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おいしい軽食


「お待たせしました!!!!」


メイドさんが扉をばばーんと開けて、勢いよく中に入ってきた。


その音に驚いて、私達一家は一斉にドアの方へ振り返った。



メイドさんが部屋に入ってくるのに続いて、何やらカートを押した人がぞろぞろと列をなしている。


金のカートには白い布が敷かれ、その上には沢山の食べ物が乗ったお皿。



こんもりと大量の食べ物が乗ったお皿が、どんどん、どんどん....



どんどん、どんどん.....



お、多すぎる...



「こんなにいらないよ!!!」



「最高のおもてなしをさせて戴きます!!!」


「こんなにいらないって!」


「多すぎるよ!」



「坂上様のお好きなものがわかりませんでしたので、ありとあらゆる料理をご用意させていただきました!!!!!」



軽食って.....軽食って、言ったじゃん!!!




そうこうしている間に、部屋が埋まりそうなほどどんどん料理が運ばれてくる。


お肉料理が多いみたいだ。あとはパイとかスープとかサラダとか。



美味しそうなフルーツケーキもたくさん並んでいる。


カラフルで色とりどりの料理が並ぶと、私は豪華だなあと感じた。



「これ、なんでも食べて良いの?」


「もちろんです!」


量が多すぎるのはさておき、こうも美味しそうなものが並ぶと食欲も増してくる。


私は近くにあったケーキをフォークで一口、ぱくりと食べた。



「う、うま!?!!?!?!?」



私は思わず叫んだ。


これは.....。えげつないくらい美味い。


口いっぱいに果実のジューシーな味わいと香りが広がり、余りのジューシーさに溺れてしまいそうだった。



「こっちもめちゃくちゃ美味しいぞ!」


父もフォークを手に取り、ぱくぱく食べていた。



「ンゴーっ!」


ゴーちゃんは大きなお皿を両手で持って、料理を自身の口に直接流し込んでいた。


「ご飯食べるんだ、ゴーちゃん...」


「ゴー!」



一方、母はと言うと。



「こっ、ここにある料理全てのレシピを教えて戴きたいのですが!?!?料理長......料理長はどちらにいらっしゃるのですか!?!!?」



近くにいたメイドさんの襟首を掴んでぶんぶん振り回しながら興奮して話しかけていた。



「おっ、奥さま....やめておくんなまし.....」



母にぶんぶん振り回されるメイドさん。



「め、目がまわる.....」



「お、お母さん!そんなに振り回していたら、また倒れちゃうよ!」


すると母はハッとして、メイドさんを振り回していた手を止めた。



「ごっ、ごめんなさい、余りにも美味しすぎて、我を失ってしまって.....」


「い、いえ、喜んでいただけてなによりですううう」


メイドさんはふらつきながらも、何とか倒れずにその場に立っていた。


「ところで、これ、どうしよう?」



目の前には大量の食べ物。流石にこの量をお残しするのは気が引ける。


「お持ち帰り、なんて出来ないかしら?」



するとメイドさんは瞬時に反応してピッと敬礼した。



「お持ち帰りですね!かしこまりました!」



そしてメイドさんがぱちん、と指を鳴らすとドアの外から従者が大量に現れた。

手には何やら箱のようなものと、トングを持っている。


そして次から次へと料理を箱の中に詰め込んでいった。



「おおお.....」


そうして、目の前にあったたくさんの料理は全て大小様々な大きさの箱の中に収まり、目の前に箱の山が出来たのだった。



「は、はやい...」


早すぎて何が起きたのか一瞬わからなかった。



「わたくしたちは迅速に職務をこなせるよう日々訓練しておりますので!」


「そうなんだ...」



「しかし、いくらお持ち帰りとはいえ、これだけ大量のお食事をどうなされるおつもりなのですか?」


きょとん、とした顔で尋ねてくるメイドさん。


「この状況を疑問に思う事はできるんだね...」



すると、父はリュックを取り出して、箱を一つ一つリュックに入れていった。


ゴーちゃんも『転移布』の上にせっせと箱を乗せて、リュックに転移させている。



「えっ、えええええええ!?!?」



みるみるうちに料理が入った大量の箱は父のリュックに収まっていった。



「み、見た目と容量が全然違うのですが!?!!?」


「マジックバックだからね」



「それにしたって....いくらなんでも、こんなに大量の物が収まるマジックバックだなんて、聞いたことがありません...」


メイドさんは目をぱちくりさせて驚いていた。



こうして私たちは、メイドさんにたっぷりおもてなしを受けて、たくさんの美味しいご飯を手に入れることに成功したのである。



それにしてもなんだか全然休まらないなあ。



日も傾いてきた事だし、私たちは寝る支度でもしようかな。

私達は一度家族だけで過ごさせてほしいとメイドさんに頼んで、退室して貰うことにしたのだった。

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