家族で特訓②
「こらーっ!だっ、だめでしょリコーーっ!」
ファイヤーボールを何個も放ち地面を穴ぼこだらけにしたリコ。
自分が何をしたか分かるはずもなく、母が叱ってもどこ吹く風できゃっきゃと喜んでいた。
私と父は母とリコの元に駆け寄った。
リコのほっぺをぷにっとつねる私。
「リコ!だめでしょ地面に穴ぼこあけたら!」
自分だって魔法で世界を壊しまくっているのだが、それを棚に上げてリコを叱るわたし。
リコはきょとんとして、大きいおめめをくりくりさせていた。
「う、かっ、かわいい...」
「可愛さに屈しちゃだめよカエデ!」
「そうだぞ、ここはお父さんがガツンと...」
父が俺の出番だ、とばかりに前に出てくる。
今度は父に向かっておめめくりくり攻撃を仕掛けるリコ。
「うっ、かっ、かわいい......!!!」
「もうーーー!!パパ!!!」
こればかりは仕方がない。開き直る父と私。
可愛いは正義なのだ。
「何か対策を練らなければならないな」
キリッとした顔で場を仕切りだす父。
急にキリッとしたところで、さっきまで娘にデレていたという事実は変わらない。
「そうねえ、リコはまだ物事の判断ができないし...」
なんてったってリコはまだ幼児。
言葉もままならないお子ちゃまなのである。
リコには可哀想だが、スキルを使えないようにする必要があるな、と私は思った。
「スキル封印!」
私はリコに向かってそう唱えた。
『魔法クリエイター』の効果は上手く発動したみたいだ。
私の目の前に長方形の画面が現れた。
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封印するスキルを選択してください
保有スキル
→魔道具創造Lv.2
→バリアLv.1
→ファイヤーボールLv.1
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私はファイヤーボールを指で選択した。
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封印したスキルは解除するまで使用できなくなります。よろしいですか?
『はい』 『いいえ』
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私は「はい」を選択すると、長方形の画面から光が湧き出て、リコの体に入っていった。
シュウウ...という音と共に消えていく光。
「ど、どうなったんだ?」
私はステータス表示を唱えた。
すると、「ファイヤーボール」の項目に赤い横線が引かれていた。
どうやらこれで、使用不可になったらしい。
「リコのファイヤーボール、封印できたよ〜」
「わーありがとうカエデ!これでお母さん安心だわ〜(にこにこ)」
私はリコに近付いて話しかけた。
「魔法はもうちょっと大きくなってから使おうね〜」
リコの頭をわしゃわしゃと撫でる。
そう言ってから、ふといつまでこの世界にいるんだろう、と思った。
ダンジョンを全部制覇したら、もしかしたら元の世界に帰れるかもしれない。
そんな考えが頭をよぎったけれど、私は目の前の状況を目いっぱい楽しみたいとも思っていた。
先のことなんて、誰にもわからないもんね。
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