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誰が悪女を愛したか  作者: 十返香
婚約破棄後の冬

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24/32

名のない指示

——実務指示控え 夜半付


 南門受入れ分、寝台三、毛布六を北倉より先出し。

 工房貸付は予定どおり週割り継続。

 織布反物は炊き出し袋向けを優先し、式典用在庫より差し替え可。

 なお、差配名の記載なし。

 ただし、文言と順序は伯爵令嬢エレノア・ヴァレニウス案に近似。



——帳場走り書き


「誰の指示だ、これ? 夜半に回ってきたんだが、名前がどこにもないぞ?」

「署名がないのに通すのか、って聞きたい顔だな」

「? ……当たり前だろう」

「黙って通しとけ。でないと朝に間に合わないぞ。こんな無駄のない指示を書ける方は一人しかいないだろ?」

「……はぁ。あの方のご指示か」

「分かったら黙って働け、働け」



——筆跡不詳紙片


 人を止めるな。

 倉を閉めるな。

 見かけの数ではなく、朝に届く数で間に合わせよ。

 遅れた分は南門から先に埋めていくこと。



——倉番聞き書き


「えぇっ!? こんな夜更けに倉を開けるんですか?」

「そうよ」

「……あのぅ、命令書は――」

「それはこの後に書いておくから。いいから、先に手を動かしてちょうだい」

「ですが、誰の許可で——」

「朝には届くようにするわ。でも毛布は朝まで待てないの。南門で震えている人がいるのよ。だから、早く……!」



——北倉追記控え


 北倉第二列、明朝より先に開けよ。疾く、住人へ届けるのだ。

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