騎士団長
「お前たち、ここで何をしているんだ」
森のダンジョンでバーベキューをしていた私たち。美味しくお肉を食べていたら、男女の金髪騎士に呼び止められた。
重厚な鎧に、白いマント。装飾のたくさんついた剣を腰に刺している。
「お肉食べてる」
「そういうことじゃなくて」
「野菜も食べてるぞ」
「そうじゃなくてだな」
「パンもあるよー?」
「違う!そういうことじゃなーーい!!!」
急に怒鳴る金髪騎士。食事中くらい静かにしてほしいものだ。
「騎士団長、あまり大きな声を出されるのはいかがなものかと」
お姉さん騎士が金髪騎士にそう指摘する。
「騎士団長?えらい人なの?」
私は金髪騎士にそう聞いた。
「俺か?俺はな、とってもえらいぞ」
えっへん、と胸を張って主張してきた。
「へえー」
そう言いながら肉を頬張る私。
早く食べないと焦げちゃうからね。
「あ、ちょっと焦げちゃった」
「あらあら、じゃあ焦げたのはママが食べるよ〜」
「いや、焦げたのは俺が食べる。ママはこっちの綺麗な肉を...」
「私別に焦げてても気にしないよー?」
いつのまにか私たちの興味は目の前のお肉に移っていた。
「聞いてないな」
「聞いてませんね」
騎士2人が何やらぶつぶつ言ってるみたいだけど、あつあつのうちにお肉を食べることの方が大事なのだ。
うむむ...と何やら小刻みに震え出す金髪騎士。
「話を聞け...!ウォーターボール!!!」
金髪騎士は私たちに向けて水の魔法を放ってきた。
おっ、お肉が、お肉が濡れてしまう!
私は咄嗟にお肉を守ろうと身構えた。
バリア...それとも結界? 頭の中でぐるぐる魔法を考える。
しかし、金髪騎士が放った水球は思った以上に小さく、大きさ約20cmほど。
そして恐ろしいほど低速でこっちに向かってきた。
「きっ、騎士団長様の必殺『ウォーターデストロイヤー』!?すごい、生で拝める日が来るだなんて...」
「ふっ、それほどでもないさ」
金髪騎士はドヤ顔で髪をかき上げていた。
そんな話をしていても水球は全然私たちの所までこない。
「こんな早く魔法を飛ばせるなんて...さすが騎士団長様...」
「何、君も鍛錬を積めばできるようになるさ」
何やら談笑がはじまった。
その間に私は『浮遊』で焚き火ごとお肉を移動させた。
水球とは離れた場所で再びお肉を食べはじめる私たち。
「さすがです、毎日血の滲むような努力をされたからこその結果ですね...!」
「あまり褒めないでくれよ、照れるじゃないか」
「あ、ちょっと焦げちゃったよーー」
「こっちはまだいけるぞ」
「レモンあるけど搾りましょうか〜?」
再びもぐもぐタイムをはじめる私たち。
「って、おい!!!!!!」
......バレた。
金髪騎士はちょっと怒っている。
ごほん、と咳払いをしたあと、騎士団長は私たちに向かって話し始めた。
もしよかったら、
【評価】と【ブクマ】を頂けると幸いです!
広告下の☆☆☆☆☆からポイントを入れて応援して下さい!




