魔道薬屋 バズーカ
私たちはふらふらと王国を歩いていると、
市場で何やらお祭りの準備のようなことをしているのを見かけた。
「お祭り?」
「あら、あんた知らないのかい。今年は100年に一度の大収穫祭だよ!」
タペストリーのような物を取り付けていたおばちゃんが振り返って言った。
「収穫祭??」
「ほら、あそこにでっかい木がみえるだろう。あの木はこの王国の神木で、
100年に一度、大きないちごを実らせるんだ。その収穫祭だよ」
「へええ」
「収穫したいちごは、どうするんです?」
「潰して、お酒にするんだ。王国の儀式で使う神聖なお酒さ。
私たちが恩恵に預かることはまずないだろうね」
「飲んでみたいわね〜」
「ママはお酒が強いからなあ」
「お父さんはすぐ顔が赤くなるよねー」
「いいんだよ、すぐ酔う方が経済的だろ?」
「大収穫祭はね、パレードもあるんだよ。
我が国の王女さまのミチカ=クレール・ベリー様がお見えになるんだ」
「王女さまがいるんだ?」
「そら王国だから、いそうだよな」
「ちょうどあんたと同じくらいの歳だねえ」
おばちゃんは私をじっと見つめてそう言った。
「すごいね、そんな若いんだ」
「数年前に先代の王さまが亡くなられた時はもっと若かったよ。
若いというより、幼いって感じだったが、今じゃもう立派になられて...」
しみじみ語るおばちゃん。
国民に慕われているんだなあと私は思った。
「私も一国民として鼻が高いね。まあ100年に一度なんだ。楽しんでっておくれよ」
「ありがとう!」
お祭りの事についていろいろ聞いた私たちは、再び歩きはじめた。
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「あ、あれ!」
てくてく歩いていると、一つの看板が目に入った。
そこには「魔導薬屋 バズーカ」と書かれている。
看板の店名の下に、バズーカのような模様が描かれていた。
店構えは古い木造の家で、外壁にはツタが生えている。
「バズーカおばあちゃんの店か!」
「わあ、お邪魔してみましょう〜」
「おばあちゃんいるかなあ」
からんころーんと扉を開けて、店の中に入った。
店の中には、透明な瓶に入った薬草や素材、薬品が所狭しと並んでいた。
カウンターには本や書類が山積みになっていて、一枚の紙の上でペンが勝手に動きだした。
そこには「来訪者 4名」と書かれていた。
「ごめんくださーい」
私はカウンターの奥に向かって呼びかけた。
「いないのかな?」
「あれ、なんだこれ」
父が指さした方を見ると、そこには一本のひもがぶら下がっており、
『御用のある方はこちらの紐を引っ張ってください』
と書いてある。
呼び鈴か何かだろうか?
父はよいしょっと紐を引っぱってみた。
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