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「カーテン開けると異世界トリップで大儲け」  作者: 碧凛睡
第1章 カーテンの向こうで大商売!
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第51話 境界の町で大商売!父さんの足跡を追え

「境界最深部まで、あとどのくらい?」

船の甲板で、蓮が海斗に聞いた。

「このまま進めば、二日ほどだ」

「二日か……」

蓮はスマートフォンを見る。

【父親の現在地】

【境界最深部】

【生命反応:不安定】

「父さん……」

蓮は海の先を見つめた。

すると――

「蓮!」

ミリアが叫んだ。

「前に町があるよ!」

「町?」

水平線の先。

海岸沿いに大きな街が見えてきた。

巨大な門。

たくさんの船。

そして、港には大量の人が集まっている。

海斗が笑った。

「境界交易都市だ」

「交易都市?」

「いろんな世界から商人が集まる場所だ」

ガルドの目が輝く。

「……商売できるな」

「やっぱり?」

「当然だ」

蓮も笑った。

「じゃあ、寄っていこう」

港に着いた瞬間

船を港につける。

すると――

「異世界の船だ!」

「何を積んでるんだ?」

「見たことのない商品だ!」

あっという間に人が集まってきた。

蓮は少し驚く。

「すごい人だな……」

ガルドが笑う。

「ここなら売れるぞ」

「よし」

蓮は船倉を開けた。

「臨時店舗、開店!」

一番人気はやっぱり……

最初に並べたのは、

石けん。

歯ブラシ。

タオル。

ランタン。

乾電池。

保存食。

そして――

「プリン!」

セレナが箱を持ち上げる。

「本日の目玉商品です!」

「セレナ、勝手に決めないで」

「でも売れます!」

一人の客がプリンを見る。

「それは何だ?」

セレナが笑顔になる。

「甘くて、とても美味しい食べ物です!」

「一つくれ!」

「ありがとうございます!」

一口食べた客は――

「……!」

目を見開いた。

「なんだこれは!」

「美味い!」

「俺にも!」

「私も!」

一気に行列ができた。

蓮は笑う。

「やっぱりプリン強いな……」

ガルドが帳簿を書く。

「開始三十分で12金貨」

「早っ!」

意外な大ヒット商品

しかし、プリン以上に売れ始めた商品があった。

それは――

ウェットティッシュ。

「これ、手を拭けるのか?」

「はい」

「水を使わなくていい?」

「そう」

「便利だ!」

港町では船旅が多い。

水を節約できるウェットティッシュは、予想以上に人気になった。

「十個くれ!」

「こっちは箱で!」

「船に積みたい!」

蓮は驚いた。

「こんなに売れるとは……」

ガルドが笑う。

「港町では、港町に合う商品が売れる」

「なるほど」

蓮はメモを取る。

「場所によって売れる商品が違うんだな」

「商人なら覚えておけ」

「はい、先生」

「誰が先生だ」

父の名前

昼過ぎ。

一人の老人が店の前で立ち止まった。

「……その紋章」

蓮の服にある佐伯家の紋章を見ている。

「あなた、佐伯家の人?」

「はい」

老人の顔が変わった。

「やっぱり……」

「何か知ってるんですか?」

老人はしばらく黙っていた。

そして、

「昔、同じ紋章をつけた男が、この町に来た」

蓮の心臓が跳ねる。

「父さん……?」

「名前は知らん」

老人は首を振った。

「だが、かなり変わった商人だった」

「何を売ったんですか?」

「石けん、薬、食料、道具……」

蓮は目を見開く。

父と同じだ。

「そして最後に、こう言った」

老人は父の言葉を思い出すように話した。

「――俺は、もっと深い場所へ行く」

「境界最深部へ?」

老人は頷いた。

「そうだ」

父が残した店

老人は町の外れを指差した。

「そこに小さな店がある」

「店?」

「その男が最後に使っていた店だ」

蓮たちはすぐに向かった。

港から少し離れた場所。

古い建物が一軒。

看板には――

佐伯商店

蓮は立ち止まった。

「……父さん」

店の扉を開ける。

ギィィ……。

中には古い棚。

空になった商品箱。

そして――

壁に一枚の紙が貼られていた。

蓮が近づく。

そこには父の字。

――蓮へ。

蓮の手が震える。

「……俺宛て?」

ミリアが隣に立つ。

「読んで」

蓮は紙を読む。

――もし、お前がここまで来たなら、

――俺の後を追っているのだろう。

――だが、焦るな。

――商人は、急いで売ればいいというものではない。

蓮は思わず苦笑した。

「こんなときまで商売の話かよ……」

そして次の一文を読む。

――この町で、必要なものを届けてから来い。

「……え?」

ガルドが笑った。

「なるほど」

「父さん……」

――この町には、まだ困っている人がいる。

――それを放って先へ進むな。

――それができたなら、

――お前はもう、俺より立派な商人だ。

蓮は紙を握った。

「……分かった」

父の店を再開!

蓮は外へ出た。

「みんな!」

全員が振り返る。

「この町で、もう一日商売する!」

セレナが即答する。

「賛成です!」

ミリアも笑う。

「蓮らしいね」

ガルドは帳簿を開いた。

「なら、明日はもっと売るぞ」

「よし!」

蓮は拳を握る。

「父さんが残した店で――」

「もう一度、商売だ!」

その夜。

佐伯商店の明かりが、久しぶりに灯った。

そして誰も気づいていなかった。

店の地下。

古い床板の下から――

小さな箱が光っていることに。

箱には、父の文字でこう書かれていた。

『蓮へ。これを見つけたら、俺のところまで来い。』

その下には――

『ただし、母さんにはまだ言うな。』

と書かれていた。

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