ぼーっとしちゃう
王女様の舞を見た後、私は暫くぼーっとしていた。
周りにいた観客の方々もだんだんと散り散りになって行く。
先日は沢山の人が私たちに挨拶しに来てくれたのだが、王女様に何か指示があったのだろうか、今日は誰からも話しかけられなかった。
「カエデ、大丈夫か?」
そう言って、私の肩を誰かがぽんっと叩いた。
私はビクッとして振り返る。そこには、心配そうに私の顔を見つめる父の姿があった。後ろにはリコのベビーカーを押した母と、ゴーちゃんもいる。
「な、なんだ、お父さんか」
「なんだとはなんだ、なんだとは」
「神さまがね、いたの」
私は何をどうやって話そう?と考えながら、ゆっくり話し始めた。
「何故だかわからないけど、神さまがここにいて、私に言ったの。サカナン王国に行けって」
「サカナン王国?」
「お魚の国なのかしら〜」
「確かに魚っぽいな」
私達がサカナン王国の話をしていると、むきむきメイド長がゆっくりと近づいてきた。
「ねえ、サカナン王国って、知ってる?」
私はメイドの二人に話しかけた。
「もちろん。漁業や造船業で有名な王国でございます」
「わあ、やっぱりお魚なんだ」
「サカナン王国に向かわれるのですか?」
「うん、そうしようかなと思ってる」
「ここからサカナン王国へ向かうには、峠を越えなければなりません。長い旅になります」
むきむきメイド長はどこからか簡単な地図を取り出して、サカナン王国の行き方を説明してくれた。
バインダーのような板に地図を挟み、ペンを片手に持っている。
本当にどこから出したんだ.....。
サカナン王国までは普通に行くと、馬車で1週間程かかるらしい。
道のりは何パターンかあるらしく、それぞれに線を引いて、目印となる場所や名所的なものまで、事細かに書いてくれた。
「何か必要な物が有りましたら何なりとお申し付けください。私達は坂上様の旅を全力でサポートいたします」
「ありがとう!準備を整えたら、出発するよ」
こうして、私達の今後の目標はあっという間に定まっていった。
それと同時に、このフルーチカ王国で過ごす日々に、段々と終わりが近づいていたのだった。
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