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華龍Story  作者: ryo
105/142

第105章

だいぶ、間が空いてしまいました。。。スミマセン・・・。

105.

俺が作成した手持ちのチェーン付きロケット弾は、全部で3発分。それに対してアリシアから聞き出した、『バイルクラウ以遠辺境伯』の領主が住むバイルクラウの村までは、赤茶けた石の転がる丘陵地帯を超えて馬車で街道を三日程度。一日一発ロケット弾を消費するなら、丁度ぴったりな訳ではあるが、森林地帯から足を踏み入れた途端に受けたくもない歓迎を受けた事を考えると、マンティコアとの遭遇頻度はもっと高くなる気がする。それにテストを行ってもいないロケット弾の効果の程以外にも、消費に関しては当然リスクと余裕を見ないといけない。

では、そんな危険地帯に領地を持つバイルクラウ伯爵はどうやって交通手段を確保しているかというと、一般的には6頭立ての馬車で日暮れと共に一晩中強行軍で馬車を走らせ続けるとか。マンティコアは、夜間はそれ程活発に捕食行動をしないのだそうだ。どうやらうちの娘たち同様に、食欲並みに睡眠にも貪欲なのだろう。実はクタクタにさせてしまう俺の責任も、若干はある様な気もしないではないが。欲望に流されているのは、俺の方か。少なくとも今日は早く寝て、明日の戦いに備えて体力を温存しよう。

それは、さて置き。3頭の馬と、その内の2頭を要する二頭立ての馬車を擁する俺たちとしては、夜間の強行軍は厳しい選択だ。やはり地道に?昼間にこの荒地を突破し、正攻法でマンティコアを退けたい。半ば意地もある様な気もしないではないが。前提として、現時点に於いてはロケット弾の作成に必要なチェーンの調達が難しい事から(ソフィアのチェインメイルを解くという非常手段を取らない限りは)これ以上ロケット弾の在庫を増やすという事は出来ない。但し昼に消費したロケット弾のチェーンが回収出来るならば、夜のうちに再度、ロケット弾を仕立て直す事は不可能ではない。

取りあえずは、三日間の行程の初日の夜までに3発のロケット弾を消費してしまうか、ロケット弾の効果がない事がはっきりした場合は、もう一度森林地帯まで引き返す事も考える。比較的安全な夜間に引き返すか、夜間も前進を継続するか、あるいはちゃんと休息に充てるのか。よって、初日の夜を、GOorNOGOの判断ポイントとする。


「明日の早朝、日の出前に出発する。特に馬を急がせる事はしないが、日が落ちるまでの食事は全て馬上で携行食をとるだけにする。マンティコアが見えたら、皆の配置は基本的には前回と同じだ。馬車と馬はシャーリーとエレインが二人で守りつつ距離をとってくれ。ソフィアとアリシアは俺と一緒に、近づいてくるマンティコアを空中で迎撃して地上に引きずりおろす」

雨も上がり、今後は、まる一日は食べられないだろう温かい食事を皆でとりながら、俺はそう話を切り出した。焚き火を囲む皆も、前回はマンティコアの毒に倒れた俺を心配してくれているのだろう、 手を止めて神妙に耳を傾けてくれている。俺を見つめる皆の少し不安そうな視線がこそばゆいが、大丈夫、今度は簡単にはやられたりはしない。


「暖かい食事は食べられないのか? ううむ、倒したマンティコアを焼いたら、食べられるだろうか・・・?」

もっと『そのロケット弾は、如何やって使うの?』とか、『如何やったらマンティコアを引きずり下せるの?』とか、そういう質問はないのかねアリシアさん?

まぁ、そもそも俺が造ったのが『ロケット弾』だとか、そういう説明もしてはいないのだが。名前は知らなくても、尋ね方はあるでしょ?

少なくとも普通は、魔物は食べないんですけど。精霊は雑食なのだろうか?


「でしたら今のうちに、ご主人さまにたくさんお肉を焼いて頂いて、お弁当を作っておけば良いのではないでしょうか?」

ポンと、手を叩いてにこやかに提案するシャーリーも良い子ではあるが、『やはり食べ終わったら今すぐ出発して、夜のうちに距離を稼ぐ方が・・・』とか、食べ物以外の提案はないのか?

だいたい、シャーリー的には肉を焼くのも、おそらくはその弁当なる物を詰めるのも、俺なんだよな?


「焼いた肉と芋を交互に串に刺しておけば、片手で簡単に食べらはるわ」

エレイン、それは良いアイデアだが、調理方法が間違ってる。生の肉と茹でた芋を串に刺して、焼く方が良い。

・・・じゃ、なくて。

こう建設的な意見ばかり賜る様なら、もう今日は皆、寝かさなくても良いかな。馬上じゃ、出来ないからな。いや、何事も挑戦してみないといけないな。(夜通し走るつもりはないのだから、普通に夜まで我慢しろよ、という話ではあるが)


「 リシタで食べた、黒焼き似ているわね。また、フィルと食べたいな!」

俺に笑いかける藍色の瞳の奥で、楽しそうに金色の輝きが舞っている。

ソフィアと出会ってから、何度食事を共にしただろう?

・・・まぁ、良いか。


「そうだな。いつか、皆でリシタの屋台に行こう。今日のところは俺が、ソフィアの言う黒焼きが、どんなもんか再現してやろう」

今食べる訳じゃないぞ、明日の弁当用だからな、と言う俺の説明を打ち消す様に皆が歓声を上げている。

兎に角、早く作って、早く寝る。

明日、俺たちを待つのは、戦いなのだから。


だいぶ、間が空いてしまいました。。。スミマセン・・・。

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