神は善人よりも悪人を愛す
千紗都「発射!」
顔の前の警棒の先が千紗都の声に反応し射出される
だがその攻撃は避けられてしまった
千紗都「は?」
決して速度が遅かったわけではない
千紗都の狙いが悪かった訳じゃない
人間の反射神経で避けれる範疇を超えている
なのに避けられた
理由は単純
相手は外側は人間だが体の主導権は異能力になっているから
この攻撃を避けなければ『手加減するな、殲滅しろ』の命令を遂行できないと異能力が判断し避ける選択肢をした
千紗都「げ、ゲート!」
手持ちだけになってしまった警棒は使い道がないので新しい武器を取り出そうとする
が前腕を踏まれる
千紗都「がぁ!?」
顔を殴られる
千紗都「…ッゴハ」
反撃の体力も希望もない
殴られ続ける
千紗都「…ゲハ…グ…ッカハ…!」
このまま死ぬな…
全く…よく当たる占いだ
走馬灯が流れる
クソみたいな親、クソみたいな環境、クソみたいな人生…
だけどいろいろあったな…
冷と出会ってから楽しかったし殺人も無くなったし学校もまともに行くようになった
友達とゲームして…しょうもない話で時間潰して…
楽しかった思い出を思い出す
…………死にたくねぇな…
俺が殺した人もこんな気持ちだったのかな
冥界があるらしいけど天国と地獄はあるのかな?
有っても沢山人を殺したから地獄行だろうな
呉羽の隙間から夜空が見える
あぁ奇麗だ
今日はペルセウス座流星群が見れるんだったな
時間的には早めだが、山上なのと街灯が少ないのでしっかり見える
夜空を見続ける
…今なら正当防衛だな
俺も防衛本能に身を任せ—
千紗都「……………アッハハハッハ!今まで分の天罰ってか!」
思わず笑いが出てしまった
呉羽が異変に気づき殴る手を止めた
千紗都「やっぱりこの能力は割に合わねぇな!」
小さな流星群がこちらに落ちて空中で割れて欠片が降り注いでいる
宝くじ一等より高い確率の隕石直撃が起こる気がする
いや、確実に起こる!
千紗都「オラ!神!どうせ俺の元に落ちてくんだろ!?」
呉羽が上を確認し事の重大さに気づいた
千紗都「逃がすかよ!」
足と服を掴む
千紗都「散々殴って、殴られてる状況!互いに体力が底をついてる頃合いだよな!」
呉羽も逃げようとするが千紗都の全体重53kgが持ち上がらない
千紗都「体力が無いうえに肉体強化もねぇんだ!持ち上がらねぇよな!?」
呉羽が殴って剥がそうとする
千紗都「離すかよ…!」
覚悟が決まった千紗都を離せない
千紗都「ゲェートォ!」
当たったら確実に死ぬ腹中央と顔にゲートを生成する
千紗都「さぁ賭けだぁ!」
ゲートが無い確実に死ぬ部位に当たるか、手足のように即死ではない場所に当たるか、ゲートに吸い込まれるか、そもそもゲートに収まるサイズであるか
千紗都「来ぉい!隕石ぃ!」
千紗都の読み通り最初に呉羽の胸に穴が開く
呉羽を貫通した後…
ゲートに吸い込まれた
呉羽が力なく倒れ込む
千紗都「俺は直撃せずにに生きてる!」
勝った!!
千紗都「隕石直撃分の不運は宝くじ一等とコレで相殺ってか…!?」
相変わらず割に合わないなぁ…
呉羽をどかし傷を確認する
千紗都「胸に直径5cm程の穴…」
何もしなくても確実に死ぬな
千紗都「聞こえてねぇかもしれないが教えてやるよ、女神は俺に微笑むんだよ」
呉羽は表情含めピクリとも動かない
千紗都「若葉は…?」
立ち上がり周りを見渡す
が直ぐ倒れてしまった
千紗都「…しんど」
若葉来るまで倒れてよ
川崎呉羽VS鑑千紗都
鑑千紗都の勝利
決まり手:隕石の直撃
時はさかのぼり抗争開始から42分時点
若葉「俺らは怪異担当か」
白装束の怪異と対峙する
若葉「とっておきの頼むぜ」
若葉が守護霊に武器を要求する
しかし守護霊は出し渋る
若葉「もしかして異能力の名前が欲しいのか?」
ピエロが頷く
若葉「仕方ねぇな………………道化師からの不思議な贈り物で」
ピエロが不満そうだ
若葉「早く出せよ」
ピエロがまだ出さない
若葉「技名みたいに言ってほしいのか…?道化師からの不思議な贈り物!」
ピエロが渋々出す
若葉「さてはお前名前に文句があっただけだな!?」
夜行「ねぇ、もういい?」
律儀に待っていてくれたようだ
若葉「あぁすみません、お待たせしました」
夜行「ソレ…開けなくていいの?」
若葉「あ、お恥ずかしい」
怪異に言われてやっと包装を剥がす
今度は謎の液体入りの瓶が入っていた
若葉「どっちだ?」
飲むべきか、投げつけるか
いや…今の科学の次元で考えるべきではないな
若葉「もういいですよ」
これ以上待たせるのは罪悪感が湧く
夜行「そう…愚者が造った千手観音!」
ヒタ…
若葉の頬に手が触れる
若葉「わあ!?」
その手は血色が悪く少し濡れていて冷たい
若葉「何!?」
足元を見ると無数の手が生えている
若葉「キモイ!キモイ!キモイ!」
手から逃げる
若葉「ピエロ!お願い!」
ピエロが夜行に向かっていく
夜行「最初見たとき仲間かと思ったよ」
ピエロが蹴り掛かる
その蹴りを受け止める
夜行「力強いね、守護霊ってこんなもんなの?」
ピエロが回し蹴りをする
夜行は今度は避けた
夜行「おしゃべりが嫌いと言うより…喋れないって感じかな」
夜行は能力ではなく自分の拳で対抗する
若葉「ピエロに意識が言ってる内に…」
この液体は何か…
少し垂らしてみる
若葉「…既存の液体か」
液体の正体が分かったようだ
若葉「後の事は考えないでいいや」
瓶を怪異に投げつける
瓶自体は夜行から生えた手にキャッチされた
だが液体は夜行とピエロに掛かった
夜行「なにこれ!?」
若葉「俺のジッポで良かったわ」
愛用のジッポライターを火をつけて投げる
ピエロは液体の正体が分かっているため逃げる
夜行もソレを見て逃げる
だがライターが当たる前に2人とも液体が掛かった部分が青白く燃える
若葉が投げつけた液体はスピリタス
度数96%の悪ふざけみたいな酒だ
令和の日本の夏の気温と湿度ではスピリタスは垂らしただけで蒸発してしまう
だがその特性で液体が何か気づけたし、ライターが当たらずとも揮発したアルコールに引火した
若葉「やっぱりスピリタスか」
やったは良いけど山火事になりそう
若葉「どうしよ」
ピエロは顕現を解除することで火ごとなかったことにし消火した
夜行は大量の少し濡れた手を燃えてる部分に覆いかぶせることで窒息消火と似たような事をする
若葉「消えて残念なような嬉しいような」
少なくとも山火事は無くなった
ピエロが再び顕現する
ピエロが言葉を発しないが問い詰めえる
若葉「お前が渡したものだぞ」
ピエロが絶対に文句がありそうな感じを出す
若葉「文句があるなら変な物は出さないでくれよ、おら!道化師からの不思議な贈り物!」




