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屠龍の刀使いは魔術が蔓延る世界で身体強化のみで戦っていくそうです  作者: アキ八雲
昏き女王ーラ・テンペスター
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屠龍の刀使い、都市へ行く

(`・ω・´)ガンバルオ


大都市、メガロポリス。

人口270万人を誇るハリファックス王国の首都だ。

招待状が届いたために一緒に届いた制服に身を包みこの都市に来てみたが..いい都市だ。

治安はそこそこに良いし、街の住民も優しい。

建物もコンクリート製の近代的なものだ。

街では忙しなくお母さんが買い物に走り、子供は広場で走り回っている。

みんなが笑顔なのは単に政治が滞っていないことの証明であろう。


「そこのアンタ!良い体してるじゃない!

りんご、持ってくかい?」


「あ、貰います!」


まだ俺が龍を倒したというのはそこまで広まっていない。

しかしその上で自分の体を見てみると、そこまで筋肉質ではないがひょろっこくもないと言うのが第一に出てくる感想だと思う。


「なあなあ、俺らと一緒に来ない?

学校なんてサボっちゃいなよ!」


「そうそう、学校なんていいことないぜ?」


...大都市には何故ガラの悪い連中が湧くのだろう?

よりにもよって武装した奴らが三人がかりで少女に群がっている。少女は若干茶色がかった黒の綺麗な髪の女の子だった。

都市ではよくあることなのだろうが、

見逃すほど俺は非情な男ではない。

さっきもらったリンゴをバッグに仕舞って向かう。


「ちょっと待て...この制服、ロイヤルガード育成高校のとこのじゃね?」


「マジだ...なあ、売ればいい値段で...」


その時点でさらにもうヤバいと思った。

即刻止めなければ。と。


「おい待て、お前誰だーーー」


構わず蹴っ飛ばす。

狭い路地に入ろうとしていたため綺麗に全員吹っ飛んだ。

俺の得意魔術「身体強化」は、魔力が切れない限りは人間離れした運動能力で動き回れるという魔術だ。

ちなみに魔力の供給能力も強化されるためほぼ永遠に使っていられるが、これは俺だけの特性らしい。

話を戻すと、綺麗に吹っ飛んでくれたおかげで女の子は保護できた。

代わりにアイツらの機嫌は最悪だが。


「お前、俺らが誰だか分かってて蹴ったのかオイ⁉︎あぁん⁉︎」


「ここら辺を牛耳ってるのは俺たちだぞ⁉︎

分かってんだろうな‼︎」


「興味ない」


その一言がさらに不機嫌にさせたらしい。


「君たちが誰だろうとそこら辺のチンピラじゃ俺には勝てないし、それより...」


各々の武器を抜いてかかってくる。


「何ごちゃごちゃ言ってんだ‼︎死ねぇぇぇぇ‼︎」


「ダメェェェ‼︎‼︎」


少女の悲痛な叫び。

自分のせいで人を傷つけたくないという、

優しい少女の願いは聞き届けられない。

構わずに剣が、ナイフが、槍が振り下ろされる。


ーすぐ折れそうな武器だなぁー


「フゥッ...!」


息を吐き体を丸める。

次の瞬間、異変が起こった。

この少年の手から、結晶のようなものが発生していったのだ。

結晶がある程度の体積になると形が整えられていき、その手の中にあったのはもはや剣だった。

刀と言うには無骨なシルエットで、洋刀と言うには薄すぎる刀身。

表面には岩のような竜の鱗が付いていてとても切れ味が良さそうには見えないが、刃が発する光は正しく業物のそれだった。


ー相手の数は3。武器はそこら辺で売ってるようなナマクラだ。アレなら簡単に折れるー


ほぼ同時に全ての武器が襲いかかってきたように見えたが、この少年にとっては別だ。

最初に槍が、2番目にナイフが、3番目に剣が振り下ろされる。とハッキリ見えているのだ。

最初の槍は少し刃を当ててやると真ん中から真っ二つに断ち切れた。

ナイフはその刀のようなものを振ったエネルギーを殺さずにそのままの勢いでナイフにぶつける。これは折れるより先に持ち主がビビって手を離していた。

剣はその背に刃を走らせ、全力の脚力ものっけた一撃を叩き込む。

刀が通ったあとは空気も残らず真空状態になり、

その真空に空気が急激に流れ込むと...

何者をも斬ってしまう無差別な辻斬りの完成だ。

俺はそこまで全力で振っていないので多少血が出る程度で済んだだろう。

全てが終わった時、カランカランという乾いた金属音があたりに響き渡り、唖然とした男達の顔が何をされたのか分からないと訴えていた。

斬れた武器と俺の後ろで震えている少女が結果を示しているというのに。


「な...何だこいつ‼︎」


「クソっ...覚えてやがれっ‼︎」


不良どもは呆気なく退散した。

あの捨て台詞ってなんなんだろうか。

カッコいいとでも思ってるのか...?

不思議なことに少年の手が解かれると、刀のような何かが瓦解していき消滅していった。


「あの...ありがとうございました!

