旅立ちの日
私達は王国のお城から出た後は、国内の別のホテルに泊まりながら家づくりをしていた。
実際半日程で家は完成したのだが、つい装飾等にこだわりたくなってしまったせいで、街中で小物を買ったり、そのついでに寄ったお洋服屋さんで服を買ったりしていたら、なんやかんやで数日が過ぎていた。
その間もゴーちゃんはダンジョンに出かけていて、私たちの代わりにモンスターを倒し、アイテムを収集し、父のリュックの中に転送してくれていた。
そうして今度こそ本当に、この王国からの旅立ちの日が近づいてきていた。
私達が朝の支度を整え、宿から外に出ると、宿の外に2、3台ほど馬車が止まっていた。
「こ、これは........?」
金ピカの装飾が施された、豪華で高級な馬車である。
従者がドアを開けると、中から人が出てくるのが見えた。
それはフルーチカ王国の王女様だった。
「おっ、王女様.....!?なぜここに......」
「今日この国を発たれるとお聞きしましたので、最後のご挨拶に伺いました」
馬車の影に隠れていたのか、奥の方から騎士の二人と、バズーカおばあちゃんも出てきた。
「おっおっ、お見送りいただきまして誠に光栄......?ありがたく......?ぞんじます!!!!!」
私は慣れない敬語でしどろもどろに言った。
「坂上様の旅のサポートに、馬車をご用意致しました。サカナン王国までお送りさせて下さい」
「えええっ」
「い、良いんですか?」
散々ベッドやらカーテンやらお皿やら貰っているのに、さらに馬車までくれるなんて。
こんなに豪華な馬車に乗れる機会もそうそうないだろう。
私達は王女様のご好意をありがたく受け取ることにした。
「ありがとうございます、嬉しいです!」
すると金髪騎士が前に出てきて、私たちの前に膝をついた。
「坂上様の旅に幸運がありますことを心から願っております」
「またどこかで会ったら、バーベキューしようね!」
「ダンジョンの外で行う分には、喜んでお供させていただきます」
金髪騎士は苦笑いを浮かべながら言った。
「それから、これを」
王女様は小包のようなものを私に手渡した。
「HP回復薬や、MP回復薬が中に入っています。どれもバズーカばあやが作った一級品ばかりです」
王女様がそういうと、バズーカおばあちゃんは滅相もない、とばかりに頭を下げた。
「バズーカばあや?」
バズーカおばあちゃんは昔王国騎士団に所属していたらしいので、その時に関係性を深めたのだろうか。
思った以上に王女様とバズーカおばあちゃんは仲が良いようだ。
そして。
「あああああああずびばせんずびばせんんんん」
「うるさい!静かにしなさい!!」
筋肉むきむきメイド長がメイドのサクラを引き連れて現れた。
するとその様子を見て王女様ははあ、とため息をついた。
「サクラ、また寝坊ですか。」
「すびばぜんすびばせんんんんん!」
「まったく、しょうがない子だねえ」
「うううううううううう」
「いつになったらこの子は成長するんでしょうか...」
王女様は頭を抱えている。
メイドのサクラはぺこぺこと頭を下げ続けていた。
「坂上様、旅の御武運を願っております。どうか、お気をつけて」
王女様は改めて私たちにそう言った。
「ありがとう!」
「ありがとうございます!」
「王女様も、お元気で〜」
「だあーっ!」
「ゴー!」
こうして私達は王国が用意してくれた馬車に乗り込み、出発した。
王女様たちは私たちの姿が見えなくなるまで、いつまでもいつまでも手を振ってくれていたので、私たちも窓から顔を出して、いつまでも手を振った。
目指すはお魚の国、サカナン王国である。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!
評価、ブクマ、感想頂きとても嬉しいです。
これにて三章完結となります。
もしよかったら、
【評価】と【ブクマ】を頂けると幸いです!
広告下の☆☆☆☆☆からポイントを入れて応援して下さい!




