森のダンジョン
私たちは『森林の古竜 Lv.30』の前に来ていた。
看板の下には蔦がびっしり生えた入口と、地下へ続く階段があった。
私達はその階段を降りていく。
今日のダンジョン攻略はゴーちゃんも一緒だ。
一度ゴーちゃんだけで潜ってもらったのだが、流石に高いレベルのダンジョンは一人で攻略できないみたいだったので、今日は一緒に行くことにしたのだった。
「ゴォ.....」
ゴーちゃんは自分だけでダンジョンを攻略できなかった事に対して申し訳なさそうにしていた。
「大丈夫だよ、ゴーちゃん!今日は一緒にダンジョン攻略しよう!」
「ゴォオー!」
おーっとゴーちゃんは拳を高く上に挙げた。
気合十分である。
地下へと続く階段を降りていくと、そこには森林が広がっていた。
地下のはずなのに、木漏れ日が差し込んでいて心地いい。
私は胸いっぱいに空気を吸い込んだ。
「気持ちいいね〜」
私はゴーちゃんの肩に乗りながら言った。
ゴーちゃんは私の運搬までしてくれる。
何しろ自堕落な私は出来るだけ動きたくないのだ。
「気持ちいいわね〜」
のんびりつぶやく母。
「気持ちいいなあー」
ベビーカーを押しながら歩く父。
木々の間を爽やかな風が通り抜け、木々の葉がそれに合わせて揺れていた。
「ゴォ?」
ゴーちゃんは急に立ち止まり、私を肩から下ろした。
「どうしたの、ゴーちゃん?」
剣を鞘から抜いて、走り出すゴーちゃん。
「敵か?」
私は『望遠鏡』を出して遠くを観察した。
ここから50メートルほどの距離に、ウサギが何匹かいた。
「ウサギだ!」
「ふむ。森ウサギ、攻撃力はそんなに高くないが、動きが速いので注意が必要なモンスターだな」
どこから知識を得たのかやたらと博識な父。
また高いお金を払って情報を買ったのだろうか。
たまに私の『百科事典』を熟読していたりもするし、そういう情報を集めるのがきっと好きなのだろう。
「パパ、詳しいわね〜!」
「色々調べたんだ」
母に褒められて満更でもなさそうな父なのであった。
ゴーちゃんはだいぶ遠くの方で戦っているので安心していたら、一匹の森ウサギが襲いかかってきた。
「うわっ!?ループ!!」
私は咄嗟に『ループ』を使用してウサギを縛り付けた。
び、びっくりした........
まだ心臓がばくばくしている気がする。
魔法の紐でぐるぐる巻きになって動けなくなるウサギ。
鋭い牙が二本生えていて、凶暴そうにキーキー鳴いていた。
それを父は剣でえいっと突く。
森ウサギは息絶え、光に包まれて消えていった。
「びっくりしたあ」
「倒せてよかったわね〜」
私はほっと胸を撫で下ろした。何とかなったみたいだ。
私たちはドロップ品である『ウサギの肉』と『ウサギの毛皮』をリュックに入れると、再び歩き出した。
少し進むと、ゴーちゃんが森ウサギを倒し終えたのか、『転移布』の上にせっせとアイテムを置いていた。
「ありがとう〜助かったよ!」
「ゴー!」
いえいえ、とんでもない!みたいな動きをするゴーちゃん。
あっという間に10数匹の森ウサギを倒したというのに、この謙虚さである。
私たちはゴーちゃんのおかげでほとんど何もせずに戦闘を終えることが出来た。
それにしてもゴーレムって、こんなに人間味があるものなのだろうか。
ゴーちゃんかわいいなあと思いながら、私は労うようにゴーちゃんの体をぽんぽんと触るのだった。
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