ダンジョン攻略証明書
私ははっ、と思い出し、パジャマの胸ポケットをまさぐった。
もしかして...
「これ...?」
胸ポケットの中には、「ダンジョン攻略証明書」と書かれたカードのようなものと、1枚の封筒が入っていた。
この封筒は、なんだろう。
私は攻略証明書だけを職員さんの方に見せた。
「これですか?」
目を見開く女性。
「えええええええ!!!!!」
女性は急に立ち上がり、興奮しはじめた。
「ダンジョンLv.55!?ゴブリンの巣穴!?!?!?!?!?」
耳がいたい。私は耳を押さえた。
「み、み、未発見のダンジョンですぅうううう!!!
まさか未だ発見されてないダンジョンがあるなんて!場所は?場所はどこなんです???」
「え、えーっと....」
あまりの気迫に圧倒される私たち。
まさか、未発見のダンジョンだったとは。
村からそんなに距離は遠くない所のはずだ。私は首をかしげた。
「申し訳ないが、このへんの地理には疎くてだな」
「んな、なんですってー!!!!」
父は苦笑いしながら頭をかいている。
「市場に向かう方角にあったような」
「ダンジョン内の構造は!?ちっ、地図は作成されましたか!!?!?」
「地図?」
母は不思議そうに言った。
「きっと迷わないように、冒険者が地図を作るのがセオリーなんだよ」
私は職員さんに聞こえないように、小声で母にそう言った。
「地上で魔法を放ったら、たまたまボス部屋に貫通しちゃって、だから構造とかはあんまり...」
「んな、なんですってえええええ!!!!」
卒倒する職員さん。
「だ、だだだダンジョンを破壊するだなんて、そんな前代未聞な!?!?」
あれ、言っちゃまずかったかな?
「でっでも、修復するって言ってたよ!」
慌てて補足する私。
「誰がそんなことを!?」
「えっとー.....その、神様が?」
てへっ、と笑って言う私。事実、本当のことである。
「そんな絵空事は通用しません!神様なんて、いるわけないじゃないですか!」
職員さんは子どもを叱りつけるように言い放つ。
ほ、本当だもん!嘘ついてないもん!
ぷりぷりする私。
私悪くないもん!
母はまあまあ、と優しく声をかけた。
「とっ、とにかく、すぐに調査隊を向かわせます。ご報告いただきありがとうございました」
「いえいえ、とんでもない。」
「アイテムの買い取りも行なっておりますので、売却希望のアイテム等がございましたらお申し付けください」
「いえ、今日はやめておきます。」
お願いします、と言いかけた私の言葉を遮って、父はそう言った。
「一旦ここを出よう。もう少しこの世界をよく知った後にした方がいい」
父は私と母に耳打ちした。
確かに、父の言うことは一理ある。
私たちがこの世界の常識を知らなかったせいで、職員の女性は取り乱してしまったのだから。
幸いお金は持っているし、マジックバックがあるのですぐにアイテムを売る必要はない。
私たちは父の言葉に納得し、ギルドを後にすることに決めた。
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