力が入るかによってどの金属になるのかが決まる。

例えば水の魔力が入った金属で作った武器は水の魔術の威力や精度を底上げしてくれるという特性を持つ。

...のだが、いいことずくめではない。

金属特有の魔力の上に別の魔力が乗るのは生物には生成できない魔力だ。

というわけで金属で作った武器は人間にはあの取り出し方は出来ないのだ。

一方モンスター由来の武器...俺の刀のように作られた武器は、魔力の構成が比較的簡単だ。

例えば俺の持っている龍鱗でできた刀は、

生の魔力が入っている。というか生の魔力の塊だ。

というわけで生の魔力は生命に関する能力を底上げしてくれるので、俺の身体強化はコイツによっても強化され、その上で取り出しやすい龍鱗の剣は凄まじく(色んな意味で)いい武器なのだ。

街で買えず、素材を鍛冶屋に持ち込んで作って貰うしか作る方法がないなど、少々めんどくさいが。

そして品定めをする様に俺の刀をじっと見つめるフレイヤ。


「ん〜...本当だ」


そしてその様子を上から見下ろす人影が一つ。

影になっているはずなのに、口のシルエットはハッキリとニヤけているように見えていた。








これ募集するのどうかと思う方もいるかと思いますが、こんなキャラどうですか?みたいなの募集してみようと思います。

思いついた方は遠慮なくどうぞ出してくださいね!

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