魔物の大群
ダンジョンから、王国へ向かう帰り道。
突然、警報のような大きな音が鳴り響いた。
続いて、女性の声での警告が聞こえる。
『国民の皆様に警告です。スタンピードが発生しました。繰り返します。スタンピードが発生しました』
これ、どこから聞こえているんだろう?
私はきょろきょろ辺りを見渡すが、スピーカーらしきものはない。どこから音が鳴っているんだろう。魔力を動力にしたスピーカーがあるんだろうか。
「スタンピードって?」
母は不思議そうに尋ねた。
「魔物の大群の暴走のことだよ、お母さん」
『王国への予想到着時刻は約1時間後です。防壁外にいる方は速やかに中に避難してください』
「どうする?避難するか?」
「ちょっと待って!」
私は『望遠鏡』を取り出した。
遠くの方に、魔物の大群が見える。
「ゴブリンにオークに、牛みたいなやつ、オオカミみたいなやつ...」
望遠鏡を覗くと、大小様々な魔物の大群が大量に移動してきているのがわかった。
まあとにかく、強そうなのがいっぱいいるということである。
「あっ、あれ、さっきの騎士じゃないか?」
父が下の方を指差して叫んだ。
「バズーカおばあちゃんもいるよ!?」
少し離れたところに、バズーカおばあちゃんもいる。
3人ともスタンピードに向かって全速力で走っている。
「おばあちゃんが言ってた、魔物の調査ってこのことだったのかな」
「あんな大量の魔物相手に、無茶だ!」
「助けに行こう!」
私は望遠鏡を覗きながら叫んだ。
「空を飛ぶ魔物はいないみたいだから、空から闘えばダメージを食らう確率は減るはず!」
急がないと、三人が死んでからでは遅い。
とりあえず移動しながら策を練ろう。私は両親の同意も聞かずに魔物の方へ進みだした。
「闘うって、何か案はあるの?」
「ない!」
「な、ないんだ...」
「でも、このまま3人をほっといて、もし死んじゃったらいやだもん!」
空中から闘う分にはリスクは少なめだし、もし本当にピンチになれば『テレポート』もある。
MPさえ気を配ればきっと死ぬことはないだろう。
「まあそうだな、でもあくまで無理はするなよ!」
「自分たちの命を守れる範囲でね、カエデ!」
「りょーかい!!!」
そうして私たちは何の策も浮かばぬまま、魔物の大群に向かって進みだしたのだった。
もしよかったら、
【評価】と【ブクマ】を頂けると幸いです!
広告下の☆☆☆☆☆からポイントを入れて応援して下さい!




