宿で晩ごはんを食べよう!
「う、ううううまあああああ!?」
食卓には色とりどりの料理が並んでいた。
肉厚でジューシーなお肉の上には旨みたっぷりのソースがかけられている。
一方で、新鮮でカラフルな野菜がふんだんに入ったサラダには、酸味のあるドレッシングで味付けされていて、バランスが取れていた。
あっさりめのスープに、焼きたてのパン。
私と父はがつがつとご飯を食べていた。
「うまい!うまいぞ!」
「美味しい...!美味しすぎる...!」
「そりゃどうも」
宿のぶっきらぼうな受付のお姉さんがお水を注ぎに来てくれた。
相変わらずつーんとしているが、褒められて満更でもなさそうである。
「え、この料理、お姉さんが作ったの!?」
「他に誰がいるってんだよ」
確かに、食堂にはお姉さんしか従業員がいない。
すごい。凄腕のお姉さんである。
ふと目をやると、なにやらお母さんがぶつぶついいながらフォークにお肉を刺していた。
「お母さんだって.....お母さんだって上手にお料理できるもん......」
ぶつぶつ言いながらお肉を切る母。お、お肉に八つ当たりしている.....!?
「おっ、お母さんの料理だってとっても美味しいよ!?ねえお父さん!!!」
「まっ、まままママのご飯が一番うまいに決まってるじゃないか!!!」
必死に母をなだめる父と娘。
母は意外と負けず嫌いらしい。
「悔しいけど.....美味しい.....」
切ったお肉を口に運びながらぶつぶつ言う母。
次に母がご飯作ってくれた時には、盛大に褒めようと心に誓う父と娘なのであった。
「ところで、この辺りの村や街について教えてくれない?」
私は宿のお姉さんに問いかけた。
「なんだい、あんたたちそんなことも知らないのか」
えへへ、とぽりぽり頬をかく私。
宿のお姉さんは少し不思議そうにした後、再び話し始めた。
料理を褒めたのが功を奏したのか、お姉さんは昨日よりも饒舌である。
「ハジマリノ村から馬車で3日ほどの距離に果物の都、フルーチカ王国がある。ありとあらゆる果物の生産地で、人間界有数の王国だ。」
「く、、くだもの......!!」
じゅるり。とよだれがたれる私。
「初心者向けのダンジョンもあるし、中級者〜上級者向けのダンジョンもあるから多くの冒険者が滞在してるよ。それに、大きいギルドがあるから、ギルド登録もできる」
「ギルド登録??」
「ある程度大きなギルドになるとクエストを受注できるからね。あんたたち、本当に何も知らないんだね」
「この村じゃできないの?」
「小さい村だからね」
お姉さんは首を横に振った。
「この辺りのダンジョンって、どんな感じなの?」
今はお客さんがあまりいない時間帯のようで、お姉さんは私たちの話に付き合ってくれていた。
あまりに何も知らない私たちを憐れんだのか、なんだかんだ色々教えてくれている。
「中級者向けってところかな。あんたたちが見つけたダンジョンは上級者向けだね」
んなっ!?
「な、なぜそれを...」
「言っただろ、小さい村なんだ。噂がまわるのは早いんだよ」
「はえー」
「ギルドは簡単な情報しかくれなかったろ。大きい国に行けば情報屋がいるんだが、あいにくこの村にはいなくてね」
「なるほど〜」
「村周辺にあるダンジョンの中で一番クリア者数が多いのは『宝箱を探して』というダンジョンだな」
「ふむふむ」
人の話をすぐ鵜呑みにする単純な私たち。
次の目的地が決まったようである。
「まあクリア者数は多いが、死者数も多いよ」
うむ。雲行きが怪しくなってきた。
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