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「カーテン開けると異世界トリップで大儲け」  作者: 碧凛睡
第2章 新しい異世界カーテンの向こうで大商売!
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第11話 止まらないポテトチップス

寿司を食べ終えた翌日。

蓮は店の奥に、コスタコで仕入れてきた商品を並べていた。

「さて……」

テーブルの上には、まだまだたくさんの商品がある。

「次は何を出そうかな」

ミリアが商品を眺める。

「たくさんありますね」

「うん。でも、全部一気に出すつもりはない」

「どうしてですか?」

「一つずつ反応を見たいんだ」

蓮は商人らしく答えた。

「売れるかどうか分からないものを、いきなり大量に出すのは危ないからね」

クロウも頷く。

「慎重なのは悪くない」

そのとき――。

ミリアが一つの商品を手に取った。

「これは?」

「ん?」

蓮が振り返る。

ミリアの手にあったのは、大きな袋。

「ポテトチップスだよ」

「ポテト……?」

「ジャガイモを薄く切って揚げたお菓子」

「ジャガイモを?」

「うん」

セレナも興味津々で近づいてくる。

「お菓子なのですか?」

「そう」

「甘いのですか?」

「これは塩味」

「塩味……」

セレナは不思議そうな顔をした。

「お菓子なのに甘くない?」

「日本では普通にあるよ」

蓮は袋を開けた。

パリッ。

香ばしい匂いが広がる。

モモが飛んできた。

「何の匂い?」

「ポテトチップス」

「食べる!」

「まだ何も言ってないけど……」

蓮が一枚渡す。

モモは小さな口で――。

パリッ。

「…………」

もう一枚。

パリッ。

さらに一枚。

パリッ。

「モモ?」

「これ……」

モモが真剣な顔をする。

「止まらない」

「早いな!」

セレナも一枚食べてみる。

パリッ。

「……!」

目を見開いた。

「これは……」

もう一枚。

パリッ。

「美味しいです」

ミリアも食べる。

「本当ですね!」

クロウも一枚。

パリッ。

「……なるほど」

蓮が聞く。

「どう?」

クロウは袋を見つめた。

「これは売れる」

「やっぱり?」

「しかもロールケーキとは違う」

「どういう意味?」

「日持ちする。持ち運びやすい。小分けできる。そして――」

クロウがもう一枚食べる。

「安く売れる」

蓮は頷いた。

「そうなんだよ」

ロールケーキは特別な商品。

寿司は鮮度の問題で販売しない。

その点、ポテトチップスなら――。

異世界で広く売れる可能性がある。

蓮は袋を見ながら考える。

「まずは少量から売ってみよう」

***

その日の午後。

店先に新しい商品が並んだ。

『ポテトチップス』

「……これ、何?」

客たちが袋を眺める。

「ジャガイモのお菓子です」

蓮が説明する。

「甘くないの?」

「塩味です」

「お菓子なのに?」

「食べてみてください」

一人の男性が恐る恐る一枚食べる。

パリッ。

「……」

二枚目。

パリッ。

三枚目。

パリッ。

「うまい!」

周囲から声が上がる。

「そんなに?」

「一枚食べてみろ!」

隣の女性も一枚。

パリッ。

「……美味しい!」

そこからは早かった。

「私にも!」

「こっちにも!」

「もう一袋!」

「酒にも合いそうだ!」

蓮は驚いた。

「思ったより早いな……」

クロウが笑う。

「だから言っただろう」

「何を?」

「これは売れる」

さらに――。

そこへガルバンがやってきた。

「蓮君!」

「ギルド長?」

「新しい商品を出したと聞いたぞ!」

「はい。ポテトチップスです」

ガルバンが一枚食べる。

パリッ。

「……」

もう一枚。

パリッ。

そして――。

「酒!」

「え?」

「酒を持ってこい!」

「いきなりですか!?」

ガルバンは真剣だった。

「これは酒に合う!」

蓮は思わず笑ってしまった。

「寿司の次はポテトチップスですか」

「いや!」

ガルバンは袋を抱えた。

「寿司とは別物だ!」

そして満足そうに一枚食べる。

「これは普段から食べられる!」

蓮も頷く。

「そうですね」

ロールケーキのような特別な日に食べるものではない。

寿司のように鮮度を気にする必要もない。

ポテトチップスは――。

毎日でも食べられるお菓子。

蓮は少し嬉しくなった。

「こういう商品も、異世界の人たちに届けていきたいな」

セレナが笑う。

「蓮様の商売、ますます面白くなってきましたね」

その横でモモが袋を抱えていた。

「蓮」

「ん?」

「これ、もう一袋」

「さっき食べたよね?」

「別腹」

「ポテトチップスに別腹があるのか……?」

店の中に笑い声が響いた。

そして翌日――。

ヴェルナの街では、

「パリパリのお菓子」

という新しい噂が広がり始めていた。

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