王女様があらわれた!
「私は全ての行事にご招待は致しましたが、決して強制したつもりはありませんでした。こちらの伝達不足で、ご負担を与えてしまい申し訳ありません」
王女様はそう言って私たちに頭を下げた。
「いっ、いやっ、だだだ大丈夫ですよ!?!!?」
「あたまをっ...頭を上げてください!!!!!」
「ぜ、、全然俺たちは平気です!ピンピンしてるよなあ!?!!?」
目上の人に頭を下げられてキョドる私たち。
この国ではもはやスタンピードを始末した英雄の筈なのに、威厳も何もない。
「すっ、すみません王女様.....私、わたし.....」
王女様はメイドさんの肩にぽんっと手を触れて、優しく微笑んだ。
「ほんと、ドジなんだから」
「王女様あああ.....」
メイドさんはそう言って王女様に抱きついた。
「うえええええええ」
「よしよし」
メイドさんは王女様の胸の中でぐすんぐすんと泣いている。
そんなメイドさんの頭を王女様は優しく撫でていた。
「え、ええっと....」
「ずいぶん仲が良いんだな」
とても王女とメイドの関係には見えなかった。
「私とサクラは幼い頃から一緒にこの城で育ってきて、王女とメイドの関係ではあるけれど、私にとっては大切な友達なんです」
「お、王女様.....!」
「だからちょっと甘やかしてしまうんです、今回も分不相応な仕事を与えてしまって、結果的に坂上様にご迷惑をお掛けする形に...」
「ま、まあそんな迷惑ってほどじゃあ...」
すると王女様は胸に抱きついているメイドさんをバッと引き剥がした。
「んなっ!?」
「このままではいけませんね」
「!?!!?!?!?」
「かわいそうだと思って避けていましたが、貴方をマーガレット・サーメイド長の下に配属に.....」
「やっ、やめてください王女様、それだけは!!!!!」
「お呼びでしょうか、王女様」
ばっ、と振り返ると、そこには身長2メートル程もありそうな、メイド服姿の筋肉むきむきな女性が立っていた。
王女様に向かって軽く頭を下げている。
「ぎゃあああああああああ!!?!!?!?」
するとむきむきメイド長はメイドのサクラの頭を鷲掴みにした。
「お客様の前で叫ぶんじゃないよ!!!!!」
「ひぃいいいいいいいい」
叫ぶんじゃない、という割にはむきむきメイド長だって結構な声量で叱りつけている。
「サクラを...任せても良いですか?」
「お任せください。命に変えても、立派なメイドへと成長させてみせます」
「お、お許しください、お許しくださいいいいいいいい」
「宜しく頼みます」
「御意」
むきむきメイド長はメイドのサクラの頭をむんずと掴んだまま一礼し、部屋の外へと去っていった。
急に色々起きすぎて、思考がついていけない。
廊下の外からはずしん、ずしんという足音と、二人の叫び声が聞こえてきた。
「やっと王女様の許可が降りたんだ、ビシバシやるよ!」
「ひええええええええ」
果物の国だからファンシーな国だと思っていたのに、実際はなんだかバイオレンスな国なんだなあ。
王女様は私たちの方へ向き直り、再び言葉を紡ぎ始めた。
「まだ式や催しは続きますが、坂上様達のご意志を尊重致します。もし出席されるようでしたら、お召し物の準備をしますのでお申し付けください。ただ.....」
「ただ?」
「明日の夜の催しには、是非出て頂きたいのです」
「明日の夜?どうして?」
「わ、わたくしが.....舞を披露致しますので.....」
自分から見て欲しいという割に、モジモジして恥ずかしそうに王女様は言った。
かわいい.....これは、是非見に行かねば。
「じゃあ、明日の夜の催しには行って、その次の日この国を出ようか」
「そうね〜もう、この辺りのダンジョンはクリアしちゃったし、そろそろ次の国に行ってもいいかもね〜」
「んだあー!」
お、リコが起きたようだ。リコも元気よく返事をした。
「そうして頂けると、有難いです。舞を見られるのは、照れますが.....」
もじもじする王女様。
舞を見て欲しいんじゃないのか、この人は。
王女様は一通り話し終えた後、再び公務へと戻っていった。
それにしても、なんだか忙しない一日だったなあ。
そうして、この国で過ごす時はだんだんと終わりを迎えようとしていたのだった。
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