1人では怖くて...同じ制服ですね!招待状には何組って書いてありました?」


少女が背中から飛び出してきて話しかけてきた。同じ制服なのまでは見えていたが、よく見ると胸についているバッジまで同じだった。


「F組だな。戦闘関係の科目で招待されてる。」


「私もです!良かったぁー!」


「...え?君が戦闘?」


見たところこの少女はあまり背も高くないし

正直言ってヒョロっこい。

魔術を使用した戦闘だろうか。

そんなことを考えていると少女は不敵な笑みを浮かべてこう言ってきた。


「あなた、さっき身体強化魔術を使っていませんでしたか?」


「えっ...」


驚きだった。

身体強化は消費する魔力量が極めて少ないため、感知するのが最も難しい種類の魔術なのだ。


「その様子だと当たりですね?

私、生まれつき魔力の流れが見えるんです。

だからなんの魔術を使ってるのかな〜っていうのは見れば分かっちゃうんですよ。

あなたの魔力は、今まで見てきた中で一番真っ直ぐで綺麗です。

澱みがなくて、透き通ってて...あまり攻撃系の魔術には向いてない魔力ですね。」


「...そりゃどーも。で、どうすんの?

一緒に学校まで行く?」


女の子は恥ずかしがって俯いている。

父さんから「モジモジしてる子には積極的に話しかけてやんなさい」というふうに教えられたためそれを実践する。


「ほら、ついてきな!一緒に行こうぜ!」


そう言うと、少女は顔を上げて、若干赤い顔でこう言った。


「あのっ...あのっ、私、何処までもついていきますからね‼︎よろしくお願いします!」


そして思い出したかのように、こう付け加えてきた。


「自己紹介がまだでしたね!エヘヘ...

私の名前はフレイヤ・ローゼンブルクです!

以後、お見知りおきを」


やけに恭しくスカートの端を持ち上げる。

きっとお嬢様育ちなんだろう。


「俺は若竹(わかたけ) 如月(きさらぎ)。

よろしく!」


俺の名前を聞くや否や頭の上にはてなマークが浮かんでいた。

何かおかしかったか...?

自己紹介を済ませた後、フレイヤの手を取って学校までエスコートする。


「学校に遅れるぞ?」


「いえ、あなたといられる時間が長くなるなら、それでもいいです...」


と言ってより体を近づけてくる。

このお嬢様...警戒心が無さすぎやしないか?

そんなだから変な男に襲われるんじゃ...

なんとなく後ろに目を配ると黒い服を着たガタイのいいお兄さんが何人か後ろを付けてきていた。...全くのいきなりだ。


「ちょっと失礼」


「え?」


多少乱暴だが強引にお姫様抱っこで逃げる。


「ああ...とても良いです...」


蕩けたような顔でお嬢様がなにか言っている。

聞こえないふりをして全力疾走。

魔術まで使ったら加速にお姫様が耐えられないだろうからそれは使えない。

完全に生身のままダッシュする。

結局チャイムにはギリギリ間に合い、遅刻にはならなかった。

お姫様抱っこで教室に突っ込んだから視線はヤバかったが。


「ハッ!

もう学校ですか⁉︎えーとえーと、ありがとうございます!」


「お礼はいいよ。でも...」


教室中に満ちる男子からの殺意。

俺がこの少女をお姫様抱っこしながら教室に入ったのがマズいんだろうが、反対に女子はキャーキャー騒いで喜んでいる。


「この状況どうしようか?」


「さ、さあ...?」


「静まりなさい!」


後ろから大声でそんなことを言われた。

キーンという耳鳴りが響いている耳を押さえて振り返ってみると、そこにいたのは若い女性の先生だった。


「何をしている?さっさと席に着け。」


「は、はい」


言われた通り席に着く。

視線は依然として突き刺さっている。

寒気を感じるレベルですごい。さらに横を向けば...フレイヤが小さく手を振っているではないか。誠に可愛らしい。

ニコッっと笑って返すと、顔を真っ赤にして前に向き直ってしまった。

女心というのは難しいと聞いていたが、ここまでとは...また一層男子の目線が怖くなった気がするが気のせいだろう。


「それでは自己紹介をしよう。

私の名はエマ・ヴァイオレットだ。

教える教科は戦闘科。ここの担当になる。

実技には危険も当然伴うが、覚悟の上でついてきてくれることを期待する。以上」


それだけ言って終わってしまった。

すぐに次の話題へと移る。


「次は校長の演説だ。講堂に集合しろ。

...寝るなよ?」


先生の後ろで何かが輝きを放ったような気がした。


「...イエス、マム」


半ば脅されて講堂へと向かう。

校長の話か...長ったらしい話は苦手なんだよなー...

まあしょうがなく講堂に向かった。

学生である以上は先生の言うことを聞かなければだしな。


「なあ、お前らもう付き合ってるのか?」


隣の奴が話しかけてきた。

付き合う、というのは交際するということだろう。


「いや?」


「いやでもさっきお姫様抱っこで...」


「アレは理由があってだな...」


「いい、いい。分かったから。

理由があるんだよな!」


ぽんぽんと肩を叩き、頷いて同情の意を示してくる。


「それ以上は掘らないことにするわ。

お姫様抱っこしなきゃいけない状況とかわかんねぇしな。

俺の名前はアルブレヒト・マースだ!

マースって呼んでくれ!」


「ん、俺の名前は若竹 如月だ。よろしく!」


「よろしくな!ワカタケ!」


これが父さんの言っていた友達、という奴だろうか。

できると、なんとなく嬉しい。

教室から廊下に出て、名前の順に整列して講堂に向かう。

寝たら殺されるんだろうな...覚悟しておかないと...

こういうやつの戦闘って書くの難しいんですよね...

まあ人にもよるんでしょうが。

何か意見や感想があればください。

参考にしようと思うので。

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