第一夜 赤と青に染まる街③
これで1話目終わりです!
ずるずる、と何かを引きずる音が聞こえる。
「ん…?」
朱殷は音のする方へ目線を向けた、蔚藍だ。
倒した男達の襟元を両手で掴み、引きずって歩いていた。
「蔚藍!」
朱殷は先ほど男に魅せた笑みとは違う、無邪気で可愛らしい笑顔で蔚藍に手を振っている
。
それに気づいた蔚藍は少し小走りになりながら朱殷の所へ向かう。
「ごめん…1人逃がした。」
しょげている。
朱殷は首を傾げる
「んー?ここにいるじゃん。」
伸びている男に目線を向けた
「……そうだね。」
自分が引きずっていた男達に視線を向け
「2人は生きてると思う…たぶん。」
「コレは逃げちゃったから撃っちゃった。」
「そっか!全滅じゃないし大丈夫でしょ。」
引きずられてきた男達を覗き込む。
「あ、肉まん!蔚藍の」
男を投げる時も持っていた肉まん渡した、
少し凹んでいる。
「うん、……冷めちゃってるね。」
「ワタシは温かいうちに食べちゃったもんね〜!」
「ずるい……」
「冷めてもおいしいでしょ!食べたら尋問室行こ〜」
「ん…」
頬張りながら小さく応える
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朱殷に投げられた男達の中で1番軽傷で済んでいる男が目を覚ました。
「どこだここ…?」
自分は薄暗く、柱に縄で縛られているようだ
「あ、目覚ましたー?」
「!?ヒィッ…」
朱殷の声に瞬発的に怯えた。
「ひっど〜い!」
朱殷は不満気な声を出した
「ここは、尋問室で〜す!」
「質問をするから答えてね!嘘や黙秘すると痛くしないといけないから素直におしゃべりしよ〜ね。」
「…って蔚藍!まだそいつら起きないの〜?」
「……さっきから叩いたりしてるんだけど、」
「そっか〜まぁ、コイツが全部話せばいいだけだしね!」
男はもう1人足りないことに気づく
「――あいつは?」
「ん?あ〜お仲間ならそこに転がってんじゃん。」
「…へ?」
男は視線を下に向けた、そこには数刻ほど前には喋っていたはずの変わり果ててしまった男の死体があった。
「あ、あぁ……」
男は恐怖で震える。自分もこうなるのか、下半身にシミができていた。
「た、頼む!知ってることは全て話す!」
「だ、だからっ、こ、殺さないでくれ!」
顔も涙と鼻水でグショグショだ。
「え〜まぁ、いいけどぉ〜」
面倒くさそうに朱殷が言う
「…私、必要なさそう。撃たれた子のとこ行ってくるね。」
「え〜、こんなとこに1人とかヤダ〜。」
「…早く終わらせてね。ボスへの報告があるかもなんだから」
そう言い、蔚藍は部屋から出る。
「じゃっ!そーゆーことだから早く済ませようね〜。」
「はっ、はい!」
2人による無意識にも恐怖を植え付けたことで、つつがなく尋問は終わったという
「おつかれワタシ!さっ、蔚藍のとこ行こーっと。」
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蔚藍はこの組織お抱えの病院に向かう。
受付にて
「蔚藍様、どうされましたか?」
「撃たれた子、来なかった?」
「様子見に来たの…」
「来てきますよ、ご案内します。」
「うん…」
部屋の前まで案内された。
お礼を言い、病室の扉を開ける。
部下は――20ぐらいの青年 廉はベットの上に座っていた。
蔚藍に気付き立とうとするも止められる。
「蔚藍様!?」
「様子、見にきた……平気?」
心配そうな水色の瞳に廉が映る。
人懐っこい笑顔で廉が応える
「さすがに痛みますけど、大丈夫です!」
「貧血気味になっちゃったんで今日は入院ですけどね。」
その言葉に蔚藍は安堵する。
「…そっか、良かった。」
「……本当に凄いですね 蔚藍様も朱殷様も。」
「俺なんか反撃できなくて…、このザマですから。」
自嘲気味に廉は笑う
「……鍛錬、あるのみっ!」
蔚藍はそう廉に言った。
蔚藍なりの励ましの言葉なのだろう。
「蔚藍様……」
「そうですよね…!強くなるには鍛錬ですもんね。」
蔚藍に気を遣っていたのか、本心なのかは分からないが先ほどより声に元気がのっている
「…じゃ、帰るね」
「ゆっくり休んでね」
「はいっ!ありがとうございました。」
と蔚藍に頭を下げる。
蔚藍は病室を後にする。
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病院を出ると、朱殷が待っていた。
「情報、聞き出せた?」
「んー、聞いたっちゃ聞いたけど下っ端だからそんないい情報ではないんだよね〜」
「でも、朝になったらボスに報告しとかないと〜」
夜はまだ続く。
「巡回、戻ろ?」
「うん!」
紅藍街の夜は本日もまた平和を取り戻した。
お読みいただきありがとうございました_(._.)_
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