2.チンチンの章
〈第4話 コレ、書かずに生きろ〉
ケン「大変な事が起こった…」
リップル「何かデジャヴュね」
メリー「痛い痛い、お兄様離して」
部室で、首根っこを掴まれ…ジタバタしているちっちゃい女の子は、ケンの妹メリーだった。(中等部の制服を着ている、ちなみにケン達は高等部)
ケン「コレ見て…」
リップル「コレは?」
スマホ画面を凝視するリップル。
ケン「コイツ、俺達をモデルに…こんな酷いウェブ小説を投稿してやがった」
そこには、前段の[殺戮の章]の全文があった。
アキ「これは、ゆゆしき問題ね」
リップル「あ〜ん、私のセリフぅ〜」
突如ロッカーの中からアキが現れ、リップルの台詞を奪う。
レンジ「では、会議を始めよう」
もう一つのロッカーから顧問が出て来て、奥の席に座り会議を進行する。
リップル、アキ「ハ〜イ!」
ケン「おいおい…何が議題だ?」
メリー「チンチン」
アキ「また次の章まで、侵食するつもり?お嬢ちゃん」
顧問を囲む様に座る部員達は、お互い何を言おうか考えながら俯いて、沈黙する。
レンジ「つまり…この妹ちゃんは我が何部の活動を、あの様に異常な行為をする部だと捉えてるって事だ」
メリー「違うの?」
レンジ「ここは可能性の場なんで…全ては否定しないが、実のトコロ生徒の自主性を尊重し、様々な研究をする真面目な部なのだ」
アキ「それでは、最近のTVアニメ事情について…アタシからひと言」
リップル「お、面白そう」
アキ「つまりね、問題は完結する気も無いクセにアニメ化すんなって、話」
ケン「確かに」
アキ「例えば…まだ連載中で、コミックスが10巻くらい出てる漫画が、全12話で完結すんのかって事」
ケン「第2期、3期と続けていけばいずれ…」
アキ「大手のヒット作でそれ…普通の作品は途中ぶっちぎれで放置プレイよ」
リップル「私は諦めて、漫画で続き追ってるよ」
アキ「ソレが奴等の手よ…ダマされちゃダメ」
ケン「いや、奴等って」
アキ「特に最近酷いのは、その限られた話数の最終回ですら、キレのいい所までやらなかったり…最後にイラン嫌な引きを入れたり…やる事がだんだん巧妙化してるわ」
リップル「そのクセ、総集編映画化したり、2.5次元ミュージカルやったりと…お金儲けに手段を選んでないよね」
ケン「あと、少し話それるケド…ジャンルが集中してるってのもあるな」
リップル「そうそう、もはや誰がオリジナル発明したか分からない…異世界転生に追放勇者、婚約破棄&悪役令嬢ばっか」
アキ「ま、昔もロボットアニメばっか、連続して5本やってた時もあったけど…」
レンジ「お前何歳だ」
リップル「その頃は、オリジナル中心だから…ちゃんと完結してたでしょ」
アキ「そうね。でも、悪いブームもあって、ラストにキャラを宇宙に飛ばしときゃそれで完結って風潮が…」
リップル「打ち切りのヤケクソで、主人公車で轢き殺させたり」
アキ「昔はアニオリ中心で、漫画と違う結末も多かったのよね。最終回にいきなり引っ越しして終了とか。続きはアニメでどうぞっのもあったわ」
リップル「今は、続きは漫画でどうぞ、か」
ケン「つまるところ、どう?」
アキ「まぁ、良いモノもあれば、悪いモノもあるって事かしら…」
リップル「その表現事態がパクリじゃないの?」
アキ「リスペクトよ、もしくはオマージュ」
メリー「とりあえずメリー、パンツ脱ぐね…」
ケンの妹のメリーが、おもむろに下着に手をかける。
スルスル…
アキ「これこれ、今はパンチラがご法度になったけんど、スカートの下から脱いだ下着が出て来るのはたぶん、OKよ」
メリー「エイッ!」
脱いだパンティを兄のケンの頭に被せる。
リップル「このくだりって?」
アキ「昔のドラマでたまにある、退屈なシーンが続くと、唐突にエッチなシチュで興味を引くっていう、高等テクニックね♡」
ケン「目が見えへんっ」
アキ「あんま、マニアックなパロは感心しないわ」
リップル「バルゴンか…」
メリー「カキカキ…」
携帯をいじる妹。
ケン「(顔のパンツを取り、手に握りながら)お前、またこの内容WEBに上げてるだろっ!」
メリー「いいじゃん、どうせメリーが書いたなろう系小説なんて、だぁ〜れも読まないんだから」
リップル「私、読んでるよメリーちゃんの小説、お気に入りも付けたし」
メリー「リップル姉ちゃん、結婚して…」
アキ「ダメよ、まず何々して何々した俺は、何々で何々するって、分かりやすいタイトルにしないと」
リップル「有名タイトルを文字るってのも多いよ」
アキ「結構リスペクト無しに、適当に意味わからんと使ってるヤツいるよね」
ケン「人の事言えんだろ…」
自虐ツッコミを入れる、ケン。
レンジ「この大元のタイトルは、偶然の一致って事で…」
アキ「ところで、誰も気づいてないと思うけど…この学園は異世界ファンタジーなの」
ケン「確かに俺、スライムから転生したけど」
リップル「私も村人Aから…」
メリー「アキ姉の言う事、当たってた」
アキ「何言ってるの?アンタら」
ケン「イヤイヤ、自分で振っておいて今さら…」
アキ「いえ…アタシが殺したアイツが、魔法少女だって事実をね」
その頃、校舎裏の地面が盛り上がる…
ズシャッ!
魔法のステッキを持った手が、土の中から飛び出して来た…
レンジ「真実はひとつでは無い」




