家族で特訓④
私が考えたトラップ対策。
まずは『サーチ』。
指定した物を半径1km範囲で探索してくれる。
魔眼でもトラップは見つけられるのではないかと予測されたが、
それはあくまで私の視野の範囲内にすぎない。
あらかじめどこにトラップがあるのかわかっていた方が安全だろうと考えたのだ。
「サーチ!お花!」
すると長方形の画面が目の前に現れた。
地図と共に、薬草の位置が映し出される。
「おおー、こんな感じで出るのかあ」
自分で魔法を作っておきながら、使ってみないと何もわからないわたし。
その方向に目をやると、カモミールのような花が生えている。
私は2、30メートルほど先の花の元まで歩いていき、何本か摘み取った。
かわいいから後でリュックに入れておこう。
次に『ちょっと浮く』
いかんせんぽんこつな坂上家である。
万全を期していても、うっかり床のスイッチを踏んでしまう可能性は大いにあった。
なら、最初からちょっと浮いておけばよいのでは?と考えたのだ。
「ちょっと浮く!」
私が唱えると、ちょっと浮いた。
そのまんまである。
浮いたまま立ったり座ったり、歩いたり走ったり自在にできる。
足裏の衝撃は感じるので、もし転んだりしたらしっかりダメージを食らいそうだ。
そして最後に『テレポート』。
一度行ったことのある場所ならどこでも行ける便利なスキルである。
私は家族を呼び寄せ、スキルを試してみることにした。
「テレポート!」
すると、一家は光に包まれ、一瞬のうちに転移した。
転移した先は、村の入り口。私は頭の中でイメージした場所だった。
「やったー、成功だ!」
「おおお.....すごいな...」
「一瞬で、村の前に...!」
どうやら、頭で転移先をイメージする以外に、
マップから選択する事も出来るようだった。
「ねえ、お父さん、ちょっと200メートルくらい私たちから離れてみて?」
私はパーティーの一人が離れた距離にいる場合の転移はどうなるのか、
試してみたかったのである。
娘に命令され走る父。
母はリコを抱えているし、
私は運動神経がぽんこつなのであまり動きたくないのだ。
父は嫌な顔ひとつせず走っていった。やさしいな。
「テレポート!」
私はそう唱えると、元いた草原に転移した。そこには、父の姿もあった!
「おお、あんなに離れていても一緒に転移できるんだな!」
「わあ、魔法みたいね〜(にこにこ)」
実際魔法なのだが、母はのんきに笑っている。
もし仮に強大なモンスターに出くわしたり、トラップで閉じ込められたり、
どこかから転落したとしても転移すればいい。
テレポートはモンスター対策、トラップ対策、
転落対策全てを兼ね備えるとんでもないスキルなのだ...!
私はひとりで興奮していた。
これだけ備えれば、ダンジョンに挑戦してみてもいいだろう。
危険を感じたら一旦中断してもいいしね。
気付けば時間はあっという間に過ぎ、段々と日が傾いてきた。
私たちは訓練を終え、宿に戻ることにした。
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