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おせわががり?


「す、すびばせん.....」


メイドさんがばたーんと倒れた後、私と母は魔法をかけた。


ほぼ同時にかけたせいで、『キュア』が効いたんだか『ヒール』が効いたんだかわからなくなってしまったが、とにかくメイドさんは回復したようだ。



メイドさんはむくっと起き上がったと思いきや、めそめそと泣きはじめた。

そして、いま彼女は泣きながら私たちに謝っている。



「ど、どうしたの、どうして泣いているの......」


「坂上様のお世話係が、私にとってはじめての従者代表としてのお仕事だったんです、緊張して、緊張しすぎて、息を吸うのを忘れてしまって......」



ぐすっ、ぐすっと泣きながらメイドさんは言葉を紡いでいた。



「な、何も泣かなくても...」


「私たちは気にしてませんから、ね?元気出してください〜」


母がメイドさんの背中をさすりながら励ました。


「初めての大仕事なら、そら緊張するよなあ」



気付けば私たちのお世話をする筈のメイドさんを、私たちがお世話している。


これでは立場が逆である。



「す、すびばせん、不甲斐なくて.....」


母がハンカチを差し出すと、メイドさんはずびーっと鼻をかんだ。

ひ、人のハンカチで、鼻をかむなんて.....



いや、ここは異世界。ハンカチで鼻をかむのがこの世界では常識なのだろうか?



「ぐすっ、ぐすっ...」


「だ、大丈夫だよ、そんなに泣かなくても...」


「でっ、でも...!」


「次から気を付ければ良い話なんだから、そんなに落ち込まないで」


「す、すびばせん、すびばせんんん....」



メイドさんは大粒の涙を流しながら座り込んでいる。なんだか見てるだけで可哀想になってきた。


すると母が口を開いた。



「あ、あの、私たち、ちょーっと小腹が空いていて。もし可能なら、何か軽食を持ってきてくれたら、嬉しいのだけれど〜」



母がそう声をかけた途端、メイドさんはしゅぴっと立ち上がり敬礼した。



「おっ、おおおっお任せください!!!すっすぐに用意致します!!!」



びゅーーっと部屋を横断し、扉を開けて外に出て行ったメイドさん。



「元気だなあ」


「若いっていいわね〜」



ふと目をやるとゴーちゃんがリコを抱えながらゆさゆさと揺れている。

ゴーちゃん、子守も出来るのか。有能だな。



こうして、ばたばたとした接客を受けた私たち。


メイドさんが軽食を持ってくるのをじっと待つ事にしたのだった。

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