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俺のスキルは日用品ガチャ〜ハズレアイテムの消しゴムで呪いを消し去り、S級美少女と幼馴染を無双サポートして世界を救う〜  作者: 藤宮かすみ


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第9話「決戦への備えと、二人のヒロイン」

 あの一件以来、アークス・オルドからの接触は一時的に途絶えた。

 だが、それは嵐の前の静けさに過ぎないことを、俺たちは理解していた。


「奴らは、次こそ総力戦で来るわ。玲奈を、そして彼女の血を奪うために」


 協会の会議室で、俺たちは数名の幹部職員と共に作戦を練っていた。

 玲奈が自分の素性を明かし、協力を仰いだのだ。

 敵との全面対決は避けられない。

 決戦の日は、近い。

 その日から、俺たちの特訓が始まった。

 俺は毎日欠かさずガチャを引き続けた。

 これまでの実戦経験が影響したのか、一日に引ける回数が増加するボーナスまで発現していた。

 俺は祈るような思いで、きたるべき決戦のために使えそうなアイテムを片っ端からストックしていく。

 SRのどんな攻撃も一度だけ防ぐ盾や、SSRの身体能力を一時的に引き上げる薬など、高レアリティのアイテムも少しずつだが集まってきた。

 玲奈は、そんな俺に基本的な戦闘のイロハを叩き込んでくれた。


「いい、蓮! 敵と対峙したときの基本は、常に相手の重心を見ることよ!」


 竹刀を使った打ち込み稽古。

 俺は玲奈に一本も取れないが、それでも彼女の指導のおかげで、素人同然だった俺の動きは少しずつ様になっていった。

 葵は、持ち前のヒーラースキルに磨きをかけると共に、一族に伝わる補助魔法の習得に励んでいた。


「プロテクション! これで、蓮の防御力を上げられるよ!」


 訓練の合間に、俺たちは穏やかな時間を過ごした。

 三人で屋上で弁当を食べたり、帰り道に寄り道してクレープを食べたり。

 それは、束の間の、しかし掛け替えのない日常だった。


◆ ◆ ◆


「蓮」


 ある日の夕暮れ。

 訓練を終えた道場で、玲奈が俺の隣に座った。


「いつも、ありがとう。あなたがいなければ、私は今頃……」

「水くさいこと言うなって。俺たち、仲間だろ?」

「……ええ。仲間、ね」


 玲奈は嬉しそうに微笑むと、何かを言いかけた。


「もし、この戦いが終わったら……私と……」


 だが、彼女はそこで言葉を飲み込み、小さく首を振った。


「ううん、何でもない。今は、戦いに集中しないとね」


 その横顔は、少しだけ寂しそうに見えた。

 また別の日には、葵が俺に小さな袋を渡してきた。


「はい、これ。お守り。私が、蓮のこと、ずっと守ってるからね」


 中には、葵が手縫いした、少し不格好なウサギのお守りが入っていた。

 指先でなぞると、不揃いな縫い目から彼女が費やしてくれた時間と祈りの温もりが伝わってくる。

 俺は手のひらに乗ったその小さな布切れに、何よりも確かな愛情の重みを感じていた。

 二人の想いが、痛いほど伝わってくる。

 でも、俺はそれに応える資格なんてまだない。

 今はただ、この戦いを終わらせることだけを考えよう。

 そして、決戦前夜。

 俺は最後の願掛けのつもりで、その日のガチャを引いた。

 画面から放たれたのは、これまで見たこともない、神々しい黄金の光。

 【獲得】URランク:仲間との絆を力に変える腕輪

 手の中に現れたのは、三つの宝石が埋め込まれたシンプルなシルバーの腕輪だった。

 青い宝石は玲奈の氷を、緑の宝石は葵の癒しを、そして中央の無色透明な宝石は、きっと俺自身を象徴しているのだろう。

 俺は、一人じゃない。

 俺の隣には、かけがえのない仲間がいる。

 俺はその腕輪を、左腕に強くはめた。

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