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はがねのベビーカー


宿に戻っておいしい晩御飯を食べた私たち。


今日はいっぱい動いたので早々に寝よう、

明日はダンジョンに行ってみようかと話していると、母がゆっくりと口を開いた。


「でも私、やっぱりちょっと不安だわ」


「リコのことか?」


父が優しくそれに応える。



「この子は自分で自分を守れないし...」



はじめての異世界、はじめてのダンジョン。

充分安全策を考えた私たちだったが、母の不安は拭えないようだった。



実際、ダンジョンを攻略しなくても、暫く暮らしていけるだけのお金はあった。

しかし、このまま何もせず成長しないということは即ち、緩慢に衰退していくという事に等しい。



いずれにせよダンジョンに挑戦するということ自体には母も同意していたが、やはり不安は大きいようだった。



「んだあ?」



むくむくと起きてきたリコ。

お前は平和でいいなあ、と私はリコの頭を撫でた。



「宿に置いていくわけにもいかないからなあ」



母の心配そうな顔をじーっと見つめるリコ。

感情を読み取ったのだろうか。


リコは何やらまた力を集めだした。



「だああああああ....」


「んなっ!?」


「なんか作ろうとしてる!?」


見守る私たち3人。



「だああああああああああ!!!」



光が輝きを増した後、段々と収まっていった。

私たちは目を開くと、そこには金属製のベビーカーがあった。



美しい曲線美。真ん中には大きい魔石が埋め込まれていた。

足場の悪い道でも使えるように、ゴツくて太めの車輪が付いている。



「こっ、これは...」


「ベビー...カー?」



金属で出来た外枠の内部に、ふかふかの布団が敷かれていた。

リコは寝かせろとばかりにじたばたする。


私はリコを抱いて、そっと置いた。



「んだっ!」



リコが両手を上げて声を上げる。

すると、金属で出来たベビーカーの屋根がシャッと閉まり、

リコの姿は完全に隠れた。



「「「おおお...」」」



なんというハイテクベビーカー。

これなら敵からの攻撃を防げそうである。

さらに。



「んだっ!」



と中からリコの声がすると、ベビーカーの周囲に結界のようなものが現れた。



「「「おおお.....」」」



なんてったってリコは職業『結界師』なのだ。


バリアだって使えるぞということを伝えたかったのだろう。



リコ、お前は何て親孝行なんだ...!!



私たちは思わずリコに拍手を送った。



私は魔眼でベビーカーの能力を確認することにした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【はがねのベビーカー】


効果

物理耐性 Lv.99 全魔法耐性Lv.99

重量軽量化

振動遮断

子守唄再生機能

天井プラネタリウム映写機能

しっかり熟睡 Lv.99

アロマリラックス効果 Lv.99


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



んなっ!?

おっ、お姉ちゃんにもそのベビーカーちょうだい!?!?



お姉ちゃんもアロマでリラックスしたい!


心地よい安眠と熟睡が欲しい...!!



リコのベビーカーを覗き込むと、

天井にプラネタリウムが映写されているのが見えた。

うっすらと子守唄も聴こえてくる。



そして、布団からはカモミールのような香りがした。

私がさっき摘んだ花を早速素材として使ったらしい。



美しいフォルムのベビーカーには、

坂上家が保有する金属の中で最高級のはがねが、ふんだんに使われている。



私たち一家が汗水垂らしてダンジョンを攻略する中、

リコはこの多機能高級ベビーカーでだらだらごろごろするつもりらしい。



なんという至れり尽くせりなベビーカーなのだろう。

リコは魔導具を作って疲れたのか、すやすやと眠っていた。




リコのアクセサリー、ベビーカー、

そして結界の効果があればどんな攻撃を食らってもおそらく大丈夫だろう。



絶対、なんてことはないだろうけれど、

宿にリコを置いて行くよりは安全なのではないだろうか。



「リコがせっかくベビーカーを作ってくれたし、一回ダンジョンに行ってみましょうかー」



母も前に進む決心がついたようだ。



よーし、そろそろダンジョンに行ってみよう!

楽しみでうずうずする私なのであった。

もしよかったら、

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