お家の収納
「『浮遊』!」
私がそうスキルを唱えると、目の前に操縦レバーと操縦ボタンが出現した。
『浮遊』は頭の中で思い描くだけで操作対象を指定できる。
私は家を『浮遊』で動かしてみることにした。
以前、デッカい真珠を『浮遊』で動かして、リュックに収納したことはあるけれど、家ははじめてである。
大きさ的には以前手に入れたバカでかい真珠と大差ないけれど、正直やってみないと出来るかどうかわからないな、と思うくらい、少し不安だった。
私は水平方向の操縦レバーと、垂直方向の△▽の操縦ボタンを使って、家を持ち上げ、リュックに近付けて行った。
すると。
「ゴーー!!」
近くにいたゴーちゃんが動き始めた。
応援してくれているのだろうか。私は家の操縦に集中していたので、ゴーちゃんの方へあまり注意を払っていなかった。
次の瞬間。
私が『浮遊』でぷかぷか浮かせていたはずの家が突然消えてなくなった。
「うわあっっ!?!!?!!?」
私はびっくりして、思わず声を上げた。
「い、家が..........!!!」
「お、俺のマイホームが!!!!!!」
両親も急な出来事に驚いて、目をぱちくりさせている。
「ゴー!!!!」
家が消えた場所には、ゴーちゃんが立っていた。
手には『転移布』を持っている。
「って、ことは、もしかして.....」
この布の上に置いた物は『転移布』の効果によって、リュックの中に転移する。
私は急いでリュックの中を確認した。
『魔眼』を使うことで、リュックの中のアイテム一覧を表示させる。
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【リコちゃんのお手製リュック】
マジックバック Lv.∞ 大きさ 無限大 収容アイテム数 23656個
・鹿の角 ×456
・猪の牙 ×35
・毛皮 ×42
・木材 ×12
・家 ×1
・
・
・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あ、家、入ってる!」
私がそう言うと、父が近寄ってきた。
「本当か!」
私は「家」と表示されている部分を指でタッチした。
すると。
リュックの中から三角屋根のてっぺんがにょきっと出てきている。
私はそれを『浮遊』で操縦し、再び元の位置へと戻した。
これは、便利だな。いちいち『浮遊』を使わなくても、転移布さえあれば一瞬で家をリュックに収納できる。
「ゴーーー!!!」
褒めて褒めて!とばかりに喜ぶゴーちゃん。
「ゴーちゃん、転移布で家が収納しやすくなった事がわかって助かったよ!」
「ゴーーー!」
ゴーちゃんは褒められて嬉しそうにしている。
「でも、急に何かが起きると驚いちゃうから、次からは誰かに伝えてからお願いね!」
「ゴー!」
了解です!とばかりにゴーちゃんは敬礼して返事をした。
私はゴーちゃんの背中あたりをぽんぽん、と叩いた。
ゴーちゃんかわいいなあ。
「やー!付き合ってくれてありがとうな!どうしても家が作りたかったんだよ!!!」
父は満足そうに言った。
「家まで作れるなんてすごいわね〜」
「何でも作れるなあ〜〜」
「もっと大きな家にしても良かったんだがなあ」
父はウーンと唸りながら言った。
なんだかんだで夢のマイホームを手に入れた私たち。
拠点となる家を手に入れたことで、より豊かな生活を送れるようになった。
こうして私達は、このフルーチカ王国を出発する準備を着々と整えていったのだった。
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