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美味しい湧き水


王国騎士団の2人が立ち去った後、ゴーちゃんが申し訳なさそうに近付いてきた。


「ゴー...」


ゴーちゃんは視界に人間の姿が見えると、動作を停止してしまう。

騎士の2人を引き止められなかった事を悔やんでいるようだった。


「大丈夫だよ、何もなかったから」


金髪騎士は私たちに魔法を放っているので、何もなかった訳ではないのだが、まあ最終的に一緒にお肉食べたので結果オーライなのである。


私たちは再びダンジョンの先へと進みだした。


すると、近くで水音が聞こえた。


「あれ、なんかある?」


私はゴーちゃんの肩の上から辺りを見渡した。


「あれ、湧き水かな!?」


私たちは音の鳴る方へ近づいていった。

そこには、透明で美しい水がとめどなく流れる湧き水があった。


「ちょうど喉が渇いていたんだよ!」


父はためらいなく湧き水を手ですくって、口に含んだ。


「う、うまい!!!」


「ちょ、お父さん!?」


「ん?なんだ?」


私は昔、父が言っていた事を思い出していた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いいか、カエデ!もし山で遭難したとしても、湧き水をそのまま飲むのは危険だ。必ず煮沸させるか、濾過をしてから飲むんだ。わかったか?」


「わかったよーパパ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


しかし、それを言った当の本人が、私の目の前で何の処理もしていない湧き水をごくごくと飲んでいる。


だ、大丈夫かな。異世界の、しかもダンジョンから湧き出た得体の知れない水をノーガードで飲むなんて正気の沙汰ではない。


「『魔眼!』」


私は父が飲んだ湧き水を『魔眼』で確認する事にした。




【麻痺の湧き水】


効果:この水を飲んだものは麻痺して動けなくなる



「やっぱりこの湧き水やばいじゃん!?」



すると、ばたーーん!と音がして、父は地面に倒れ込んだ。



「パパ!?」


「お、お父さん!!」


私と母は父に駆け寄った。


「か、体が、動かな......」


ピクピクして動かなくなる父。

早速体が『麻痺』したのか、身動きが取れないでいる。


それを見て、リコはきゃっきゃと笑っていた。ひどい赤ちゃんである。


「もうー!『キュア』!」


私は父に状態異常を回復する『キュア』をかけた。



「し、死ぬかと思った.......」



父は『麻痺』状態が解除されたのか、立ち上がっていた。

息が上がり、ぜーぜーしている。



「あんな得体の知れない水飲むから....」


「パパ、大丈夫? どこか苦しいところはない?」


「ああ、大丈夫だ。いやあ、油断したな!」



はっはっは、と笑う父。父はいつだって無鉄砲なのだ。


「まあ、何事もなくてよかったよ」


「あまりに美味しそうな水だったものでな」


「お水ならリュックの中にたくさん入れておきましたよ〜」


「なっ!? そうだったのか」


「し、知らなかったんだ.....」


何度か父自身の手で水を取り出して飲んでいるはずである。



気を取り直して、私たちは先に進む事にした。


暫く歩くと、目の前に断崖絶壁が現れた。



「おおお.....」


「行き止まりだね〜」


目の前にそびえ立つ壁に、私は少しだけ圧倒されていたのだった。

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