1.殺戮の章
序章
標準的な詰襟学生服の男子生徒、美波海ケンがいつもの様に通学すると、自分の机の上に…獣の毛が置いてあった。
ケン「何じゃコリャ…」
リップル「あ〜、それマントヒヒの毛よ」
セーラー服で金髪の女生徒、火賀志リップルがそれを掴み、匂いを嗅いでいる。
ケン「さすがだ…」
感心しながら、ケンが窓の外を見ると…アダムスキー型のUFOが飛んでいた。
ケン「プレミアムな1日の始まりだな」
リップル「コレで、タイトル回収OKね♡」
〈第1話 転生前はスライムだったケン〉
ケン(俺はこのお話の主人公、美波海ケン。ココだけの話…異世界からの転生者なのだ。前世での職種はスライムで、何の意識も何の記憶も無い。だからこの現代社会に於いて、何の役にも立たない…それがどうした!)
リップル「自分で言うなっ!」
パンッ!
言いながら出刃包丁の側面で、頬を打つ。
ケン「使い方…」
リップル「あ、刺した方が」
ナレーション「ふたりは、同じ学校のクラブに所属する仲間だ、その部活の名は何部」
廊下を通り抜け、放課後ふたりは部室に向かう…前を歩くリップルと、目線を合わせ無いように後をついて行くケン。
ケン(クソッ、無駄にいい尻しやがって…)
リップル(私、火賀志リップル。実は異世界からの転生者で…アッチの世界では、村人Aをやってたわ。何してたかって言ったら…え〜っとぉ、普通のオジサンで、畑仕事のお手伝いしてたかな?知らんけど)
(リップルの回想)
ワシは、しがない村人Aじゃ…名前すら無いオッサンだ。
ある日畑を耕していると、緑色の小さいモンスターが農作物をかじっておった。
「コラッ!うちの大根をダメにしやがって…」
追いかけて両手で捕獲するも、グニャグニャと実態が無く捕まえとけない。
(うっ、この感触…)
納屋に持って行き、ズボンを下ろし…股間にソレを当ててみる。
(こ、コレは気持ちいい…うっ!)
あまりの快感に心を奪われ、スライムの中心部分に白い液だまりを作ってしまった…
(注 : 台詞のみ、映像無しの自主規制)
(現在時空)
リップル「私を変な目で見ないでよねっ!」
ケン「お前にだけは、言われたくない」
〈第2話 そんなんお前だけと違うん?〉
タタタタタタタタタッ!
全力で走って来る女、黒髪ツインテールの仁志アキである。
ナレーション「ちなみに、彼女も何部のメンバーなのだ」
アキは部室入口で立ち止まり、部員達の前に立ちはだかる。
アキ「ハァハァ…何の様?」
リップル「コッチのセリフだ、バーカ」
アキ「そうそう、アンタにだけは負けないんだから!」
リップルを指差す。
リップル「次のインターハイで、決着つけようぜ」
ガッツポーズで応じる。
顧問「ハイハイ、いつものヤツな。二人共、同じチームなんだから、仲良くしろ」
部室の奥から、スーツの七三分けメガネの男が現れた。
ナレーション「コイツは何部の顧問、十文字レンジ。特筆する事は、何も無い…」
レンジ「いや、コイツって」
ナレにツッコむ顧問を無視し、行動を開始する部員達。
アキ「さぁ、練習始めるわよっ!」
部員一同「お〜!」
ケンは、長いマンモスの牙の尖った方を口に付け、リズミカルに音を奏でる。
パオ〜ンッ!パパパパパパッ!
セクシー体操着に着替えたリップルが、テニスボールをテーブルに並べ…マイ包丁で1個1個切断していた。
リップル「とりゃっ!バスバスッ!あ、失敗した」
アキ「遅くってよ、リップル…ハイハイハイッ!」
赤いビキニ姿のアキが、槍で宙を舞うサッカーボールを必死に突いている。
レンジ「まだまだだな…」
ダ〜ンッ!
突然…部室の扉を勢いよく開け、刈り上げグルグル眼鏡の男子が入って来た。
ナレーション「最後の部員、喜多ハジメである。このクラブで唯一の常識人で、このクラブの部長だ」
ハジメ(僕の前世は、魔法の国のプリンセス…ドリーミーシャークだ。残念ながら男になってしまったケド、でも魔法はまだ使えるのさ)
ハジメが懐から、魔法のステッキを取り出すと…棒は延びて、その先端のハートは回転し、虹色のビームが放射線状に拡散される。
ハジメ「ピラルクピラルク、シーラカンスゥ〜!ドキドキハートのグレイトホワイトォ〜!!」
ポンッポンッポンッ!パッパッパッ!
アキ、リップル、ケン…それぞれの頭にヒマワリの花が咲く、感心し拍手する顧問。
パチパチパチパチッ!
レンジ「コレは8.5グレイトだ」
アキ「クソッ、9.8ヒョットコはイケたと思ったのに…」
うなだれるアキ。
ケン「諦めるな、チャンスはまだある…よし、校庭うなぎ腹筋五十周だ!」
彼女の肩に手を置き、拳を振り上げ鼓舞する。
リップル「冗談は、これくらいにして…そろそろ真面目にやりましょ」
ハジメ「スマン…」
リップルに睨まれ、謝りながら半分変身しかけのスカートを脱いで、ズボンに履き替える部長。
その様子を見ていた窓の外のUFOは、機体から乳牛を次々と光線に乗せて、地面に落っことしていった。
牛「ンモォ(痛い)〜!」
〈第3話 晴れ時々タコ焼き〉
ケン「大変な事が起こった…」
リップル「そう…予想はしてたケドね」
何部の部室で、いつになく深刻そうな顔のふたり。
ハジメ部長が頭から血を流し、部室の中央で倒れていた…その手元には、ダイイングメッセージが。
[犯人は、仁志アキ]
リップル「コレを見て」
ケン「本当だ、パックリ割れている」
リップル「まさかね…」
彼等の見つめる机の上には、木の船に乗ったタコ焼きがあった。
ケン「そうなんだ…タコじゃ無くて、コンニャクが入ってた」
リップル「ゆゆしき事態ね…」
アキ「ヨイショッと」
勝手に盛り上がるふたりを横目に、アキは倒れたハジメを肩に担ぎ、立ち去って行った。
そして、シャベルで校舎裏に穴を掘る…
ドサッ!ズシャッ、ズシャッ!
そこにハジメを落とし、上から土をかける。
アキ「あ〜、いい天気。ファン裏切って結婚したアイドル達が、地獄に堕ちますよ〜に、パンッパンッ!」
柏手を打って、手を合わせ…お辞儀するアキ。




