第84章
暫くぶり過ぎて、思う様に筆が進まないです。。。
不定期で再開です!
84.
籠城は救援が望める場合に有効な施策であり『エルフの王』が有する騎士団が壊滅したというのなら、現在『世界樹の城』にいるエルフ側は救援が望めない状況に追い込まれたと言っても良い。
さて、その『世界樹の城』の一室にいる俺たちは、如何したものだろうか?
「エレイン、『世界樹の城』は複数の『世界樹の若木』と繋がっていて、その通路を繋げたり切り離したり出来ると思って良いか?」
エレイン本人の意思とは関係ないらしいのだが、如何やら俺のセクハラからソフィアとシャーリーを守る事となったらしいエレインは、背中にソフィアとシャーリーを庇っている。
幼い生徒たちを守る若く美しい女教師(イメージ的には清潔感のある白いブラウスとプリーツの入った紺の長いスカート、手には黒い縦長の出席簿、髪はポニーテールとか)と、その女教師が担任を務める、とある田舎の小学校を訪れたヤクザの男(当然こっちが俺だな)といった感じ。
我ながら、多分に昭和の香りがする。
「どすえ。それぞれの『世界樹の若木』には『火の精霊』の『守り人』がいて、アリシアはそのシトリ。『ダークエルフ』が攻めてきたとしゃべるのがほんまならば、アリシアはわてらが入ってきた森の『世界樹の若木』から、この『世界樹の城』を切り離すでっしゃろ」
だが、そのヤクザっぽい、ちょっと影のある感じの無口な男こそが本篇の主人公。バッサバッサと田舎に巣食う悪徳業者(きっと、小学校と潰して工場を建てようと、小学校に嫌がらせをしている)を切り倒し、返り血に濡れたスーツ(妙に薄くて、何故か男の体格にぴったりの仕立て)の背を翻し、去っていく。
「『世界樹の城』を切り離すのが『守り人』であるアリシアの役目であるならば、何故エゼルまでアリシアの後を追ったんだ?」
ああ、エリシアが訛ってなければ、結構、良い感じなのだが。
エンドロールで、荒波が岩にぶち当たって砕ける、みたいな。とりあえず、妄想終了。
だが、それはそれとして。
ソフィアとシャーリーは、後でお仕置き。
エレインの背中から俺を睨んだって、逆効果だっていい加減分かりそうなものなのだが。
ついでに二人を庇ったエレインも、連帯責任だな。
エレインには、白いブラウスとかも買わないとな。エプロン以外にも買い物が増えたな。
悪徳業者が雇ったチンピラに襲われて肩がはだけたシーンとか、ちょっと実践してみないと。
・・・まずはシャーリーに『回復薬』を貰わなきゃ。
「それは・・・、アリシアを守る為でっしゃろね・・・。『ダークエルフ』はアリシアを殺そへんとするでっしゃろ」
ううむ、今夜妄想を実現する為には、如何やら現実の問題を解決する必要がありそうだ。分かっていた事だけどね。
「では・・・、俺たちの出来る事は一つだけだと思うんだが、皆、如何思う?」
ソフィア、シャーリー、エレインの皆に問う。
人には『分』と言うか、役目というものがある。
『守り人』であるアリシアには、アリシアの役目が。
そしておそらく、エゼルにはエゼルの。
その時、その場にあって、それぞれの思いや必然が、その役を決める。
・・・あー、俺以外は人ではなかったか。
でもまぁ、元ドラゴンだろうが『合法ロリ』(いや、これは種族名ではないが)だろうが『水の精霊』だろうが、似た様なものに違いない。
「まぁ、火トカゲの手伝いなんて本意じゃないけど。フィルが助けたいなら良いわ」
おおっ、何かツンデレっぽい言い草が可愛いソフィアだが、これは今夜あたりリピートでお願いすべきかも。
『フィルの事なんて、全然気にしてなんか、いないんだからね!?』みたいな。腹上死や圧死よりは余程健全な妄想だな、俺。多分だけど。エプロンや白いブラウスの準備が整わない今、言葉だけならタダだしな。
「エゼルさんがアリシアさんを助けようとしているなら、私もお手伝いしたいです」
両手を胸の前で握りしめた仕草が可愛いシャーリーだが、真相を知らぬままにエゼルを助けたいという思いを抱いている様だ。それが偶然なのか、必然なのかは分からない。そして、親と子の名乗りをエゼルが望まぬのならば、俺はそれを無理強いするつもりはない。だが、少なくともシャーリーには、彼女の望む手助けをする権利というものがあるはずだ。この手の話は、大抵が手をこまねいて後悔する事となる。俺自身の、見た目よりは余程長く、周りの娘たちに比べればさして言うほど長くもない過ぎ去った人生の教訓だ。
ならば迷わず前へと歩み、そして甘んじて失敗すれば良い。
負ける気はない、けどね。
「首を切り落としても死なへん様な娘ですし、ほっこりいてもええとは思うにゃけど、かて、フィレンツェの好きにしてええと思うで」
エレインはここに来る前から、この『世界樹の若木』やアリシアの事を知っていた様だ。ひょっとすると、実はエゼルとも面識があったのかもしれない。
何処となく毒のあるエレインの言い様ではあるが、ここは俺に対して『アリシアを助けに行け』という言葉の婉曲的な表現と解釈しよう。
だとするならば、答えは決まっている。
「じゃあ、行こうか」
廊下の扉を開けて、踏み出す。
アリシアとエゼルの去った廊下の先には、延々と闇が続いている。
その廊下の闇を超えて伝わってくる、くぐもった響きは何かの爆発音だろう。
何れにせよ、俺の今夜の妄想の実現を阻む奴は許せない。『ダークエルフ』だろうがなんだろうが、『同田貫』を手にした高倉健(本物はかっこいいよね。俺は単なる真似っこだけど)が負けるはずがない。
暫くぶり過ぎて、思う様に筆が進まないです。。。
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